ちびマルが退院してから約1か月。だんだん元気になって良かったね、と言っていた。
ある日曜日の朝8時頃、私はシャワーを浴びていた。その時、
「キャンキャンキャンキャンキャンキャンキャン!!!」
「アアー!ゴメン!!!」
「キャンキャンキャンキャンキャン!!!」
ちびマルの、今まで聞いたことがない悲鳴と、夫の焦っている声が聞こえた。
私はシャワーを止めて耳を傾けた。
「キャンキャンキャンキャンキャン!!!」
まだちびマルの悲鳴が続いている。ただ事ではない。
私は急いで体を拭いてちびマルと夫のところに行った。
「どうしたの!」
夫は自分の布団の上に立っていた。ちびマルは私の布団の上で悲鳴を上げている。
「ここでちびマルが寝ているのに気が付かなくて思いっきりおなかを踏んづけちゃった・・・・。」
「キャンキャンキャンキャンキャン!!!」
ちびマルは悲鳴を上げ続けている。
せっかく元気になったのに。全くもう(怒)!
私はちびマルを観察した。下半身が動かないらしい。もっとも、去年の11月に発作を起こしてから下半身がふらついているので、そのせいもあるかもしれない。
やっと悲鳴は収まり、少しでも夫から遠ざかりたいのか、必死に前足だけで這っている。そして廊下に出てジーッっと動かなくなった。呼吸困難とかの様子はないらしい。しかし内臓は大丈夫か?内臓破裂とか。心臓も弱くて薬を飲んでいて、びっくりさせるようなことはしないでくれと言われているのに。あばら骨は大丈夫だろうか?
どうするべきか?すぐに動物病院に連れていくべきか?でも、日曜日は朝9時からだ。私は用事があり、支度をしたら車ですぐに出かけなければならない。
「どうしよう。ここじゃ冷たいから、リビングのマットの上に連れて行こうか?」
と、夫はちびマルを抱き上げようとした。
「ダメ!!!ダメでしょ!おなかが痛いのに抱き上げたら痛いでしょ!下手に動かさないで。」
全くもう!夫は理系のくせにいつも理屈に合った行動ができない。文系の私に負けている。
そのうち、ちびマルはゆっくり立ち上がり、少しずつ歩いていき、リビングの隅で立ったままずっと動かなくなった。
そのままずっと動かないので、私は8時半頃動物病院に電話をした。診察時間前だったが、電話に出てくれた。
ちびマルの様子を話すと、
「たぶん大丈夫でしょう。もし様子がおかしかったら連れてきてください。」
と言われた。
夫によくちびマルの様子を見て、なんだったら動物病院に連れて行ってと頼んだ。
「いい?何か気を付けることはないか聞いてよ。いつも飲ませている薬をいつも通り飲ませていいのか?明日も連れて行ったほうがいいか、ちゃんと聞いてよ。」
私は念を押した。
なにしろ、夫は頼りないのだ。以前怪我をした毛蟹を病院に連れて行って帰ってきた夫に、
「で、その包帯はいつ変えるの?今夜?明日の朝?」
あ、聞いてない・・・。」
「シャワーとかお風呂とかはいつからOKなの?」
「あ、聞いてない・・・。」
「で、今度はいつ行くの?それとももう行かなくていいの?」
「あ、聞いてない・・・。」
といった具合なのだ。
私は急いで支度をして9時前に出かけた。
お昼頃夫に電話をした。
「ちびマル、どう?」
「うん。9時半ごろ、先生から電話がかかってきて、なんだったら連れてきてくださいって言われたから、連れて行った。大丈夫だって。」
「あ、そう。よかった。」
夕方家に帰ってすぐにちびマルの様子を見に行った。ちびマルはキャリーの中で寝ていた。
翌朝も一応大丈夫そうだったが、どこか痛いのかあまり動かない。朝イチで動物病院に連れていった。
先生は、
「別に骨折もしていないし、内臓も大丈夫そうだし、心配ないと思いますよ。打撲ってやった日じゃなくて翌日とか2日後のほうが痛いんですよ。でも、一応打撲の注射を打っておきましょうかね。」
と言って注射を打ってくれた。
ふーん。打撲の注射ってあるんだ。
そのあとの数日間、ちびマルはあまり動かなかったが、だんだん食欲も出てきて一応元気になった。
もともと散歩が嫌いだったが、外には出たがる変な犬だったが、だんだん外にも出たがらなくなった。
耳もだんだん遠くなり、夫が帰ってきても気づかなくなった。
「ほら、お父さんが帰ってきたよ。玄関にいるよ。ほら、噛みついていいよ。」
と、私が声をかけてやっと気づく。それでも自分だけでは夫のところに行かなくなった。私が後ろに付いて一緒に行かないと夫のところに吼えに行かなくなった。
寝ている時間も長くなった。
だんだん年を取って弱ってきたね・・・。
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