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不定詞は学ぶ気が起こらないものなのか?(解答編)
こんにちは。旧チャンネルブログの流れを汲む日記の水曜日がやってきました。
今週は解答編です。(問題編はこちら )
今回、たくさんのコメントをいただきました。大変嬉しく思います。コメントを下さった皆様、本当にありがとうございました。
m(_ _)m
解答、解説の前に1つお知らせ。先だっての「コミケ情報 」ですが、xaky さんがお忙しくて来れないかもしれない、とのことです。とほほ…
私はもちろんブースで販売してますがw 30日(火) 東京有明のビックサイト 西ホール し34b です。
いよいよ次の火曜日です。お待ちしています。m(_ _)m
では解答が気になると思うので、模範解答とそれぞれの解説を提示します。
やった人の多くは(9)と(13)を混乱された方が多いですね。そこを十分注意してご覧ください。
(出展参考:川田流 英語のツボ 川田拓矢著 ライオン社)
(1)He grew up to be a novelist.
解答例 (彼は成長して小説家になった)
解説 「副詞用法:結果(左から「て」)」
to の前が自動詞だから、それで副詞用法と分かる……という仕組みなのだが、得意な人はそんなこと考えなくても訳例が「ぱっと」思いつくんだろうなあ…。副詞用法の基本は「ために」だが、それを当てはめた上で因果関係を考えたい。
述語動詞の grow up (成長する) だが、「小説家になるために成長する」のは不可能である。
この英文は、先に「成長する」と持ってきて、『その結果』「小説家になった」、とするべきである。
「ために」にしたくなるため、高校生(受験英語)では特に注意されやすい使い方である。
(2)To obey the law is everyone’s duty.
解答例 (法に従うことは、万人の義務である)
解説 「名詞用法「こと」」
述語動詞「is」の主語を考えたい。それは”To obey the law”の全部以外にない。こんなふうに、動詞の主語になったり、目的語になったりしたら、名詞用法で「こと」と訳すものとなる。
(3)Do you live to eat or eat to live?
解答例 (君は食べるために生きるのか、生きるために食べるのか?)
解説 「副詞用法:目的「ために」」
to の前が自動詞だから、それで副詞用法と分かる……という仕組みなのだが、得意な人はそんなこと考えなくても訳例が「ぱっと」思いつくんだろうなあ…。副詞用法の基本は「ために」なのでこれを素直に当てはめるだけ。
(4)She wept to hear the sad news.
解答例 (彼女はその悲しい知らせを聞いて泣いた)
解説 「副詞用法:原因「て」」(1)の「て」と違い、右から「て」をつける。
to の前が自動詞だから、それで副詞用法と分かる……という仕組みなのだが、得意な人はそんなこと考えなくても訳例が「ぱっと」思いつくんだろうなあ…。副詞用法の基本は「ために」だが、「悲しい知らせを聞くために泣く」のは難しいので、この英文は「ために」ではない。「悲しい知らせを聞いて(それが原因で)泣いた」のである。
(5)Today, a lot of people forget that Nagasaki was the last city to sample nuclear war.
解答例 (今日では、長崎が核戦争の見本を示す最後の都市であるということを忘れている人が多い)
解説 「形容詞用法「(訳さない)」」
実は、この英文には仕掛けがある。それについては、後述する。
to の手前が名詞。この場合「形容詞用法」であることが多い。”last city”という部分 を”to sample nuclear war”は修飾しているのである。
形容詞用法でもっとも多いのは「訳さない」で、前の名詞を修飾する方法である。sample は今回動詞で「…見本を取る、…の実例をあげる」といった意味である。
したがって模範解答では「核戦争の見本を示す最後の都市」としてみた。
(6)This river is dangerous to swim in.
解答例 (この川は泳ぐのに危険だ/この川で泳ぐのは危険だ/この川は泳ぐには危険だ)
解説 「副詞用法「のに、のは、には」」
to の手前が形容詞(dangerous)。この場合、形容詞を修飾する副詞用法の不定詞であることが多い。この場合「のに、のは、には」といった訳語をどれでもいいので上手く当てはめることができる。
なお、この「形容詞を修飾する副詞用法の不定詞」は、tough(タフ)構文と呼ばれる形になることが多い。
本当は↓こうしたい感じです。
×This river is dangerous to swim in this river.
