では続き。
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「英会話は簡単だ」という見解の方は、概ね次の2つタイプに当てはまる
A・英語が好きで、学生時代から英語の成績が比較的良かった人
B・英語に興味がなくもないが、学生時代にまじめに英語を学習してこなかった人
一方「英会話が一番難しい」という見解の人は
C・英語が嫌いな人
ではないかと思います。むろん私はこれに当てはまる。
例外もいないわけではない
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今回は、このうち、
「英会話は簡単だ」という見解の
B・英語に興味がなくもないが、学生時代にまじめに英語を学習してこなかった人
について考えようと思います。
このタイプの場合、一概には言えないのですが、大変な問題を抱えやすいのです。
それは
「できなくても、できた・できている」
と思い込んでしまうケースがある。
と言う問題です。
例えば、この間見たケースでは、とあるお年を召した女性が、「Are you enjoy?」と言ってニコニコしてました。
こんな大間違いな英語では困るわけですが、【本人は「正しいと思って使った英語」のはず】です。で「こんなのの積み重ねが英会話だ」と思っているはずです。
で、おまけに英会話だと、たとえ間違っていても、相手は「ある程度は意味をくみ取ってくれる」ケースがあるのです。つまり直されない。(ちまみに、その英語は Do you enjoy youeself? ぐらいにはまずはしたい。でもこれでも普通はだめ。Are you enjoying yourself? かな? 私だったら Are you having a good time? と言うでしょう)
とにかく
「間違いが直されにくい」から、たとえどんなに変な英語をしゃべっても「あっている」と思い込みやすいのです。こういう人だと「英会話は楽しくて簡単!」と思い込みやすいのです。
おまけに、学生時代にまじめに英語を学習していないので
1⇒Are you enjoy? のどこがまずいかわからない。
2⇒なぜ Do you enjoy youeself? のほうがまだましなのかわからない
3⇒なぜそれよりも、Are you enjoying yourself? のほうがましなのかわからない
となります。説明が理解できないのです。
【説明】
1がなぜダメなのか?⇒be動詞と一般動詞を同時に使っているから。enjoy の目的語がないから。
2のほうがなぜまだましなのか?⇒一般動詞の形に統一したから。enjoy の目的語をつけたから。
3のほうがなぜましなのか?⇒現在形だと「いつでも当てはまる話」になるから。そうではなく、ここでは「この瞬間楽しいかどうか」を聞くわけだから、現在進行形でなければおかしい
↑どうですか? この説明を理解できますか? 学生時代に「ちゃんと英語学習した人」は理解できるはずです。
ところが、学生時代にまじめに英語を学習していない人は、この説明が分からないはずです。
それと、【英会話の聞き取り(リスニング)】のほうもそうです。この手のタイプは、相手(英米人)の言っている英語は「多分こんな意味だろう」と思いこみます。それがあっていることに【なぜか自信がある】のです。
もっとも、英語が得意な人の場合、この思い込みは「本当に大体あっている」のです。
しかし、そうではなく『たいして英語が得意でない人』は「多分こんな意味だろう」と思うことは、まず「大間違い」なのです。それがもし本当に「多分こんな意味だろう」と思うことがあっているのであれば、学生時代の英語の成績は良かったはずなのです。
ところが、その間違った思い込みの間違いをわざわざ指摘してくれる人なんてまずいません。したがって「あっているはず」という思い込みがまずます膨らみます。
それで「英会話は(間違いが指摘されないので)(あっているはずなので)楽しい」⇒簡単!!!
と思い込みやすいのです。
こういう人が英米圏に1人で行くと、面白いのですけどね…通じなくて、困りまくり、とんでもないことになりますから。
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金曜日の夜11時からはいつものニコ生英文法講義。この続きは来週の
月曜日です。
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