「小さい頃から英語をやらなかったから私は英語ができなかった」
「小さい頃から英語をやれば英語は誰でもできるようになる」
…皆さんはこういう意見を耳にしたことはないだろうか?
こういう意見が出るのは「英語」だけである。他の科目には出てこない。
例えば
「小さい頃から算数をやらなかったから私は算数ができなかった」
こんな意見をあなたは聞いたことがあるだろうか? おそらくないはずである。
なぜなら、日本の教育では誰もが小さい頃から算数・数学を何年もやらされているからだ。
だが、小さい頃から算数をやらされていたからといって、日本中が全員数学の天才になるかといえば、そんなことはない。算数が得意な人もいれば、数学アレルギーになる人も一定数必ず生まれる。
「小さい頃からやれば誰でもできるようになる」わけではないのは、算数を見れば明白だ。
要するに、小さい頃から算数をやったって、理数系が得意な人も生まれれば、苦手な人も生まれるのである。
にもかかわらず、
「小さい頃から英語をやらなかったから私は英語ができなかった」
「小さい頃から英語をやれば英語は誰でもできるようになる」
という意見には、なぜか多くの人が妙な説得力を感じてしまう。実に不思議である。
事実、私の生徒さんには、「小さい頃から英語をやってたのに英語ができなかった」という生徒さんがいる。
https://www.ye-study.com/gakusei/
↑ここの下の方にある合格体験記の生徒さんのうちの2人は、まさにそういう環境に育った人であった。
彼らは、
お父さんは英語がペラペラ、お母さんは英語が片言。幼稚園時代はイギリスに住み、小学校から高校までずっと英会話スクールに通った(通わされた)のである。
これで、英語が全然できなかったのだ。3単元のルールすら知らなかったし、リスニングが得意なわけでもなかった。
彼らは周囲から「その環境でなんで英語ができないの?」と言われまくって、ずっと苦しんでいたのである。
そんな彼らが私の塾に入り、英語を一から一緒に学習した結果、成績が上がり、同志社や関西学院大学に入ってしまった。
私にとってここでちょっとした「不都合」が起きる。
彼らはもともと「小さい頃から英語をやってたのに英語ができなかった」生徒さんなのだが、無事に一流大学に入った彼らを見て、世間はこう勝手に思い込むのだ。
「ほら、やっぱり小さい頃から英語をやっていたから合格できたんだ!」と。
私がいくら「違う! 彼らは『やってたのにできなかった』のを、うちで和訳例を作ってもらう作業を繰り返したらできるようになったの!」と叫んでも、多くの人が信じてくれない。
英語が苦手な生徒専門の私の塾に入ってくれた成功例の生徒なのに、世間は都合よく「幼少期教育の成功例」として美談にしてしまうのである。
それくらい、
「小さい頃から英語をやらなかったから私は英語ができなかった」
「小さい頃から英語をやれば英語は誰でもできるようになる」
という意見(私に言わせれば「妄想」)を、多くの人は疑いもなく信じてしまうのである。