リビングにあるパソコンで調べ物をしていて、画面を印刷しようと思ったら、画面に、
「インクがありません。交換してください。」
というメッセージが出た。
・・・・・・・・
印刷は今度にしよう。誰かがインクを交換するだろう・・・・・。
「どうしたの?」
娘が尋ねる。
私 「うん・・・。インクが無いって。」
娘 「さあ、交換してみよう。この前教えたよね。」
私 「うん・・・・・。でも、覚えてない・・・。」
娘 「もう(ちょっと怒)。ほら、プリンターの電源入れて。まず、どこか開けるんでしょ。」
私 「どこ・・・・だっけ・・・・。・・・・ここ・・・?」
私はプリンタの角にある小さな所を開けた。
娘 「あー!違ーう!そこはメモリーカードを入れるところでしょ!」
私 「ふーん・・・・。じゃあ、・・・・ここ・・・?あ・・・。」
ここはスキャナーとか言うところだったな。
娘 「もう、おかあさんったら。」
私 「うーん。ここ?あれ、あかない。じゃあ、ここ?」
プリンターのあちこちを開けようとするが、どこも開かない。
娘 「もっと下の方。」
私 「ここ?」
「下の方」なる所を開けようとしたら、どこも開かず、プリンター自体を持ち上げてしまった。
私 「あれ?もちゃがっちゃった。」
娘 「プリンター持ち上げてどうするの(爆笑)。」
私 「あ、ここ。えい!」
今度は用紙のトレイを引き出してしまった。
娘 「何してるの(爆笑)!ほら、こうして(パタンと印刷した紙が出てくる所を開く)、ここを持ち上げるの。」
娘がプリンターのお腹のあたりを持ち上げると、お腹の中身が見えた。中にインクカートリッジが5個くっついたものが、「ウィーン」と言って右の隅っこの方に隠れてしまった。
私 「あった。でも、隠れちゃったよ?」
娘 「ああ・・・、この子、ちょっととろい子だから待っててあげて。すぐ真ん中に出てくるから。」
私 「(ジー。注視&沈黙。)・・・・・・出てこないんだけど。」
「ウィーン」
突然、カートリッジ5つ子が右の隅から出てきた。
私 「あ、出てきた!」
5つ子は、そのまま真ん中を通過し、そそくさと左隅に隠れてしまった。
私 「あの・・・、また隠れちゃったけど。」
娘 「うん。ほら、とろい子だから。ね、待っててあげて。悪い子じゃないから。」
私 「(ジー。注視&沈黙。)・・・・・・出てこないんだけど。」
「ウィーン」
突然、カートリッジ5つ子が←の隅から出てきて真ん中で止まった。
私 「おー!出てきた!」
娘 「じゃあ、新しいカートリッジの封を開けて。何色が無いんだって?」
私 「マゼンタ」
娘はマゼンタのカートリッジを私に渡した。
どうやって封を開けるんだ?うーん。「2」と書いてある。ということは、どこかに「1」があるわけだ。「1」はどこだ?
カートリッジをいじくりまわしている私を、娘はじーっと見ている。
私 「2と書いてある。」
娘 「そうだね。」
私 「ということは、まず1を・・・・・1・・・あった。これを・・・矢印の方へ引っ張ってみると・・・・おー、いけそう。で、2を引っ張ると・・・・オー!あいた!」
娘 「じゃあ、オレンジの出っ張ってるところを取って。」
私 「出っ張ってるところを取る・・・。これ・・・?」
私が透明な部分をむしろ取ろうとしたら、
娘 「あーーー!!!駄目ーーー!!!入れられなくなるー!」
私 「(ビク!)違った?」
娘 「オレンジって言ったでしょ!」
私 「あれ?言った?出っ張った所って言うから。(ここ、どう見てもいらなさそうな部分じゃない?)」
私は恐る恐る、オレンジの出っ張ったところをむしり取ろうとしてみた。
私 「取れない・・・・。」
娘 「いや、取れないはず無いから。」
私 「ムキュッ!あ、外れた!」
娘 「あ!向きそのままでね。逆さまにするとインクが染み出るからね。」
私 「うん。」
娘 「じゃあ、プリンターの中のカートリッジを取りだして。透明な部分を押せば出るから。」
私 「え・・・と・・・透明な部分を押す・・・・押す・・・・。出ないけど。」
娘 「そんなはずないけど。もう一回押して。」
私 「押す!おー!出た!」
私は古いカートリッジを取りだした。娘は新しいカートリッジを私に渡す。
娘 「この向きで入れるの。」
私 「この向きで入れる・・・・・。(そーっと入れる)入れる。ぱ・・・ち・・・ん・・・。」
カートリッジは思いのほか軽く入った。
私 「おー!入った!」
娘 「よかったねえ。もうさ、お母さんって本当に覚えないんだから。」
あー疲れた。
娘も疲れただろうな。ありがとうね。
夫がしばらくして帰って来た。
娘は夫がリビングに入ってくるなり、
「ねえ、お父さん!お母さんってね、ひどいんだよ。カートリッジ交換するのにね、メモリーさしこむ所開けちゃったりね・・・」
夫 「いや、それは説明しないと。あーちゃんだもん。」
分かるはずが無い、と、言外に言う。
娘 「でね、下の方開けて、って言ったら、プリンター持ち上げちゃうし・・・」
夫 「そりゃあ、ちゃんと説明しないと。あーちゃんだもん。」
分かるはずが無い、と、言外に言う。
娘 「でね、今度はカートリッジのオレンジの所を取ってって言ったら、ここ(透明な部分)をむしり取ろうとするし・・・。」
夫 「そりゃあ、ちゃんと説明しないと。あーちゃんだもん。」
分かるはずが無い、と、言外に言う。
夫と娘の会話は続く。あーあ。
- 総アクセス数(1,774)
- (1)
- (0)
コメント