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私大向けピンポイント問題4
こんばんは。受験生はいよいよ佳境を向かえている頃と思います。
もうひとフンバリですね!
本日のメニューは
前回の「極悪非道の英文解釈問題」の解答と解説(1問)
これのみです。
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前回のログで紹介した問題
ICU(国際基督教大学)の2000年頃の入試問題です。(しかも、長文問題の冒頭です)
次の文の和訳例を作成せよ
One need but read the depressing accounts of how people lived in London and other large British cities early in the 20th century to be grateful that the good old days are past.
★注意
・One need but read …この部分に間違いはありません。(だから大変なんです)
・ヒントとしましては「このあとに続く文章は全部現在時制の文章であった」ということです。
★解答
直訳例↓
『「古き良き時代」が過去の時代であることを感謝するために(は)、人はほんのちょっと、20世紀の初頭のロンドンやその他のイギリスの大都市で人々がどういう生活を送っていたかの重苦しい記述を読む必要がある』
意訳例↓
『20世紀の初頭のロンドンやその他のイギリスの大都市で人々がどういう生活を送っていたかの重苦しい記述を読みさえすれば、「古き良き時代」が過去の時代であることを感謝することができる』
★解説
どうしたって「One need but read」←これが気になりますね。「一つの必要が~を読むのか」それとも、「人が~を必要をとしたり、読んだりするのか」……。そもそもこの but は何? read は現在形? それとも過去形? など疑問だらけになると思います。
ここで、ヒントが生きてきます。「このあとに続く文章は全部現在時制の文章であった」のです。
(1)続く文章が全部現在時制なのだから、この文だけ過去時制というのは変。だからこの文も現在時制のはずだ。
(2) 「 need や read が、仮に動詞なら、現在時制だから needs reads にならないか? なんで三単現のSがないんだ?」
(3)「read」は手前に「助動詞」でもあれば「read」の原形の形でいいはずだ!
(4)手前は…「but」! あれ?/(゜ё゜)\ ウーン…
(5)あっと、その手前は「need」!これ『助動詞』の用法があるやないけー!
(6)もしも「but」が(接続詞ではなく)『副詞』なら都合いいぞ! 確か「but」に副詞用法があったぞ!
(7)<辞書で but を調べる>・・おお!あった!これだ!
ヽ(*⌒∇⌒*)ノ::・'°☆。.::・'°★。.::・'°☆。ワーイ!!!!
One …「名詞」<《総称的》(一般に)人(というもの)>⇒「人は」
need …「助動詞」⇒「~する必要がある」
but …「副詞」→『ほんの;とにかく~するだけ』(only)⇒「ほんのちょっと」
例文
We can but try. 「とにかくやってみるだけだ」
read ~…「(述語)動詞」(助動詞のあとだから原形)⇒「~を読む」
したがって
One need but read ~
⇒「人はほんのちょっと~を読む必要がある」
to be ・・・副詞用法<目的>「~するために」
したがって
直訳例↓
『「古き良き時代」が過去の時代であることを感謝するために(は)、人はほんのちょっと、20世紀の初頭のロンドンやその他のイギリスの大都市で人々がどういう生活を送っていたかの重苦しい記述を読む必要がある』
意訳例↓
『20世紀の初頭のロンドンやその他のイギリスの大都市で人々がどういう生活を送っていたかの重苦しい記述を読みさえすれば、「古き良き時代」が過去の時代であることを感謝することができる』
といった訳例ができます。
前回のコメントでも書きましたが、私はことあるごとに「英語が得意な日本人」にこの問題を出題しています。
ですが、「三単現のSがない」…これに気付けた人が本当にほとんどいません。
如何に英語が好きな人は文法が嫌いかが良く分かると思います。「三単現のSがない」…こんな初歩の初歩の文法さえ、英語の得意な人の99%は思い浮かばないのです。
できない人がほとんどですよ。ご安心くださいね! (^^)
でも、れっきとした大学入試問題なんですけどね! Ψ(`∀´)Ψ
私はこの問題で長年疑問に思っていたことがありました。
「ネイティブスピーカーは、どうやってこの英文を認識するのか?」
という疑問です。
まさか、ネイティブスピーカーが「三単現のSがない。だからこの but は副詞」なんて考えるわけがないですよね。
つまり「文法に拠らない読み方があるはずだ」と思ったわけです。
この謎は、去年xakyさんに連絡して伺いました。↓こういうことなんですよ。
one/you need but do ~ to do ...
「~さえすれば……することができる」
という熟語のようなもの
ネイティブスピーカーとっては、よく使う? イディオムのようなものらしいのです。
なんか、謎の割には「あっそうか」という感じでしたw(^^;
さあ、文法が嫌いなあなた! 文法なんか考えたくないあなた! 早速この熟語を覚えましょう! (^^)
でも少なくとも「大学受験頻出熟語」ではないですよねえ~w。
もしあなたが普通の受験生だったら、他の頻出英熟語があるはずです。そちらを先に覚えてくださいね!
ではまた来週~♪
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