前回は、「その意味が分からなくても英語をスピーチするだけで、英語が喋れるように見せかけることが可能」というお話でした。今回は、「英語のスピーチのしやすさ」です。どういう意味か、と申しますと、
・耳タイプくんと、意味タイプくんでは「どちらが英語のスピーチがしやすいか」という話です。
もちろん、それは耳タイプくんですが、「どうしてそうなるか」について話したいのです。理由は「耳タイプくんは意味を考えないが、意味タイプくんは音より意味が先に来るため」です。
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ここに、なんらかの英文のスピーチ原稿があるとします。耳タイプくんと意味タイプくんは、この英文をスピーチするとします。彼らは、まずどういう行動をとるか…
●スタート
耳タイプくん……「この英文の音声を聞かせて欲しい」
意味タイプくん…「この英文の意味を教えて欲しい」
まず、このようにスタート時点から発想が違います。耳タイプくんは「音を真似ること」が優先されます。音を聞いて早く真似たい、と考えるのです。一方、意味タイプくんは「意味を認識すること」が優先されます。意味が分からない英文など言いたくないし、覚えたくないのです。
●中身
耳タイプくん……「より良い発音に気を付ける」
意味タイプくん…「英文を覚えることに必死で、良い発音など気にしない」
耳タイプくんは、音が気になるので、音真似だけを気にします。結局、文をまるごと覚えることになりますが、「文の【音】をまるごと真似る」意識です。一方、意味タイプくんは、文字だけを気にします。文字を見ながら文を覚えることになります。この時、英文を読む意識はありますが、音を真似る意識は全くありません。
この差がスピーチの出来栄えに影響をもたらすのです。耳タイプくんのほうがはるかにスピーチがやりやすく、美しい発音でより良いスピーチができるでしょう。一方、意味タイプくんは大変です。もしその英文の意味が分からなかったら、英文のスピーチする気が0%に近くなります。
一方、耳タイプくんは、その英文の意味など全く気にしません。むしろ意味などないほうがよく、邪魔かもしれません。
こうしてスピーチ大会では耳タイプくんがもてはやされ「英語ができる」と認識されます。一方、意味タイプくんは褒められることはなく「英語ができない」と認識されるのです。
金曜日の夜11時からはいつものニコ生英文法講義です。次回は来週の
月曜日です。
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