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時制の一致:和訳例を作成せよ!(初級編/解答編)
こんにちは。旧チャンネルブログの流れを汲む日記の水曜日がやってきました。
今週は解答編です。
今回もたくさんのコメントをありがとうございました。
今回の問題は「時制の一致」と呼ばれる学習内容でした。「初級編」とはいえ「時制が苦手な人にとっては困る」ものです。(「~が苦手」というものは、時制に限らず、なんでも、「初歩のところが苦手」なのではないでしょうか? 例えば「数学が極端に苦手」な人は、「小学校の初歩の算数の時点で苦手」だったと思います。)今回コメントくださった方は、時制に自信がない方が多いような気がしました
今回は「時制の一致の原則」を加えながら、1問1問解説していきたいと覆います。
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「時制の一致の原則」
・英語の場合、同じ時制で書かれたものは同時期を表す。
・英語の場合、異なった時制で書かれたものは別時期を表す。
(・日本語の場合、同じ時制で書かれたものは同時期を表すとは限らない。別時制で表現する場合がある。この場合、別時制で書かないと間違い)
↑以上が原則です。(※例外は山ほどあります。しかし、今回はそれを省きます。時制の一致の例外はいつかまた説明したいと思います)
まずは、よくわからなくても良いので、この「原則」をよ~くにらめっこしていただければと思います。…終わりましたか?
では、解答と解説に行きます。
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【解説】動詞の時制を見る。thinks と is である。共に現在時制である。ということは、
・「〔キョンが ~と think した〕 時期」と「〔ハルヒが~ であった] 時期」は同じである。共に時制は現在。【共に現在の場合は、日本語でも、共に現在のような訳例にする】
【解答】キョンはハルヒが病気であると思っている。(ハルヒは(今現在)病気だと、キョンは(今現在)思っている)
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【解説】動詞の時制を見る。thought と was である。共に過去形である。ということは、
・「〔キョンが ~と thought した〕 時期」と「〔ハルヒが~ であった〕時期」は同じである。共に時制は過去。【共に過去の場合は、日本語では、主文の述語動詞は「過去形の訳例」、that節の述語動詞は「現在時制の訳例」にする】←ここが大事なところです。
【解答】キョンはハルヒが病気であると思っていた。(ハルヒは(過去のある時)病気だと、キョンは(そのとき)思っていた)
例えば、→今年の3月に、キョンは、「ああ、ハルヒは今(3月の時点で)病気なんだ」と思っていたわけです。【同時期であることを確認してください】
誤答例→キョンはハルヒが病気であったと思っていた。
↑これだと、日本語の場合、→(ハルヒは(過去のある時)病気だったと、キョンは(その病気だった時期より時間が経ってから)思っていた)となってしまうのです。【同時期でなくなってしまう】のです。
例えば、→「ああ、ハルヒはあのとき(例えば1月の時点では)病気だったんだ」とキョンは(例えば3月に)思っていた……という意味の日本語になってしまうのです。
今回、ここで誤答された方は、ここでしっかり「英語と日本語の差」を理解してください!
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(3)Mike knew that Taro was busy.
【解説】動詞の時制を見る。knew と was である。共に過去形である。ということは、
・「〔マイクが ~と thought した〕 時期」と「〔太郎が~ であった〕 時期」は同じである。共に時制は過去。【共に過去の場合は、日本語では、主文の述語動詞は「過去形の訳例」、that節の述語動詞は「現在時制の訳例」にする】←ここが大事なところです。
【解答】マイクは太郎が忙しいと知っていた。(太郎は(過去のある時)忙しいと、マイクは(そのとき)知っていた)
例えば、→今年の3月に、マイクは、「ああ、太郎は今(3月の時点で)忙しいんだ」と知っていたわけです。【同時期であることを確認してください】
誤答例→マイクは太郎が忙しかったと知っていた。
↑これだと、日本語の場合、→(太郎は(過去のある時)忙しかったのだと、マイクは(その忙しかった時期より時間が経ってから)知っていた)となってしまうのです。【同時期でなくなってしまう】のです。
例えば、→「ああ、太郎はあのとき(例えば1月の時点では)忙しかった」ということをマイク3月の時点でマイクは知っていた、……という意味の日本語になってしまうのです。
今回、ここで誤答された方は、ここでしっかり「英語と日本語の差」を理解してください!
(補足)know の訳例は「~を知る」「~が分かる」ではなく「~を知っている」「~が分かっている」となります。詳しくはここをご参照ください。
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(4)Kenji said that the water was hot.
【解説】動詞の時制を見る。said と was である。共に過去形である。ということは、
・「〔賢二が ~と said した〕 時期」と「〔水が~ であった〕時期」は同じである。共に時制は過去。【共に過去の場合は、日本語では、主文の述語動詞は「過去形の訳例」、that節の述語動詞は「現在時制の訳例」にする】←ここが大事なところです。
【解答】その水は熱いと賢二は言った。(その水は(過去のある時)熱いと、賢二は(そのとき)言った)
例えば、→昨日、賢二は、とある水を触って「うわ~(昨日のそのときの)この水、アチーよ~~~!」と言ったわけです。【同時期であることを確認してください】
誤答例→その水は熱かったと賢二は言った。
↑これだと、日本語の場合、→(その水は(過去のある時)熱かったと、賢二は(その後)言った)となってしまうのです。【同時期でなくなってしまう】のです。
例えば、→「(例えば“一昨日”触った)あの水は熱かった」と、賢二は“昨日”言った、……という意味の日本語になってしまうのです。
今回、ここで誤答された方は、ここでしっかり「英語と日本語の差」を理解してください!
(補足)「 H2O(エイチ・ツー・オー) 」であれば、熱かろうが、冷たかろうが、water と呼ぶことができる。
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(5)Kyon thought that Haruhi had been sick.
【解説】動詞の時制を見る。thought と had been である。主文は過去形だが、that 節は「過去完了形」である。ということは、同じ時制ではないから【今度は同時期ではない】。
・「〔キョンが ~と thought した〕 時期」と「〔ハルヒが~ であった〕時期」は【同じではない】。【主文は過去時制だが、that 節が「過去完了形」の場合は…… 日本語は、主文の述語動詞が「過去形の訳例」、that節の述語動詞は「過去形の訳例」にする】←ここも本日の最も大事なところです。
【解答】キョンはハルヒが病気であったと思っていた。(ハルヒは(過去のある時)病気だと、キョンは(その後)思っていた)【同時期ではない】
例えば、→今年の3月に、キョンは、「ああ、ハルヒはあの時(例えば1月の時点で)病気だったんだ」と思っていたわけです。
補足1:この英文の場合、通常「thought の時点で、ハルヒは病気ではなく、治った」とされる。(実際は不明。言いたいのは、「それ以前の時点で病気だった」と思っていたことだけであるので)
補足2:that Haruhi had been sick.のところは、完了形の継続、つまり「過去のある時点から thought の時点までずっと病気であった」と取ることも可能である。しかし、それならその後ろに「 for ~ (~の間)」や「since ~(~以来)」という言葉がついていそうなものである。これらがついていないので、通常は「過去のある時期」と取るほうが普通である。
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いかがだったでしょうか? 実際訳例を書くと、こういった部分の「間違い」を目で確かめられると思います。時制が苦手な人こそ、「訳例を書く訓練」を(もしした経験がなければ)、なさってみてはと思います。こういう部分を直し続けることによって、次第に治っていくと思います。
今週は以上です。いかがだったでしょうか? ではまた来週~。
(今、皆様のコメント製作中です→終わりました。)
問題編はこちら↓
http://q-eng.com/diary/2154
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