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アタチはちびマルこ。
かわいいマルチーズ。９歳。２．５ｋ。

アタチには、あーすっていう召使いがいて、毎日身の回りの世話をさせているの。
毛蟹っていう子分もいて、これはさみしがり屋だから、毎日かまってやらなきゃならないの。
今日は皆出かけてしまったので、一家の主人として、アタチがこの家を守ってやらないといけないの。

ガチャガチャ。
あら。玄関のかぎを誰か開けてるわ。このガサツな開け方は召使いのあーすだわ。うん？子分の毛蟹の声もするわ。

あーす　「お母さんが先に入って悪魔の攻撃を阻止するからね。」
毛蟹　「ラジャー。」
玄関を開ける音。
あーす　「はーい。ちびまる。優しいオカアタンが帰ってきましたよ。」

ふん。自分で優しいなんて言うヤツは胡散臭いヤツに決まってるのよ。ま、仕方がない。いつものように一応玄関に迎えに行ってやらないと、子分の毛蟹がさみしがるから。

あーす　「あー！ほら。ちびマルが走って来た。悪魔が来た。白い悪魔が来た！」

★あーす注
ちびマルは毛蟹が帰ってくると喜んで飛び付くのだが、その爪が毛蟹のタイツやスカートのレースなどに引っかかって、時々穴をあけてしまうのだ。だから、毛蟹が家に帰ってくる時は、まず私がちびマルを確保しなければならない。

あーす　「悪魔が来たりて風邪をひく！悪魔、確保！」
毛蟹　「・・・・あのさ・・・・『笛を吹く』じゃない？今の、わざと言ったの？」
あーす　「あ・・・？あ！そうだよね。『笛を吹く』だよね。なんか変だなあと思ったんだよね。ははは。」

アタチは悪魔じゃないわ。笛も吹かないわ。時々くしゃみをして床に顎をぶつけてるけど、風邪をひいたことなんか一度も無いわ。