私の母は強烈な人である。
自分の考えが世界の中心でなければならない。母に異を唱えるなど言語道断。母が会話の中心から外れるような話題を出したら、とたんに氷のようなオーラが母から発せられる。
そして完璧主義者である(一応)。何でもかんでも「must せねばならない」という考えで生きていて、当然他の人間もそういう考えで生きていなければ許せない。しかし、私は、「can or may やれることやればいいんじゃない?」という、ゆるい人間である。当然、母は私という人間が我慢ならない。母には、私はいい加減で信用できない怠けもの以外の何物でもない。
加えて、母の辞書には「論理的」などと言う言葉は無い。感情あるのみ。母の感情は、他人のどんなに完璧な論理も突破して、自分の結論に突き進む。もともと母には論理が無いので、自分の論理が変だという意識すらない。母に太刀打ちできるのは、母と同じように論理を一切無視できる人間だけである。