×This river is dangerous to swim in it.
実はどちらもダメなのです。後ろの the river は主語で既に言っていますよね。
こういう↓形
主語 be 形容詞 to do 【主語と重複するもの】
↑
ここを必ず省く!
これを「tough(タフ)構文」と言います。
なお、
×This river is dangerous to swim in this river.
で、重複する部分は this river であって、in this river ではないですね。
だから in まで取っ払ってしまい、
×This river is dangerous to swim.
とするのは(通常は)間違いとされます。
※ただ swim を他動詞(~を泳いで渡る)として扱えば、(つまり This river is dangerous to swim this river. の後ろの this river を省略した、として扱えば)OKにはなります。
また
This river is dangerous to swim in. は
=It is dangerous to swim in this river.
と書き換えられます。これは高校生(受験英語)では必須の知識です。これだと to 不定詞は名詞用法になり、文頭の it が指す対象になっています。(名詞用法に則った訳例を作ると「その川で泳ぐことは危険だ」になる)
(7)He is not a man to tell lies.
解答例 (彼は嘘をつく(ような)男ではない)
解説 「形容詞用法「ような」」
to の手前が名詞。この場合「形容詞用法」であることが多い。”a man”という部分 を”to tell lies”は修飾しているのである。
形容詞用法でもっとも多いのは「訳さない」で、前の名詞を修飾する方法である。それでも可だが「ような」という訳例を当てはめることもできる。
(8)He was not so foolish as to believe it.
解答例 (それを信じるほど彼はおろかではない)
解説 「副詞用法:程度「ほど」」
文法的な解説としては、「so 形容詞(または副詞)+as to do 」は「do ほど形容詞(または副詞)」という熟語だ、といったものになる。この「so 形容詞(または副詞)+as to do 」はたいてい頭に not がついて、
「not so 形容詞(または副詞)+as to do 」…「do ほど形容詞(または副詞)ではない」となることが多い。今回はまさにこれである。
コメントでricheさんがご指摘された「as がない場合について」だが、盲点であった。こういう場合、ネイティブに聞くの常套なので聞いてみた。
・He was not so foolish as to believe it.
・He was not so foolish to believe it.
この2つに違いはないか? とたずねたところ、「there is no real difference.(実質的な違いはないよ)」という返事をもらった。
私が思うに「 as があったほうが少なくとも日本人、特に私のような英語のセンスが0に等しい人間には親切だ」と思う。as to と書かれていれば、「ほど」だ、とすぐに分かるからだ。to だけなら「ほど」だ、と少なくとも私はすぐには思えない。
逆にネイティブには as があったほうが不親切かもしれない。何でもそうだが、「無くても意味が通じるなら、言葉は省略される傾向がある(日本語の例:ら抜き言葉)」
(9)I have some friends to help.
解答例 (私は(私が)助けるべき(助けなければならない)何人かの友人がいる)
解説 「形容詞用法「べき」」
to の手前が名詞。この場合「形容詞用法」であることが多い。”some friends”という部分 を”to help”は修飾しているのである。
実は、この英文にも仕掛けがある。それは(13)との比較である。
(13)には、最後に me があるが、この(9)には me がないのである。
me がないこの英文はどういう英文か? help は通常「~を助ける」という意味の他動詞である。
他動詞なのに、その目的語が無い。この場合、独特の意味が生まれやすい。
考えて欲しいことがある。
(9)I have some friends to help. ←この英文で
助ける人は誰か? 逆に助けられる人は誰か?
実は
●to do ~ の「~」の部分(目的語)が無い場合、
do (今回は help)をする人は⇒文の主語
do (今回は help)をされるもの⇒to の手前のもの
になる。(13)の場合と比較せよ!
(help)助ける人⇒文の主語⇒ということは「I (私)」
(help)をされるもの⇒to の手前のもの⇒ということは「some friends(何人かの友達)」
ということになる。(後で(13)と比べて欲しい)
このように、●to do ~ の「~」の部分(目的語)が無い場合、
should(べき)、あるいは must(~しなければならない)といった意味が加わる場合が大半である。
したがって、(私は(私が)助けるべき(助けなければならない)何人かの友人がいる)という訳例になる。
(10)To meet her, you would fall in love with her.
