(SNS全体・外部に公開(Web全体に公開))
be動詞について(その3)ハイレベル?な補足
GWが終わってしまいましたね。受験生の皆様は無事予習を終えられましたでしょうか?
今回はbe動詞について(その3)です。
本来は(その1)と(その2)だけで終わらせる予定だったのですが、変更しました。
今回は(その3)なわけですが、完全に「文法が気になる人向け」の情報です。
「文法なんざ、細かすぎて嫌だ!」という人には向いていません。
文法が気になる人だけ、お楽しみください。m(_ _)m
●第1文型か? 第2文型か? ●動詞ではない be がある。
この2つについてのお話です。
●第1文型か? 第2文型か?
下の3つ英文を見てください。
(1)I am a boy.
(2)I am at the station.
(3)I am home.
(1)(2)(3)はそれぞれ第何文型でしょうか?
(1)は問題ありません。第2文型(SVC)です。
第2文型(SVC)は、(その1)で説明したとおりの原則どおり、A=Bの関係を作ります。
すなわち
I = a boy
私=(一人の)少年
という関係式になっています。これがbe動詞の基本形であることはお話したとおりです。
問題は(2)や(3)の場合です。第何文型でしょうか?
伝統的な学校文法では、(2)も(3)も第1文型(SV)と習います。
私も当然通常は「第1文型」と教えます。
これについては(その2)で次の例文で軽く触れています。
God is.(神はいる)
↑このケースです。この例文は「どう考えても補語(C)がない」ですね。絶対に第1文型(SV)です。
(2)や(3)はそれと同じケースと考えます。
(2)I am at the station. の場合、God is.(神はいる)と同じように、
「私はいる、駅に」⇒「私は駅にいる」という意味である。
I ≠ at the station
と考えるわけです。
(3)I am home. の場合も、God is.(神はいる)と同じように、
「私はいる、家に」⇒「私は家にいる」という意味である。
I ≠ home
と考えるわけです。(2)も(3)もA≠Bなので第2文型(SVC)ではなく、第1文型(SV)である、とされます。
(2)の場合「at the station」のかたまりを「副詞句」と捕らえます。(ここを詳しく説明する時間的余裕がないです。ごめんなさい。今回は副詞句なのだとお考えください)
(3)の場合、辞書で引けば分かりますが home は「副詞」なのです。
※ home は名詞もありますが、名詞にしたら、I = home (私=家)になってしまいます。これは確実「私≠家」なので完全におかしい。home の副詞の意味は「家に」なので、この場合のhome は「副詞」とされるわけです。
ここまでよろしいでしょうか?
ここまでが、伝統的な文法解釈です。
ところが、これに異を唱える考え方が20年ぐらい前から出現しました。
(2)I am at the station.
(3)I am home.
この(2)や(3)のケースも第2文型と取るべきだ、という考え方があるのです。
この立場に則るには↓こう考えます。
・at the station は「その駅にいる(ある)状態」という意味である。
・home は「家にいる(ある)状態」という意味である
こう取れば、
(2)I am at the station.
I = at the station (私=その駅にいる状態)
(3)I am home.
I = home (私=家にいる状態)
とできるではないか! だから第2文型だ。
……と考えるわけです。
実のところ、この考え方は普及しつつあります。
普及しつつある段階なので、この手の英文((2)や(3)のような英文)を第1文型とするか第2文型とするか「決着はついていません」。多くの場合は(2)も(3)も「第1」とされますが、徐々に変わりつつあります。
一昔前の文法問題集にあるこの手の英文((2)や(3)のようなもの)は、全部「第1文型」としていました。
では、最近の文法問題集はどうか?
実は「[(2)や(3)のような英文]の文型を問う問題」自体を避けているのです。この手の英文自体が、文法問題集の5文型の学習事項の中から姿を消しているのです。
文法を学ぶ皆さんは「両方の考え方があるんだ」という具合に認識していただければと思います。
それでも万一、文型を尋ねられたら、基本的には「第1文型(SV)」としてください。
(正直、明らかに「第2」だろう、という形もあるのですが、一応「第1」としたほうが多くの場合、無難です)
●動詞ではない be がある。
次の3つ英文をご覧ください。
(4)He was rich.
(5)He was watching TV.
(6)He was kicked by her.
この(4)(5)(6)のそれぞれの was の品詞を答えなさい。
分かりますか?
「え~? 全部動詞に決まってるではないか」と思う人が大半なのではないではないでしょうか?
確かに(4)の was は動詞で良いです。
でも実は
(5)、(6)の was は動詞ではありません。
Ψ(`∀´)Ψ
実は…「助動詞」です。(4)や(5)の be は、文法上はどちらかといえば、will や can や must に近い存在です。
うそ~~!! Σ( ̄□ ̄)!
と思った方、本当かどうか調べる簡単な方法があります。お近くの英和辞典で「be」を調べてください。助動詞の「be」について説明があるはずです。
(4)He was rich.(彼は金持ちだった)
このケースの was は普通に「動詞」です。SVCの第2文型。He=rich (彼=お金持ちだ)、となる「コテコテの第2文型の例」です。
(5)He was watching TV.(彼はテレビを見ていた)
このケースは「進行形」ですね。実は、
進行形とは「[助動詞のbe]+[動詞の現在分詞] で作られている
のです。
だからこの場合の was は助動詞!
じゃあ、この場合「He was watching TV.」の文型は分かりますか? 動詞で判断するんですよ! 助動詞で判断しないでくださいね! 動詞は何? watch ですね。
watch で判断するので「SVO」の第3文型です。(実は進行形の場合、何文型かは文法問題集ではよく問われます。試験問題では出ませんけどね)
(6)He was kicked by her.(彼は彼女に蹴飛ばされた)
このケースは「受動態」ですね。実は
受動態とは「[助動詞のbe]+[動詞の過去分詞] で作られている
のです。
だからこの場合の was は助動詞!
じゃあ、この場合「He was kicked by her.」の文型は分かりますか? 動詞で判断するんですよ! 助動詞で判断しないでくださいね! 動詞は何? kicked ですね。
kick で判断します。能動態になおして⇒(She kicked him.)⇒「SVO」の第3文型とします。(もっとも、普通、「受動態」は文法問題集でも文型判断を問われません)
●「助動詞の be 」は他にも登場するケースがあります。あと2つはできたら覚えて欲しいです。
その1つは、仮定法で出てくる熟語「were to」(まず不可能な未来の仮定を表すときに使う) 。
(7)If you were to win the lottey, what would you do?
(もし宝くじに当たるようなことがあったら、どうしますか?)[出典:総合英語 Forest]
この were も動詞ではなく「助動詞」です。
どういう場合にどのように使うか、などの説明は長くなってしまうので、ここでは割愛します。仮定法を勉強するときに、覚えてくださいね~
もう1つは、不定詞を勉強するときに習う 「be to 熟語」(予定・命令・義務・可能・意志・運命、のどれかの意味になる).
(8)You are to study much hard.
(あなたはもっと一生懸命に勉強をすべきだ)
この are も動詞ではなく、「助動詞」です。
be to 熟語についてです。
私の文法動画の該当部分をakakaさんが詳しくまとめてくださいました。ありがとうございます。
「be to 熟語」について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。m(_ _)m
akakaさんの日記の多くは私の文法動画の学習を結果をまとめくださっています。参考にされてはいかがでしょうか?
今回は以上です。
ではまた来週です。来週は模試についての話をする予定です。よろしくお願いします。
m(_ _)m
コメント