今日は「ライティング」について書きます。
今までのセンター試験の英語には「ライティング」を測る問題はありませんでした。(途中からリスニング問題はできましたが)
新テストのライティングがどのようなものになるのかが、現段階では全くの未知数です。
「ライティング」は単純に考えて大きく2つに分けられます。
(1)与えられた「日本語」をよりナチュラルな「英語に直す」(いわゆる「英訳問題」「(ふつうの)英作文」)
(2)与えられた「テーマ」に沿って、ちょっとしたエッセイを「英文で書く」(いわゆる「自由英作文」)
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(1)は昔から大学入試問題としては存在してきました。ただし普通はあまり対策は専門的に取られてきませんでした。理由は「難しすぎるから」です。
私が浪人生だったころ、私は英語の先生にこう言われたものです。「英作文問題はたいして差がつかない。どんなに英語が得意な人でも、入試で出される英作問題で満点を取ることはまれである。たいていどこかで減点される。だから差があまりつかない。君らは安心して間違えなさい」
⇒つまり「ライティングは難しい」ということです。
(2)は私が受験生だったころ、今から30年ぐらい前からちらほら出始めた形式です。こっちは英文の正確性よりは「表現力」を問われます。例えば「あなたが好きな季節について500語程度の英語で書きなさい」というような問題です。あなたならばどう書きますか? 例えば I like summer. って書き始めて、そのあとどう書きますか? 500語書かなければならないのに3語しかまだ書いてないですよ。この場合、この後「夏はこれこれこうだから、他の季節より私は気にいっている」…みたいな話を書かなければならないわけです。
どうです?
大学入試での「ライティング」って恐ろしく難しいと思いませんか?
実は大学入試で「ライティング」を課すような大学は、ずっと「英語が難しい大学」に限られてきたのです。(誤解のないように言うと、「英語が難しいと言われる大学」の全てがライティングのテストがあるわけではないです。)
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参考までに…
私が某語学出版社で働いていた時の話です。お金をもらっている翻訳家の人が、英文を作ってきました。その原稿の英文に間違いがあると困るので、原稿をネイティブスピーカーに持っていき、確認してもらっていました。するとどうでしょう。けっこう「間違い」が発見されるのです。つまり「
お金お貰えるレベルの翻訳家」でさえ、間違った英文を書きかねないのです。いかにライティングが難しいか… お判りいただけると思います。
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で!
今度は「大学入試の基準となるテスト」では「ライティング」が課されるわけです。英語が得意な人ならいいのかもしれません。ですが英語が極端に苦手な生徒もいるのです。彼らにはライティングの勉強のしようがない気がします。
⇒で
試験で出される以上、英語が苦手な生徒にも「ライティングの勉強」は課されるでしょう。彼らにできるわけがない。苦しいだけ。はっきり言って「泣きっ面に蜂」。単に「苦しいだけ」だと思います。
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金曜日の夜11時からはいつものニコ生英文法講義です。次回は来週の
月曜日です。
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