解答例 (もし彼女に会えば、あなたは彼女に恋するだろう)
解説 「副詞用法:条件「もし~ならば」」
to の手前に何も無い。この場合、(2)のように主語でなければ、副詞用法に決まる。この場合「ために」か「もし~ならば」の2択である。今回は「ために」はおかしいので、「もし~ならば」と決定する。
(11)He cannot be sane to believe such a girl.
解答例 (あんな娘を信じるなんて(信じるとは)彼は正気のはずがない)
解説 「副詞用法:理由「なんてorとは」」
to の手前が形容詞だが、(6)の場合と違ってタフ(tough)構文ではない。したがってこの場合「のに、のは、には」を候補からとりあえずはずす(実は「のに、のは、には」で上手くいく場合もなくはない。しかし確率的には少ない)。
「ために」などが変なので、ここでは「理由「なんてorとは」」としたい。
(12)My students kept the promise to pass the entrance examination.
解答例 (私の教え子たちは入試に受かるという約束を果たした)
解説 「形容詞用法:同格「という」」(※この同格用法を「名詞用法」と取る見方もあるが、ここでは形容詞用法とした)
to の手前が名詞。この場合「形容詞用法」であることが多い。
ただ今回は「the promise」=「to pass the entrance examination」である。こういう場合は「という」という訳例がぴたりと決まる。
(13)I have some friends to help me.
解答例 (私は私を助けてくれる(ための)何人かの友達がいる)
解説 「形容詞用法(ための)」
to の手前が名詞。この場合「形容詞用法」であることが多い。”some friends”という部分 を”to help me”は修飾しているのである。
形容詞用法でもっとも多いのは「訳さない」で、前の名詞を修飾する方法である。それでも可だが「ための」という訳例を当てはめることもできる。
実は、この英文にも仕掛けがある。それは(9)との比較である。
(9)には、最後に me がないが、この(13)には me があるのである。
me があるこの英文はどういう英文か? help は通常「~を助ける」という意味の他動詞である。
他動詞だから、その目的語(me)があって当然。
考えて欲しいことがある。
(9)I have some friends to help me. ←この英文で
助ける人は誰か? 逆に助けられる人は誰か?
実は
●to do ~ の「~」の部分(目的語)がある場合、
do (今回は help)をする人は⇒to の手前のもの
do (今回は help)をされるもの⇒to の直後のもの
になる。(9)の場合と比較せよ!
(help)助ける人⇒to の手前のもの⇒ということは「some friends(何人かの友達)」
(help)をされるもの⇒to の直後のもの⇒ということは「I (私)」
ということになる。((9)と比べて欲しい。全く逆になっている)
このように、●to do ~ の「~」の部分(目的語)がある場合、
(9)のように should(べき)、あるいは must(~しなければならない)といった意味が加わらない。
したがって、(私は私を助けてくれる(ための)何人かの友達がいる)という訳例になる。
以上が解答と解説でした。
問題にした13個ですが、全て役割が違います。「to 単独1語」の訳語も(形容詞用法の「訳さない」を除き)、全部違います。
13種(15個)まとめると
「こと、べき、ような、という、ための、(訳さない)、ために、て、なんてorとは、もし~ならば、(左から)、て、ほど、のに、のは、には」
です。訳語が気になった人は文法講座 の不定詞のところを全部見てください~(^^)
さてさて、実は質問編でちゃんと書いたつもりなのですが、この問題は「実験的な内容」だったのです。
私が知りたかったことが色々あって、おかげさまで色々分かりました。
1、多くの人は「不定詞を苦にしない」ようだ。
今回、非常に多くの方がコメントくださって、本当に嬉しく思います。
ほとんどの方が、概ね大正解でした。実は、私はこの結果に非常にびっくりしています。
Σ( ̄□ ̄)! なぜだ!?
