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mouthbirdさんの日記

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2009年
06月10日
12:57 mouthbirdさん

時制の一致:和訳例を作成せよ!(初級編/解答編)

こんにちは。旧チャンネルブログの流れを汲む日記の水曜日がやってきました。
今週は解答編です。




今回もたくさんのコメントをありがとうございました。
今回の問題は「時制の一致」と呼ばれる学習内容でした。「初級編」とはいえ「時制が苦手な人にとっては困る」ものです。(「~が苦手」というものは、時制に限らず、なんでも、「初歩のところが苦手」なのではないでしょうか? 例えば「数学が極端に苦手」な人は、「小学校の初歩の算数の時点で苦手」だったと思います。)今回コメントくださった方は、時制に自信がない方が多いような気がしました




今回は「時制の一致の原則」を加えながら、1問1問解説していきたいと覆います。




―――――――――――――――




「時制の一致の原則」




・英語の場合、同じ時制で書かれたものは同時期を表す。
・英語の場合、異なった時制で書かれたものは別時期を表す。
(・日本語の場合、同じ時制で書かれたものは同時期を表すとは限らない。別時制で表現する場合がある。この場合、別時制で書かないと間違い










  ↑以上が原則です。(※例外は山ほどあります。しかし、今回はそれを省きます。時制の一致の例外はいつかまた説明したいと思います
まずは、よくわからなくても良いので、この「原則」をよ~くにらめっこしていただければと思います。…終わりましたか?




では、解答と解説に行きます。




―――――――――――――――




【問題】
次の各英文の訳例をそれぞれ作りなさい。(注意 Kyon は「キョン」という人物名、Haruhi は「ハルヒ」という人物名です)
(1)Kyon thinks that Haruhi is sick.

【解説】動詞の時制を見る。thinks と is である。共に現在時制である。ということは、
・「〔キョンが ~と think した〕 時期」と「〔ハルヒが~ であった] 時期」は同じである。共に時制は現在。【共に現在の場合は、日本語でも、共に現在のような訳例にする】




【解答】キョンはハルヒが病気であると思っている。(ハルヒは(今現在)病気だと、キョンは(今現在)思っている)




――――




【問題】
(2)Kyon thought that Haruhi was sick.

【解説】動詞の時制を見る。thought と was である。共に過去形である。ということは、
・「〔キョンが ~と thought した〕 時期」と「〔ハルヒが~ であった〕時期」は同じである。共に時制は過去。【共に過去の場合は、日本語では、主文の述語動詞は「過去形の訳例」、that節の述語動詞は「現在時制の訳例」にする】ここが大事なところです。










【解答】キョンはハルヒが病気であると思っていた。(ハルヒは(過去のある時)病気だと、キョンは(そのとき)思っていた)
例えば、→今年の3月に、キョンは、「ああ、ハルヒは今(3月の時点で)病気なんだ」と思っていたわけです。【同時期であることを確認してください】




誤答例→キョンはハルヒが病気であったと思っていた。
↑これだと、日本語の場合、→(ハルヒは(過去のある時)病気だったと、キョンは(その病気だった時期より時間が経ってから)思っていた)となってしまうのです。【同時期でなくなってしまう】のです。




例えば、→「ああ、ハルヒはあのとき(例えば1月の時点では)病気だったんだ」とキョンは(例えば3月に)思っていた……という意味の日本語になってしまうのです。




今回、ここで誤答された方は、ここでしっかり「英語と日本語の差」を理解してください!




――――




(3)Mike knew that Taro was busy.




【解説】動詞の時制を見る。knew と was である。共に過去形である。ということは、
・「〔マイクが ~と thought した〕 時期」と「〔太郎が~ であった〕 時期」は同じである。共に時制は過去。【共に過去の場合は、日本語では、主文の述語動詞は「過去形の訳例」、that節の述語動詞は「現在時制の訳例」にする】ここが大事なところです。










【解答】マイクは太郎が忙しいと知っていた。(太郎は(過去のある時)忙しいと、マイクは(そのとき)知っていた)
例えば、→今年の3月に、マイクは、「ああ、太郎は今(3月の時点で)忙しいんだ」と知っていたわけです。【同時期であることを確認してください】




誤答例→マイクは太郎が忙しかったと知っていた。
↑これだと、日本語の場合、→(太郎は(過去のある時)忙しかったのだと、マイクは(その忙しかった時期より時間が経ってから)知っていた)となってしまうのです。【同時期でなくなってしまう】のです。




例えば、→「ああ、太郎はあのとき(例えば1月の時点では)忙しかった」ということをマイク3月の時点でマイクは知っていた、……という意味の日本語になってしまうのです。




今回、ここで誤答された方は、ここでしっかり「英語と日本語の差」を理解してください!




(補足)know の訳例は「~を知る」「~が分かる」ではなく「~を知っている」「~が分かっている」となります。詳しくはここをご参照ください。




――――




(4)Kenji said that the water was hot.




