皆様に見て欲しい画像がある。これは、
出向先の塾の生徒(高2)の学校で配られた英語のプリントである。
この英文にはものすごくおかしな箇所がある。どこがおかしいかわかりますか?
私はこれを見た瞬間、
おかしなところに気づいた。そして爆笑した。
実はこのプリントがあまりに可笑しかったので、このプリントを、
出向先の塾の英語の先生に見せた。この英語の先生は優秀な英語の先生である。彼はまず「英語的な間違い」を発見された。
同僚の英語の先生「この whale とか mammal や snake には a がついてないですね」
そう、この英文なら「総称」として a を付けなければならない。無冠詞にはできない。つまり
A whale is no more
a mammal that
a snake is (
a mammal).
でなければならない。
(
実は私はむしろこの a が必要であることのほうが分からなかった。。。わしはダメな英語の先生だ。。。)
●でも実はそうではなく、
この英文はもっと根本的なところが間違っている のである。
この英文の意味は日本語で書いてあるように
「
ヘビがほ乳類でないのと同様、クジラはほ乳類ではない」
である。
間違いに気がついただろうか?
●
クジラはほ乳類だろう。
クジラがほ乳類でなければ何類なんだろう?
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クジラの公式で一番普通なのは
A whale is no more a fish than a horse is (a fish).
(馬が魚でないのと同様に、クジラは魚ではない)
である。これなら「
馬もクジラもほ乳類」で納得する。
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さてと。
この画像を、
私の生徒さん複数人(いずれも理系)に見せた所、
→
誰もがすぐに「クジラってほ乳類ですよね?」という返事をなさった。
中には、第一声が「
馬鹿じゃね?!」続けざまに第二声で「
ムカつくー!」と言った社会人女性の生徒さんもいた。彼女はもともと英語が苦手である。彼女は画像を見てすかさず「クジラをほ乳類にしていない内容を把握」した。そしてすぐさま「ムカつくー」と仰った。
なぜ彼女は「ムカつく!」と仰ったのか、皆様に分かるだろうか? 私はすぐに分かったが。
→
彼女は「理数系ができない英語教師たちに英語の出来なさ加減を馬鹿にされてきたから」である。「この英語教師はこんな小学校で習うような理科知識も理解していないのか!」と憤慨したのである。
ただ、おそらくはこの教師もクジラがほ乳類であることぐらいは知っていたはずである。知っていてもこんな英文を作り、生徒に配ったのだ。つまり
この先生は「自分で作った英文の意味の内容を、自分で把握していなかった」のである。英語でありさえすればよく、内容の真偽はどうでも良かった のである。
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見た瞬間に「クジラがほ乳類でないという内容がおかしい」と気が付かなかった人に問いたい。
「あなた方は英語でコミュニケーション(意思伝達)を本当にしたいのですか?」
「あなた方は英語であリさえすればよく、相手に意思が伝わらなくても良い、と思ってるんじゃないですか?」
私はこう思っている。
・
理系人間のほうが、たとえどんなに英語が苦手でも、
英語を使うのならコミニュケーション(意思伝達)が大事で、コミュニケーション(意思伝達)をしたいと考えている。
しかし
・
文系人間のほうが、実は
コミュニケーション(意思伝達)はどうでもよく、英語でありさえすれば良い。かっこいい! たとえ意思が伝わらなくても英語であれば、
相手に伝わる内容は【どうでもいい】、【問題ない】と考えている。
違うだろうか?
で、そして
「こういうクジラがほ乳類でない英文を平気で垂れ流す英語の教師たち」はよくこう言うのだ。
英語でコミュニケーションを取ることは大事だ!
英語でコミュニケーションを取れると世界中の人と意思の疎通ができる。
なぜ英語嫌いの人たちは英語でコミュニケーションを取ろうとしないのだ?
さあ、英語でコミュニケーションを取れるようになろう!
これに対して
私はこう思う。
「
てめえらのほうがコミュニケーションを取ろうとしないくせに!!! ああムカつくー!!!」
===
この話をtwitterで流した所、多少反響がありました。
https://twitter.com/mouthbird/status/782146484460326912
ツイナビさんにも紹介されて嬉しかったです。
http://twinavi.jp/topics/tidbits/57f046e5-06e0-4093-bc28-...
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