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mouthbirdさんの日記

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2009年
09月30日
02:29 mouthbirdさん

意味では区別できない「形容詞の問題」その1(解答編)

こんにちは。旧チャンネルブログの流れを汲む日記の水曜日がやってきました。
今週は解答編です。




今回もたくさんの皆様にご解答いただきありがとうございました。
今回のテーマは「形容詞」でした。
1つどうしても気になったことがあります。今回の表題はなんだったでしょう?
 ●意味では区別できない「形容詞の問題」
です。
さらに、私が問題編で「ヒント」として書いたことはなんでしょう?
 ●これらの問題は全て「意味では区別できない形容詞の問題」です
と書きました。




にも関わらず、全体的に、特に(4)の問題を「意味で答えを出そうと試みている」方が大勢いらっしゃいました。




私は「意味では区別できない形容詞の問題」と声高に叫んだつもりですが、それでも「意味」で区別なさろうとする方が大勢いらっしゃいました。英語ができる方は、「これらは意味では区別できない問題です!」と私がいくら言ったところで「どうしても意味で考えてしまう人がいらっしゃる」と思いました。




 もしくは「私の言葉に信用がなかった」のかもしれません。(ToT)俺って信用ないのカナ…




――――――――
今回のテーマは
「人を主語にしない形容詞」
「ふつう人しか主語にしない形容詞」

というものでした。




意味? そんなもの全然関係ありません。




●「人を主語にしない形容詞」
possible (可能だ)、impossible(不可能だ)、neccessary(必要だ)、convenient(便利だ・都合が良い)、dangerous(危険だ)、difficult(難しい)、easy(易しい)、pleasant(愉快な気持ちにさせる)、delightful(非常に楽しい)、
といったような形容詞は、人を主語にしません。
(※ただし、例外的に、↑これらの形容詞でも「tough構文」の場合、人を主語にできる。例文 ⇒He is easy to please. 彼は喜ばせるのにたやすい。<please 「~を喜ばせる」の目的語がない>)




☆こういうのは、該当の形容詞を辞書で引けば、詳しく説明されています!




例えば
 I am difficult to solve the problem.
という英文は、主語が I (人)です。その補語がdifficult。
difficult は「人を主語にしない形容詞」なので、これは間違った英文です。




この英文を直すなら、例えば
→It is difficult for me to solve the problem. (私がその問題を解くのは難しい)
とします。
 これは 「it for to 構文」と呼ばれる構文を使っています。
※<It for to 構文>「It be 形容詞 for 人 to do ~」⇒「人がdo~するのは形容詞だ」という意味を作る構文。(例文であれば「 me が solve the problem するのは difficult だ」という意味を作ります)




 It is difficult for me to solve the problem. 
この文の場合 difficult の主語は it です。difficult は「人」を主語に出来ませんが、it は「人ではない」です。よって「正しい」とされます。




簡単に言えば、例えば
 He is difficult. …間違い!
 (difficult は「人」を主語に出来ないのに、人が主語だから)
 That is difficult. …正しい!
 (difficult は「人」を主語に出来ないが、人以外が主語だから)
です。




――――
●「ふつう人しか主語にしない形容詞」
逆に
happy(嬉しい)、sorry(残念だ)、pleased(喜ばしい)、surprised(驚きだ)、able(可能だ・切望している)、unable(不可能だ)、capable(能力がある)、incapable(能力がない)、anxious(心配だ)、eager(熱心だ)、ready(準備が出来ている)、willing(~してもかまわない)
といったような形容詞は、ふつう人しか主語にしません。




☆こういうのは、該当の形容詞を辞書で引けば、詳しく説明されています!