【解説】動詞の時制を見る。said と was である。共に過去形である。ということは、
・「〔賢二が ~と said した〕 時期」と「〔水が~ であった〕時期」は同じである。共に時制は過去。【共に過去の場合は、日本語では、主文の述語動詞は「過去形の訳例」、that節の述語動詞は「現在時制の訳例」にする】ここが大事なところです。










【解答】その水は熱いと賢二は言った。(その水は(過去のある時)熱いと、賢二は(そのとき)言った)
例えば、→昨日、賢二は、とある水を触って「うわ~(昨日のそのときの)この水、アチーよ~~~!」と言ったわけです。【同時期であることを確認してください】




誤答例→その水は熱かったと賢二は言った。
↑これだと、日本語の場合、→(その水は(過去のある時)熱かったと、賢二は(その後)言った)となってしまうのです。【同時期でなくなってしまう】のです。




例えば、→「(例えば“一昨日”触った)あの水は熱かった」と、賢二は“昨日”言った、……という意味の日本語になってしまうのです。




今回、ここで誤答された方は、ここでしっかり「英語と日本語の差」を理解してください!




(補足)「 H2O(エイチ・ツー・オー) 」であれば、熱かろうが、冷たかろうが、water と呼ぶことができる。




――――




(5)Kyon thought that Haruhi had been sick.




【解説】動詞の時制を見る。thought と had been である。主文は過去形だが、that 節は「過去完了形」である。ということは、同じ時制ではないから【今度は同時期ではない】
・「〔キョンが ~と thought した〕 時期」と「〔ハルヒが~ であった〕時期」は【同じではない】。【主文は過去時制だが、that 節が「過去完了形」の場合は…… 日本語は、主文の述語動詞が「過去形の訳例」、that節の述語動詞は「過去形の訳例」にする】ここも本日の最も大事なところです。










【解答】キョンはハルヒが病気であったと思っていた。(ハルヒは(過去のある時)病気だと、キョンは(その後)思っていた)【同時期ではない】
例えば、→今年の3月に、キョンは、「ああ、ハルヒはあの時(例えば1月の時点で)病気だったんだ」と思っていたわけです。




補足1:この英文の場合、通常「thought の時点で、ハルヒは病気ではなく、治った」とされる。(実際は不明。言いたいのは、「それ以前の時点で病気だった」と思っていたことだけであるので)
補足2:that Haruhi had been sick.のところは、完了形の継続、つまり「過去のある時点から thought の時点までずっと病気であった」と取ることも可能である。しかし、それならその後ろに「 for ~ (~の間)」や「since ~(~以来)」という言葉がついていそうなものである。これらがついていないので、通常は「過去のある時期」と取るほうが普通である。




―――――――――――――――




いかがだったでしょうか? 実際訳例を書くと、こういった部分の「間違い」を目で確かめられると思います。時制が苦手な人こそ、「訳例を書く訓練」を(もしした経験がなければ)、なさってみてはと思います。こういう部分を直し続けることによって、次第に治っていくと思います。




今週は以上です。いかがだったでしょうか? ではまた来週~。
(今、皆様のコメント製作中です→終わりました。)




問題編はこちら↓
http://q-eng.com/diary/2154

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コメント

1番~12番を表示

2009年
06月11日
02:46
さん

1:

hada のコメント:
解答&解説ありがとうございます。 時制の一致については最近学習したので、悩んだのはどんな日本語にするかという点だけでした。 それにしても Mike を見てミケだと思ってしまうとは… (^^;

2009年
06月11日
06:45
さん

2:

yukari0611 のコメント:
こんにちは。分かりやすい解説ありがとうございます。

なぜか大きな勘違いをしてたみたいです。

Kyon thought that Haruhi was sick.は同時期なのですね。よく考えてみるとそうですよね^^;訳例はあってるのに、間違って文をイメージしていました。

間違って良かったと思っています。大きな収穫でした。


2009年
06月11日
13:20
さん

3:

my5 のコメント:
今回もていねいな解答、解説ありがとうございます。

「英語の場合、同じ時制で書かれたものは同時期を表す」ですね!もう忘れません!

次回も楽しみにしています。

2009年
06月12日
10:25
gyutakuさん

(5)補足2、ありがとうございました^^

2009年
06月13日
01:11
さん

5:

eigo7755 のコメント:
よい復習になりました。ありがとうございます。

最近、子供に、冠詞についてよく質問されます。

微妙なところはほんと難しいですね。

また、冠詞についても取り上げてください。

2009年
06月13日
01:26
さん

6:

yukimom のコメント:
改めて理解できました。
ありがとうございました。

2009年
06月13日
07:02
さん

7:

blackpepper のコメント:
丁寧に解説、コメントいただき、ありがとうございました。
改めてこの項目も復習しておきます。

2009年
06月14日
03:01
さん

8:

atepeko のコメント:
くわしい解説ありがとうございました。



(5)Kyon thought that Haruhi had been sick.



過去完了形の解説、とても分かりやすかったです。ありがとうございました。

文法が苦手の私は、和訳するときに勝手にシチュエーションを脚色してしまう癖があるみたいです。

以後気をつけます!

