・英語が得意な人は関係代名詞目的格省略が得意だが、英語が苦手な人は100%関係代名詞目的格省略が見抜けない。
まずこの英文を見て欲しい。
I know the boy she loves.
この英文を容易く和訳例が作れて、それが正しいならば、あなたは英語が得意と言える。
この英文だと、どうかすると、英語が得意な人でも和訳例を間違えるかもしれない。しかし仮に間違ったとしても、英語が初めから得意な人であれば多くは「この英文は英文としては極めてナチュラル」と感じるはずである。実際本当にナチュラルである。
ただし、英語が苦手な人は真逆である。
英語が苦手な人はこの英文を100%誤訳する。そして極めて不自然な英文に感じる。
私がこの英文をいつでも誤訳せずに、正しい訳例が作れるようになるまでにどのくらい時間がかかったか? 私の場合、まじめに勉強した期間で10カ月かかった。
まず最初。現役最後~1浪時代の3月の春期講習ぐらいに、私は関係詞を勉強した。その時、関係詞を理解したつもりではあった。しかし長文でこの手の英文が出ると必ず誤訳していた。いつも「私はその少年が彼女を愛していることを知っている」という訳例を作っていた。あるいは「私は彼女
を愛している少年を知っている」にしていた。これらは完璧な誤訳である。
これは、
I know the boy
whom she loves.
という具合に boy と she の間に
whom が入れることができる。whom は関係代名詞目的格…というものである。whom があれば、私はまだ「ナチュラル」に感じた。(実際はあまりナチュラルではない。ただし正しい英文である)関係代名詞目的格があれば、まだ当時の私は誤訳する確率が減った。もっとも大差はない。仮に whom が付いていても、当時の私なら9月までは90%以上誤訳した。whom のついていない→I know the boy she loves.…これなら11月でも100%誤訳した。
1浪時代の12月ぐらいになって、あるときやっと「I know the boy she loves.」のような英文は「関係代名詞のwhom は省略できるんだ!」と思い出し、「この英文は whom が省略された形だ!」と見抜けた。そしたらようやく誤訳しなくなった。
ところが、英語の得意な人は、最初から「私は彼女
が愛している少年を知っている」といとも簡単に正しい訳例を作れたはずである。そして「極めて易しい」と感じたはずである。
このギャップがいかに大きいことか。
ふつう英語の先生になるような人は、特に関係代名詞なんて習わなくたって中学・高校生の時に「I know the boy she loves.」を誤訳しなかったはずである。関係詞は極めて易しい単元と思っているのではないか? だから関係詞の説明はおざなりになることが多いと思う。しかし私はおざなりにならない。なぜなら私はこの手の英文を自信をもって「私は彼女が愛している少年を知っている」という和訳例を作れるようになるまで 10カ月を要したからである。私の場合、関係詞はいつもものすごく時間をかけて教えている。
なぜ、I know the boy whom she loves.が
× 私はその少年が彼女を愛していることを知っている
× 私は彼女
を愛している少年を知っている
〇 私は彼女
が愛している少年を知っている
になるかが分からない人は
↓ここでゆっくり説明を読んで欲しい。
https://www.alc.co.jp/beginner/article/mouthbird/cat205/
金曜日の夜11時からはいつものニコ生英文法講義。次回来週の
月曜日です。
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