言語聴覚士(日本語の)と話をしていて興味深い発見があった。
大脳を患った患者さんと関わっている、という話しで詳しく状態を聞いたわけではない。ただ、括りから言うと「失語」ということらしい。
実際の訓練としては、
きのうは
なにを
しましたか?
というようにかなりの時間を置いて分かち読みをする要領で質問をすると、それに対応するような速度でたどたどしくはあっても、きちんと答えは返って来るそうだ。
失語として、御本人は明らかに話そうとしているのに、実際に言葉は出ない、そういう人はまのあたりにはしたことがあるけれども、それとは違うようだ。
「それは大脳の言語処理能力が損なわれて時間が掛かる、だから、回りの人間がそれを理解して対応できればそれで済むことでしょ?」と訊ねてみた。
「そうです」との答えです。
とはいえ、私の母親も相当に耳が遠かったので、意識にはあってもつい面倒だからあまり話しかけない、ということは経験しているので、「ついつい自分たちのペースになっちゃうよね」とは話した。
そして、彼は僕が外国語をやっているのを知っているので、「それって外国語に慣れていない人が聞き取れない、答えを返せないのと同じじゃん」と聞いてみると、
そのとおりだと言う。
ちょうど、娘さんが日本語の出来るアメリカ人と結婚してアメリカに行っちゃったけど、早い英語についていくのが大変だと言っているいるというヒトに対して、「何年かすれば慣れるよ」なんて無責任なことを言っていたりしたのでこれは面白い話だと思ったしだいです。
話すほうに就いては、「発音は定着するまで、5~10年くらいは掛かったけど」とは話しておいた。
ほかにも、「家ではインターネットでフランスやドイツの現地のFM鳴らしっぱなしにしているよ」なんていうと、「わかるの、聞き取れるの?」と、大体聞かれる。
「そりゃぁ、わからない」とは答えるものの、「英語は相当やったので、フランスの同じ局を10年も聞いてれば、誰が話しているかとか、人の話し癖、数字や日付、曜日、そんなものはいつの間にか覚えてしまった。
今はドイツ語がそうなるのを待っている状態で、ゲルマン系とロマンス語系の語法や語源が見えてくると面白い。
あわせて、NHKの朝の語学番組も2時間ほど鳴らしっぱなしにしているけれど、日本語の説明が丁寧すぎること、動詞の活用練習に時間を取ったり、名詞の性の説明をしたり、肝心の該当言語の量が圧倒的に少ない。この事に気がついた。
動詞活用の傾向や、名詞に伴って使われる前置詞や形容詞や格の感じから性は自分なりの「こんな感じかな」って言うのが気になり始めたところで辞書で確認する、そのくらいやれば、大脳の言語処理能力がやっと上がる、感じがしますね。
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