例えば
 It was happy for him to get the pokemon.
という英文は、主語が It (人以外)です。その補語が happy。
happy は「ふつう人を主語にする形容詞」なので、これは間違った英文です。




この英文を直すなら、例えば
→ He was happy to get the pokemon.(彼はそのポケモンを手に入れて嬉しかった)
とします。




 He was happy to get the pokemon. 
この文の場合 happy の主語は He です。happy は「人」しか主語に出来ません. He は「人」です。よって「正しい」とされます。




簡単に言えば、例えば
 He was happy. …正しい!
 (happy は「人」しか主語に出来ない。そして人が主語だから)
 That is happy. …間違い!
 (happy は「人」しか主語に出来ないが、人以外が主語だから)
です。
――――――――




以上を踏まえて、先週の問題の解答と解説に参りましょう。
(出典:英文法・語法のトレーニング〔戦略編〕風早寛著 増進会出版 / 大学入試英語 上級者のための正誤問題の解法 加東憲吉著 文芸社)




―――――――――




問題
(1)(   )に入れて正しい英文になる選択肢を選びなさい。
"I will see you at six this evening. Will(   )?"
 1.you be convenient 2.be convenient for that
 3.be that convenient 4.that be convenient
  (慶応大)




正解:4




解説 まず「 covenient(便利だ・都合が良い)」は、人が主語になれない形容詞。この段階で、主語が「you」の1は消える。次に2だが、2を選ぶと、主語がなくなってしまう。よって2も違う。
あとは
 3.Will be that convenient?
 4.Will that be convenient?
どちらが正しいかの問題。「Will ~?」で尋ねる疑問文は、will の次に主語が来るに決まっている(例 Will you do it? それをやってくれるかい?)。
したがって、Will の次に that という主語がある4が正解と分かる。
 訳例:今晩6時に君に会いに行こう。それで都合は良いかい?




―――




(2)(   )に入れて正しい英文になる選択肢を選びなさい。
He was(   )to buy a new compact disc.
 1.anxious 2.difficult 3.impossible 4necessary
  (梅光女学院大)




正解:1
解説 今回の英文の主語は He で人。今回の選択肢は anxious だけが人を主語に出来る。他の形容詞は全部「人を主語にできない」。ただそれだけで正解は1と導ける。
 訳例:彼は新しいCDを買うことを切望していた




―――




(3)(   )に入れて正しい英文になる選択肢を選びなさい。
Since Nancy has been practicing very hard, she is very(  )to win the game.
 1.easy 2.likely 3.pretty 4.probable
  (慶応大)




正解:2




解説 1のeasy はtough構文であれば人を主語に出来る。しかし、win の目的語はちゃんとあるので、これは tough構文ではない。したがって1は消える。
4の probable は 「it is probable that ~」の形でしか使わない。「人」を主語に出来ない(辞書を引いてみよう。そのように書いてあるはずである)。
3の prettyは「かわいい」という意味でさすがに文意に合わない。ここだけは意味で区別する。likely は人を主語にできる。(probable と違って、It is likely that ~ の形に出来ない。辞書を引いてみよう。そのように書いてあるはずである)
 訳例:ナンシーはとても一生懸命練習してきたので、その試合にたぶん勝つだろう。




―――




(4)次の英文は「日本人の視力が弱いことは有名です」という意味として書かれた英文である。この英文は文法上正しいかどうか、その正誤を判定しなさい。もし誤りであると判定した場合、文中の1語のみを別の単語に替えなさい。
It is famous that the Japanese suffer from poor eyesight.
  (南山大・改)




正解 間違いあり。famous を well-known に変える。




解説 これはものすごく難しい問題。もっとも 辞書で famous を引いて「細かく見た」のならば、解答はたやすい。




例えば、サンライズクエスト英和辞典にはこうある。




>〔語法〕「彼が優れた医者であることは有名だ」に対し、famous を使って
> It is famous that he is a good doctor.
>とするのは誤り。
> famous は it is ... that ... の構文で使えないので、famous に代わって well-known を使い、
> It is well-known that he is a good doctor.
>のようにする。




つまり、意味ではなく
 「famous は it is ... that ... の構文で使えない」
というルールにより、famous を well-known に変えるのである。