なぜなら、私が高校時代にこれを出されていたら「全問不正解」を出す自信があるから。
何度も書いていますが、私は中学高校時代、英語の超~落ちこぼれでした。高校時代、英語のなかでいくつも苦手なものがありました。そのうちの1つがこの不定詞でした。
実は今回書いた13種<15個>(ことべきようなというための(訳さない)ためにてなんてorとはもし~ならば(左から)てほどのにのはには)」以外の訳例は、直訳に関する限り「無い」のです。
私が、予備校でこの13種<15個>を川田拓矢先生に教えてもらったとき、それだけで不定詞が怖くなくなりました。
私はここ で、主に苦手な人を中心に英語を教えてます。長年教えてきていますが、「苦手な人ほど、私と同じく不定詞は苦手」でした。
彼らには、この13種類を割りとはじめの方で教えます。すると「おかげで不定詞が怖くなくなりました」という声を多くもらうのです 。
ですが、たぶん、ここを見てくださっている方の多くは、この13種<15個>を知らないし、知らなくてもすいすい意味が分かったと思います。
どうでしょうか?
今回の問題でほとんど正解だった皆さんに、知って欲しいことがあります。
英語が苦手な人の多くはここをすいすい解くことが不可能なのです。それはあなたには当てはまらないことは良く分かっています。しかし英語が苦手な人の1部は違うのです。
苦手な人は不定詞を「苦しんだ上、間違う」のが普通なのです。
すいすいできた方! 私のような英語が苦手な人たちのこの「事実」をどうか認めてください。多くの方は(自分がすいすいできてしまう所為でしょうか?)、「英語が苦手な人は不定詞が苦手なんだという事実」をほとんど認めてくれないのです。
>< どうして「事実」を認めてくれないんだ!!!!
大半の「おできになるかた」はこれを納得してくださらないのです。ひどい人は「嘘付け!」と言ってせせら笑います(本当)。私が苦しみに苦しみ抜いた【不定詞】を「嘘付け!簡単だったろうに!」と言ってくれるのです。本当に腹立たしい! ですがこうした方が私の「この事実」を「本当だ」と考えてくれる人に、私は出会ったことが無いのです。
2、(9)と(13)を迷う人と迷わない人がいる。
(上で書いたように)、不定詞を苦にする人と、ちっとも苦にしない人が世の中にはいるのです。
それと同じように、(9)と(13)を迷う人と迷わない人がいるわけです。
個人的には、どのくらいの人が(9)と(13)をはっきり識別するのか? 迷うのか? を知りたかったのです。けっこう迷われていますね。
できる人の多くには…(12)まで、とんとん拍子で解いてもらって「簡単だな」と思ってもらい、(13)で「あれ?」と思ってもらえないかと考えていました。どうだったでしょうか?
3、「何人の人が sample を動詞とした訳例を作るか?」というのを私は知りかった。
(5)が1つの実験でした。ただでさえ「不定詞の勉強」と言っているのだから、sample は品詞の上で「動詞」として扱うに決まっている。
しかし「大方の人は動詞として扱わないだろう。少なくとも訳例は『例』と名詞のようなものになるだろう」と予測。
英語ができる人の多くは「不定詞だからこういう訳だ」なんて考えず「なんとなく」という理由で訳を作る。そういう人は、sample を動詞とした訳にはしないだろう。
と私は予測していました。
この sample は動詞である。辞書を引けば訳例が書いてあるはずだ。「…見本を取る、…の実例をあげる」といった意味である。
はたしてどのくらいの人がこの訳語(…見本を取る、…の実例をあげる)に沿った和訳例を作るのか? これを知りたかった。
もっとも sample の動詞の訳語(…見本を取る、…の実例をあげる)に沿わず、『例』となっていても、この問題としては「間違い」ではない。むしろ『例』としたほうがいい訳例かもしれない。
ただ「動詞だ」と認識したかどうかを私は知りたい。
と思っていました。
「別に動詞として見なさい!」と強要する意図は無いのです。そんなん区別しなくても意味がちゃんと分かれば良いと思います。
多くの英語ができる人は「このsample は動詞だ!」なんて考えなくたって、ちゃんと意味を把握するんです。(これが私のようなあんぽんたんだと「動詞だ」と認識しないととんちんかんな意味を生み出します。_| ̄|○)
最後に不定詞が苦手な人へ!
ぜひ、文法講座 の不定詞を見てください! 最後にもうちょっといい識別方法も紹介してますよ!(^^)
今回以上になります。いかがでしたでしょうか?
それではまた、来週~~~~
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