smart.fm で更新してきた、
旧チャンネルブログの文法問題をお届けします。
今週は解答編です
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●アプリ情報:
テストバージョン 3.01と3.02 。
今後の予定(作成順)
単語の充実
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参加された皆様ありがとうございました。今回もどうですかねー?
では解答と解説参ります。
問題
ふだん牧師服を着るのが嫌いなある牧師が、ある日
(1)I will wear no clothes which distinguish me from my fellow-men.
と宣言した。(語注:fellow-men 信徒)
ところが、この言葉が新聞に報道された時、どういうわけか
which の手前に,(カンマ)が入ってしまった。
つまり
(2)I will wear no clothes, which distinguish me from my fellow-men.
と載ってしまった。
このため牧師は笑いものになってしまった。
(1)と(2)のそれぞれの意味を、意味の違いが分かるように、日本語で書きなさい。
正解
(1)私は私と私の信徒とを区別するような服は着るつもりがない
(2)私は服を着るつもりがない、そうすることで私と私の信徒とを区別する。
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解説
制限用法(カンマなし)と非制限用法の違いの説明は前回の解説を再放送します。
●「カンマなし(制限用法)」
例文
He had two sons who became musicians.
(彼は音楽家になった2人の息子がいた)…音楽家にならなかった息子(たち)がいる可能性がある。
カンマがない「制限用法」の場合、関係詞が後ろからかかります
つまり↓こっちの場合
He had two sons who became musicians.
まず「彼には音楽家になった息子が2人いて、音楽家にならなかった別の息子も居る可能性がある」という意味を作ります。
●「カンマあり(非制限用法)」
例文
He had two sons, who became musicians.
(彼は2人の息子がいて、2人共音楽家になった)…彼には息子が2人しかおらず、2人共音楽家になった。
カンマがある「非制限用法」の場合、そこで意味を一旦切ります。
つまり↓こっちの場合
He had two sons, who became musicians.
まず「彼には2人の息子がいた」で一旦意味を切るのです。この場合彼には息子が2人しかいません。でそして彼ら(2人の息子)は音楽家になった。という意味を作ります。
★今日は非制限用法(,カンマあり)で更にもう1つ付け足し!
★「カンマあり(非制限用法)」の, which は、手前の節や句を先行詞とすることができる。
例文
He said that he was ill, thich was a lie.(彼は自分が病気であると言ったが、それは嘘であった)
この例文の場合、whichの先行詞は ill ではない。「he was ill」という節全体が which の先行詞である。
★ 【非制限用法の , which】の場合、先行詞は手前の単語1語とは限らない! 【非制限用法の , which】 の場合、whichの先行詞を慎重に見つける作業が必要である。
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では問題を見てみよう。
(1)I will wear no clothes which distinguish me from my fellow-men.
which distinguish me from my fellow-men.の which の先行詞は clothes。
確認
I will wear no clothes which distinguish me from my fellow-men.
この場合の which の先行詞は
○ clothes
また(1)は普通に後ろからかかる制限用法である。(それ以外の可能性を示唆する)
clothes which distinguish me from my fellow-men.は
「私と信徒を区別する服」になる。これ(私と信徒を区別する服)を着ないつもりだと言っている。
制限用法は→(それ以外の可能性を示唆する)用法だから
(私と信徒を区別する服)以外の服を着る→「普通の服を着る」という意味になる。
(2)I will wear no clothes, which distinguish me from my fellow-men.
, which distinguish me from my fellow-men.
はカンマがあるから非制限用法である。
非制限用法の場合は、そこで一旦意味を打ち切る。
つまり、出だしで
I will wear no clothes,→「私は服を着ないつもりだ」という意味を構築してしまう。(つまり→裸だ!)
次に which の先行詞を考える。
★ 【非制限用法の , which】の場合、先行詞は手前の単語1語とは限らない! 【非制限用法の , which】 の場合、whichの先行詞を慎重に見つける作業が必要である。
手前で意味が打ち切られてしまったので
, which distinguish me from my fellow-men の which の先行詞は
→「I will wear no clothes」←この部分のまとまり全部としたほうが素直になってしまうのだ。
確認
I will wear no clothes, which distinguish me from my fellow-men.
この場合の which の先行詞は
× clothes
○ I will wear no clothes (…この部分全部)
したがって、
「私は服を着るつもりがない、そうする(裸になる)ことで私と私の信徒とを区別する。」
という意味になってしまう。つまり牧師さんは裸になってしまったのだ。
実はこの問題は出典元に載っている笑い話。ただこの話を読む前に、私は同じ話を高校の英語の授業で聞いたことがあります。だからたぶんこの話は実話なのではないかと思っています。
皆さんもカンマのあるなしには気をつけましょう。
いかがだったでしょうか? それではまた来週!
問題編
http://q-eng.com/diary/18203
出典