土曜日に廃校にたどり着けなかった夫。
その3日後の火曜日、夫は代休だった。
私が外出から帰ってきた夕方、再び廃校に行こうということになった。
私 「道、わかるの?」
夫 「大丈夫!調べた!今度はもっとわかりやすい道を行く!」
夫は運転しながらスマホで道を調べている。
夫 「この先で道が細くなって・・・はいはい。わかりました。」
夫 「あれ?これでいいのかな?ちょっと止まるね。」
車を止めてスマホを見る。
夫 「あーはいはい。ここね。」
夫 「暗くなってきちゃったな。桜見えるかな。廃校だから暗いとちょっと怖いかな・・・。」
夫 「あ、到着です!ここ!ここ!」
な・・・なるほど。
戦前の映画の、例えば「二十四の瞳」とかの撮影に使えそうな古い木の校舎である。教室は2つほどだろうか?
校庭は狭い。プール一つ分くらいか?その校庭の周りに大きな桜が3~4本くらい植わっている。
見上げると大きな桜の枝の向こうには、月が明るく輝いている。桜が咲いているのか暗くて見えない。
黄昏時。聞こえるのは時々走る車の音だけ。ツタの絡んだ大きな桜の木。人気のない古い廃校。
この異世界感。
つい先日見た「パンズラビリンス」というダークファンタジーを思い出す。
「ドン!」
その時風が吹いて、廃校のガラス窓が大きく鳴った!
「ウォウォウォウォーン・・・・・」
犬の遠吠えが・・・・・。
あたりはますます暗さを増してきた。
淡い闇の中、風で桜の枝が揺れる・・・。
なんか、すご~~~く雰囲気ありすぎなんですけど・・・。
追記
これを読んだ夫が言いました。
「すご~~~く雰囲気ありすぎ、じゃなくて、すごく怖かったよ・・・。」
え?そんなに怖かったの?
夫がそんな怖がりだと初めて知った・・・。
じゃあ、
「きゃあーーーー!!!」
とか、悲鳴を上げてもっと怖がらせてやればよかった。
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