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超~難しい英文解釈part2(解答編)
こんにちは。旧チャンネルブログの流れを汲む日記の水曜日がやってきました。
今週は解答編です。
大規模アップデートの関係上、更新が遅れました~ごめんなさい~
予想以上に多くの皆さんにコメントをいただきました。コメントを下さった皆様、本当にありがとうございました。
途中で1語つけたり消したり、またつけたりしてすみませんでした。
では、まずは模範訳例を発表します。
問題
Somewhere in your make-up there lies sleeping, the seed of achievement which, if aroused and put into action, would carry you to heights, such as you may never have hoped to attain.
模範訳例
もしも目覚めて実行に移されれば,達成できるとは夢にも思わなかったような高みに,あなたを連れて行ってくれるであろう成功の種が,あなたの身体組成のどこかに眠っている。
いかがだったしょうか?
こういう長い英文解釈では、主語と動詞が大事になってきます。そのお話からまず始めます。
●英文には必ず主語と動詞がある
英文には必ず主語と動詞があるのです。それをきちんと見極めて、それを踏まえた訳例を、少なくとも最初は作らなければなりません。
そして、主語と動詞が分かった後は、
・「主語」は~である(であった)
・「主語」は…に~をした(する)
・「主語」は~をした(する)
といった意味を完成させなければなりません。よろしいでしょうか?
これを踏まえて、きちんとした訳例を作ります。例によって細かくやります。
文法のお勉強ですから、それなりの覚悟をしてください!
では~
この文章はまず、文の中心となる「主語」を見つけるのが大変だったのです。
部分部分でやってみましょう。
Somewhere in your make-up there lies sleeping,
動詞は簡単に見つかります。lies ですね。これに対する主語を探しましょう。主語は普通は動詞の左側にありますよね。では左側を見てみましょう。
ここで1ポイント。
●「主語」は名詞(相当語句)しかなれない、という知識です。
さらに
●主語をまず探さなければいけない場合、副詞とか名詞などの「品詞」の知識が必要です。
「主語かな?」と思えるものを辞書を引っ張って調べてみたら「副詞」や「形容詞」だった場合、その単語は絶対に「主語」ではない、と分かるのです。
ではでは
・Somewhere の品詞はなんでしょう? 辞書を引けば書いてあります。副詞。だからこれは主語にはなれない
・in your make-up ←これらはまとめて「副詞句」という扱いになります(こういうのが分からない人は例えば文法動画(の句と節)で学んでください^^)。これも主語になれない。
・there も副詞。当然主語になれない。
なんと lies の左に主語がないのです。「副詞は文の主語になれない」という知識を知らないと、この段階でアウトになってしまう方が多いでしょう。
では、sleeping が主語でしょうか? 可能性はあります。~ing は「動名詞」という【名詞】に相当する語句になりえます。
しかし、~ing は必ず「動名詞」になる、とは限りません。~ing は「現在分詞」というものにもなりえます。(こういうのが分からない人は例えば文法動画(の分詞)で学んでください^^) 現在分詞ですと【形容詞】に相当する語句になります。
~ing だけ見ても「動名詞」か「現在分詞」かどちらになるか、見かけではそうは簡単に見分けられないのです。
さあどちらでしょう?
ここからは、経験というか、解き方のコツを紹介します。
それは、lie という動詞の使われ方です。
↑こう発想できた人は、辞書を引き慣れている人だと思います。
では、実際に、lie を辞書で引いてみましょう。
すると↓こんな記述があります。
――――――――――――――――――
「サンライズクエスト英和辞典」
(4)文型Ⅱ b《~+doing》(…の状態に)ある
lie sleeping 眠ったままである
― ― ― ― ― ― ― ― ―
「ジーニアス英和辞典」
(3)[SVC]<人・動物・物が>…の状態にある,…のままである(remain)《◆Cは形容詞(分詞)・前置詞句
中略
He lay dying 彼は死にかかっていた《He was dying と実質的には同じ》
(※補足 lay は lie の過去形です。念のため)
――――――――――――――――――
サンライズクエストだと、もろに『lie sleeping 眠ったままである』という例まで出てます。
『lie sleeping 眠ったままである』の場合、sleeping が「動名詞」ではなく「現在分詞」であることは分かりますでしょうか?
もし sleeping が動名詞で主語であったら、辞書の例は⇒ sleeping lie(s) という普通の語順(主語+動詞)でなければおかしいでしょう。
だから、lie sleeping の sleepng は100%「現在分詞」です。
ということは、この段階では「sleepng は現在分詞であり、主語ではない」とほぼ決まります。
(sleeping が動名詞で、lies の主語になる可能性もわずかながら残っています。しかし、lie sleeping (眠ったままである)が辞書の例に取り上げられるほどメジャーなので、今回の sleeping が動名詞である(つまりは、lies の主語である)可能性は低いと判断できます)
ということでここまでで、
うわ~主語が見あたらないよ~ということになります。
のっけっから大変です。
では続きに行きます。
the seed of achievement which,
the seed の seed は(the があることから分かるように)名詞です。名詞なので、もしかしたら前の lies の主語かもしれません。もし、the seed に対応する動詞が lies 以外に見当たらなかったら、lies の主語は the seed になる可能性があります。
the seed of achievement which,
↑
これは関係代名詞に決まってますね。先行詞はthe seed of achievementに決まってます。
したがって、ここの部分意味は「which 以下な達成の種」となるでしょう。
とりあえず、ここまでの分析は終わりです。
では次。
if aroused and put into action,
which の後なのに、「if 節」が続いてしまいました。おかしいですね。。。
which 直後は普通は名詞か動詞が来るはずです。でも if 節…
which 直後に名詞が来る例
例1 This is a doll which he made.(これは彼が作った人形の1つです)
(which の次は he (代名詞))
which 直後に動詞が来る例
例2 This is a book which gives you some good information.(この本はあなたにいい情報をくれる本の1つだ)
(which の次は gives (動詞))
にもかかわらず、if が来ている。ということは、このif と手前の which は直接関係がない、のです。
しかし、全体をよく見ると
… which, if aroused and put into action, would carry you to heights…
間にある「if aroused and put into action,」を取っ払えば
↓
… which would carry you to heights…
と、とても上手くつながるではありませんか!