2009年
06月15日
00:50
さん

9:

kiho のコメント:
とても丁寧な解説とお返事ありがとうございます。



日本語の学習も改めてしなければならないなーと痛感しました。

時制は「苦手」でゴチャゴチャになります:)



これからもご親切なコメントを励みにできるだけ挑戦したいと思います!

よろしくお願いいたします。

2009年
06月15日
04:55
さん

10:

shakuha のコメント:
時制の解説勉強になりました!

ありがとうございました。

失敗こそが糧となる初級の私としては、「誤答例を言いたければ」という補足があれば、なお理解が深まります。

もしよろしければ教えて頂きたいところです。

2009年
06月15日
09:37
mouthbirdさん

>hadaさん

あ、マイクさんではなかったですね。ハルヒばっかりに目が行ってました^^;

またよろしくお願いいたします。



>yukari0611さん

訳例があっていても、同時期という理解が違っていましたね。

間違うと分かるものです。今後この知識をぜひお役立てください



>my5さん

>「英語の場合、同じ時制で書かれたものは同時期を表す」ですね!

はい。それが原則です。しかし「例外」もあります。例外について今週は問題にしようと思っています。まずは原則をしっかり覚えてください。



>gyutakuさん

いえいえ~恐縮です。ご確認いただければと思います



>eigo7755さん

冠詞については以前とりあげたのです。

↓こちらから4回シリーズになっています。

http://smart.fm/users/mouthbird/journal/tagged/%E5%86%A0%...

ご確認ください。



>yukimonさん

理解されたようで嬉しく思います。^^



>blackpepperさん

復習ぜひよろしくお願いいたします。



>atepekoさん

シチュエーションも大事ですが、atepekoさんの場合は文法も大事だと思います。

今後ともぜひお気をつけ下さればと思います。



>kinoさん

苦手な部分は練習しかないと思います。ほっとくと間違えるわけでしょうから…(私も「比較」という文法項目が嫌いです。今、文法動画では「比較」を扱っています。やりにくいっちゃあありゃしないw。 こちらこそよろしくお願いいたします。



>shakuhaさん

>失敗こそが糧となる初級の私としては、「誤答例を言いたければ」という補足があれば、なお理解が深まります。

>もしよろしければ教えて頂きたいところです。

なるほど! しかし既に書いてあるようなものです。

例えば

(2)の誤答例「キョンはハルヒが病気であったと思っていた」は、そのまま(5)の英文です。

(3)と(4)の誤答例も、(5)のやり方に則れば終わりです。

もし、ここに(3)と(4)の誤答例の和訳を書いてくだされば、お返事します。よろしかったら書いてみてくださいませ!

m(_ _)m

2009年
06月16日
10:43
さん

12:

riche のコメント:
mouthbird 先生、こんばんは。
ちょっと気になった点があるので、指摘させていただきます。

>補足2:that Haruhi had been sick.のところは、完了形の継続、つまり「過去のある時点から thought の時点までずっと病気であった」と取ることも可能である。しかし、それならその後ろに「 for ~ (~の間)」や「since ~(~以来)」という言葉がついていそうなものである。これらがついていないので、通常は「過去のある時期」と取るほうが普通である。

She thought that he had been sick.
 では、
Direct speech の内容は、「過去時制」なのか「現在完了時制」なのか「過去完了時制」なのかの判別はできないように思います。
つまり、
What she thought: "He was sick."
What she thought: "He has been sick."
What she thought: "He had been sick."
 のどれもあるのだと思います。

以下 (↓) は、「ジーニアス英和辞典 第4版」の見出し項目 tell にある語法説明から引用しました。
She told me that she had been busy.
 (彼女は私に忙しかったと言った)
《◆ 直説話法で用いられる場合は通常被伝達文の後に置く:
"I was [have been] busy," she told [said to] me. ただし tell は指示したり (内容のあること) 告げる場合にのみ使用可能なので、次例の場合 tell は不可: これに対して say はいかなる種類の話し言葉も表せる: "Hello." she said to [× told] me.》

それから以下 (↓) は「ロイヤル英文法」からの引用です。
§ 352 (2)
  過去時制 → 過去完了
  現在完了 → 過去完了
  過去完了 → 過去完了
過去時制と現在完了はどちらも過去完了になる。ただし、過去時制の場合は、意味が混乱しなければ、くだけた言い方では過去形のままでもよい。また、過去完了はそのまま過去完了にしておく。進行形の場合も同じようになる。
He said,
 "I was busy." 〔過去〕
 "I have been busy." 〔現在完了〕
 "I had been busy." 〔過去完了〕
→ He said he had been busy.

(5) の問題文がいろいろな意味に取れるのは、文脈が不足しているからでしょうね。

DIRECT:  I've just written to John.
INDIRECT: She told me she had just written to John.
 ---
DIRECT:  I saw Penny at the theater a couple of days ago.
INDIRECT: In his letter, he said he'd seen Penny at the theater a couple of days ago.
  〔例文出典: Michael Swan's Practical English Usage - § 278-1 indirect speech (5) advanced points〕

 上 (↑) の例文では、前者は just があるため「完了時制」の文脈ができて、後者は a couple of days ago があるため「過去時制」の文脈ができるのだと思います。

1番~12番を表示