またジーニアスの famous の説明文中には次の記載がある。




> It is well-known〔×famous, ×notorious, ×infamous〕that Japan produces good cars.>= That Japan produces good cars is well-known〔×famous, ×notorious, ×infamous〕.
> 日本はすぐれた車を生産することで有名だ




famous はもちろん、notorious も infamous も「it is ... that ... の構文で使えない」のである。




したがって、答えは「famous を well-known に変える」となるのです。




―――――――――


今回、皆様には、(4)のような難問の対策はともかく、
形容詞には
 「人を主語にしない形容詞」
 「ふつう人しか主語にしない形容詞」

といったものがあることを、この機会に覚えていただければと思って問題を作りました。
(もちろん、主語が人だろうが物だろうがOKの形容詞もありますよ。念のため)




いかがでしたでしょうか?




次回もまた形容詞の問題です。次回も
「意味では区別できない形容詞の問題」
を出題
します。
今回意味で考えた方も、次回こそは「意味ではなく」、「形容詞の役割」で、お答えいただければと思います。




ではまた来週。




問題編↓
http://q-eng.com/diary/2113

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コメント

1番~13番を表示

2009年
09月30日
03:35
さん

1:

hada のコメント:
解説ありがとうございます。 問題の狙いが理解できていませんでした。 なるほど、そういう意味があったんですね。 とすると次回はあれが出題されそう。 でも、ルールがあるのは覚えていても形容詞ひとつずつは覚えてないのが問題だったり…

2009年
09月30日
04:03
さん

2:

jellyfish. のコメント:
こんにちは。

The twins are impossible to distinguish.
「その双子を見分けるのは不可能だ。」

という例文があり、(distinguishの例文です。)
この例文を見た時に違和感を感じたのですが、
こういう使い方もありなのかなー、と悩んでおりました。
これもtough構文で、人でもOKということなんでしょうか?

リストのコメント欄で質問しようかと思ったのですが、
日記の内容とぴったりだったので思わずここで質問を書いてしまいました。

たびたびすみません。お時間があればよろしくお願いしますー。

2009年
09月30日
22:38
mouthbirdさん

>hadaさん
恐縮です。次回は「アレ」が出題されます。たぶんw
形容詞には普段気づき難いルールがあるのです。お勉強しているときだけで良いので、気にされて見てはと思います。

>jellyfish.さん
おお! 気になって調べてみました。
どうやら、「人が主語になれなう形容詞」は、tough構文の場合、人を主語にしてもOKのようです。xakyさんに確認し、裏を取りました。
easyのケース以外は知りませんでした。とてもありがたい質問でした。上の日記も少し修正しますね。ありがとうございました。m(_ _)m

2009年
10月01日
02:39
さん

4:

jellyfish. のコメント:
あわわわ。御礼を言うのは私の方ですー。

調べていただいてすみません。

自分で話す時は It is impossible to ~ にしとこうかなー、などと思ったりしていましたが、これで心置きなく人を主語にできます (ー∀ー)

毎度毎度本当にありがとうございます!!

2009年
10月01日
09:11
さん

5:

yukari0611 のコメント:
先生、こんばんは。分かりやすい解説ありがとうございます。(4)の問題は見抜いたというか、分らなかったので辞書で調べて解きました。全問題が形容詞に関する問題なので、う~ん、このfamousをちょっと調べてみようと思い、辞書をみたら、it is ~thatの構文はfamousは使えないと書いてあり、結構衝撃的でした。あと、tough構文というのも知らず、勉強させていただきました。本当に毎回勉強になります。問題、解説ありがとうございました。

2009年
10月02日
04:40
mouthbirdさん

>jellyfish.さん
いえいえ。これが私の役目ですからお気になさらずに。
よろしければ、来週の問題にチャレンジください。

>yukari0611さん
いえいえ。こちらこそ!
なおあなたは(4)を見抜いています。この問題は調べて良いのですよ。
調べないで答える人が多すぎて憤慨しています。
調べてもなかなか気づき難い部分ですよ。

お役に立っているようで嬉しいです。来週もお楽しみに。

2009年
10月03日
00:21
さん

7:

hada のコメント:
先生、こんにちは。
問題のほうに調べていいと書いていただかないと、カンニングをしているような気分になります。 (^^;

2009年
10月03日
00:37
mouthbirdさん

>hadaさん
そうでしたか。すみません。
では次回はしっかり書かせていただきます。でもなんか忘れそうです。うっかり忘れてたら、コメントで指摘していただければありがたいです。恐れ入りますがよろしくお願いいたします。
m(_ _)m

2009年
10月04日
02:31
ken14さん

ありがとうございました。今回もまたひとつ知識が増えました。

ところで、私は(4)の回答をwell-knownではなく
knownとしましたが、どうなのでしょうか?

