長年愛用してきたドライヤーが変な音がするようになった。
ゴロゴロゴロというか、グワグワグワというか、ボボボボボというか、なにか余分な音がするようになった。
「ねえ、ドライヤー大丈夫?」
機械に強い夫に尋ねた。
「うーん。危ないなあ。風量が減ったら絶対もう駄目だけどまだ風は普通に出てるからな。一応大丈夫だけど。でも、とにかく新しいのを買わないと。」
夫の髪は、シャンプーしても数十秒ドライヤーをあてれば乾いてしまうけれど、私の髪は長いしなかなか乾かないので、ドライヤーが壊れたら大変である。
「明日ドライヤー買ってくるよ。」
夫が言った。
翌日の夜。
私 「ねえ、ドライヤー買ってきた?」
夫 「買ってこられなかったからネットで注文するよ。」
しばらくして夫が言った。
夫 「今注文したから2、3日後に来ると思うよ。」
私 「よかった。」
夫 「あのね。ホットガンとかヒートガンというのがあるんだけどね。」
私 「うん。それが?(そのホットガンとかいうのが今度頼んだ新型ドライヤーなのかな?)」
夫 「それもネットで頼んだから。」
私 「分かった。」
夫 「それはね、すっごーく高温になるの。」
私 (じゃあ、すぐ髪の毛が渇くのね。よかった。)
夫 「だからね、間違ってそれで髪の毛乾かしたら、頭チリチリになっちゃうからねー。絶対使わないでねー。それ、明日届くから。」
・・・・・・・。
私の頭の中では、アフロヘアになっている自分を想像していた。
よかったー。夫が忘れずに説明してくれて。
ドライヤーより先にそれが届いたら、素直な私は疑うことなくそれを使っちゃうわ。
翌日、ヒートガンが届いた。本当にドライヤーみたいな形だった。
その翌日、ドライヤーが届いた。私の好きなピンクのドライヤーだった。
うふ。私の為にピンクにしてくれたのね♡。
夫はそのドライヤーを手に取りながら言った。
「ピンクはブルーより安かったんだよね。」
ま、いいわ。
私には愛情よりドライヤーが必要だから。
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