又、違いなども教えていただければ幸いです。

2009年
10月04日
11:38
mouthbirdさん

>KEN14さん
残念ながら knownはダメなのです。
well-known は「叙述用法」で使えるのに対し
known は「叙述用法」では使えず「限定用法」でしか使えないからなのです。

って書きましたが、この意味が分かるでしょうか? 
本当はこの2つの用法についての説明を、今ここでしたいところです。しかし申し訳ありませんが、この2つの用法については今は差し控えさせてください。
実は「叙述用法」と「限定用法」が次の水曜日の問題のテーマなのです。
先んじて文法書などで形容詞の「叙述用法」と「限定用法」を調べておくと良いです。

2009年
10月06日
02:25
chargeさん

こんにちは。

hadaさん、KEN14さん、私も疑問に思っていたことを書いてくださってありがとうございました。

mouthbird先生、今まで形容詞を甘く見ていた自分が恥ずかしいです。早速ROYALで予習しましたが、英語で自分の意見を述べる際に形容詞をマスターするとお得だとわかりました。次回も目からうろこ問題を楽しみにしています。

2009年
10月07日
10:38
mouthbirdさん

>chargeさん
今、今週の問題を出しました。よろしかったらチャレンジください。予習の成果が出ることを祈ります。
m(_ _)m

2009年
10月11日
06:23
さん

13:

riche のコメント:
@ mouthbird 先生

>残念ながら knownはダメなのです。

- ここで、known は使えるのではないでしょうか?

It is known that the Japanese suffer from poor eyesight.

 は、正しい英文だと思います。

この場合だと、known は形容詞ではなく、know という動詞の過去分詞という捉え方になると思います。

もちろん、famous を置き換えるわけなので well-known のほうが「よく知られている」という意味では known より適切だとは思いますが、It is known that ... だけで「... はよく知られている」という文脈で使われているのをよく見ます。



以下 (↓) に辞書にある例文を引用しました。

It is known that too much sun can cause skin cancer.

 (日光に当り過ぎることで皮膚がんを引き起こすことがあるのは知られている) [Genius4/用例プラス]

Is it known where she has gone?

 (彼女がどこへ行ったのかわかっているのか) [Genius4/it]

It is not known what causes the disease. [OALD/disease]

It is widely known that CFCs can damage the ozone layer. [OALD/know]

The cause of the fire is not yet known. [OALD/know]

The drug is not a new discovery - it's been known about for years. [OALD/discovery]

 ([引用辞典/見出し語]: Genius4 = ジーニアス英和辞典 第4版, OALD = Oxford Advanced Learner's Dictionary)



それから、It is a ~ fact that ... のように冠詞と fact を補ってやれば、これらの形容詞はすべて使えるので、形容詞の用法を気にせずに表現することができますね。

It is a well-known fact that ...

It is a famous fact that ...

It is a notorious fact that ...

It is an infamous fact that ...

It is a known fact that ...

 参考フレーズ検索例 (↓):

<a href=" *%20fact%20that%22&um=1&ie=UTF-8&sa=N&tab=iw&start=0">・〔"it is a * fact that"〕の Google検索結果



追加で、It is known that ~ のウェブのフレーズ検索例も下に挙げました。(↓)

・〔"it is known that" site:uk〕の Google検索結果

・〔"it is known that" site:en.wikipedia.org〕の Google検索結果



〔修正 (2009.10.11): It is known that ~ のフレーズ検索例を追加〕

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