つまり、if aroused and put into action, は、(なぜか)間に入れられてしまった部分なのです。
こういう部分を「挿入」と文法では呼びます。
この挿入の部分は、今は取っ払ってしまい、それは後で考えましょう。
先に、挿入を取っ払った「残り」を考えましょう。
取っ払うと↓
which would carry you to heights, such as you may never have hoped to attain.
would は、(さっきの挿入に if があったことから)、「ははあ、こいつは仮定法(過去)だな」と分かるはずです。
(仮定法が分からない人はとりあえずこちら)
which would carry you to heights, ←ここまでで
⇒「which はあなたを高みまで運ぶだろう」
となります。
でも 高み(height)って何?
その答えはその続き↓
such as you may never have hoped to attain.
ですね。「あなたがけっして到達したいと思ったことがないような」⇒そういう「高み」に which はあなたを運んでくれるだろう、と書かれています。
さて、 ではさっき取っ払った↓挿入の部分を改めて考えます。
if aroused and put into action,
あれ? if って接続詞なのに、主語がない!
ここで、また別の文法の知識が必要です。
例
・When(I was)young, I would play baseball. (私は若いころ、よく野球をしたものだった)
このとき、省略できる主語は、主文(if がない方)の主語と同じでなければなりません。
例文で言うなら
When(I was)young, I would play baseball.
ほら! I と I で同じですね。
だからここは
if aroused and put into action,=if(主語+be)aroused and put into action,
と考えられます。
この場合、主文(if がない方)は⇒which would carry you to heights,
じゃあ、主文の主語は⇒which ですね。
では、be はなんでしょう? 仮定法過去だと分かっていますから were ですね。
つまり
if aroused and put into action,=if which were aroused and put into action,
ということです。(仮定法過去の場合、be は 基本的に were)
都合がいいこと?に、arouse は他動詞。にもかかわらず、arouse の目的語がない。それもそのはず、「受動態」になっているから。
実は put into action の部分も受動態です。
put ~ into action 「~を実行する」という熟語です。~ の部分に当たる目的語がない。
put の過去分詞は put だから、実はここも受動態。「which were put into action」だったのです。
まとめて
if aroused and put into action,=if which were aroused and which were put into action,
です。
で、↓この意味は
if which were aroused and which were put into action,
「もし、which が目覚めさせられて、実行させられれば」
となります。
ここまでで、「主語の第一候補である the seed of achievement の動詞」が lies 以外に見当たらないことがわかりました。
やっぱり lies の主語は the seed of achievement だったわけです。
では、文頭の↓この部分を考えましょう。
Somewhere in your make-up there lies sleeping, the seed of achievement
気になる部分が1つあります。それは途中で足した「there」です。
さっき、lie + ~ing を調べたとき、ジーニアスには↓こう書いてありましたよね↓
>He lay dying 彼は死にかかっていた《He was dying と実質的には同じ》
(※ lay は lie の過去形です。念のため)
つまり、lie + ~ing は be ~ing の代用になってもおかしくない感じなのです。
ではためしに lies を is に代えてみましょう。
⇒Somewhere in your make-up there is sleeping, the seed of achievement
ど真ん中が「 there is 」になりました!
カンの良い方なら分かられたでしょうか?
ここは「 there is 構文 の変形」と取れるのです。
○there is 構文 「~がある:存在する」という表現。
例 There is a pen on the desk. 「ペンがその机の上にある」
気をつけたいのは↑there is 構文 の主語は there ではなく、there の右にあるもの(例文の場合は a pen)だということです。
there の右側(a pen)が主語。
a pen (ペン)が「ある:存在している」わけです。
問題文(の変形)↓
Somewhere in your make-up there is sleeping, the seed of achievement
↑
この英文で考えれば、主語は the seed of achievement だろうと分かっているので
There is the seed of achievement
there の右側(the seed of achievement)が主語。
the seed of achievement(達成の種)が「ある:存在している」わけです。
つまり、
There is the seed of achievement ⇒「達成の種がある:存在している」
となるわけです。
じゃあ「達成の種」はどこにあるのか? 本文の本当の冒頭は…
⇒Somewhere in your make-up 「あなたの構造のどこか」←ここに「達成の種がある」のです。
ところで、本当は is sleeping ではなく lies sleeping 「眠ったままである」でしたね。
この部分を全部まとめると、
Somewhere in your make-up there lies sleeping, the seed of achievement
は、「達成の種があなたの構造のどこかに眠ったままである」という意味になります。
なお、この, (カンマ)がいやらしい。こんなもん、なぜあるのだ?
でもあるので仕方がないです。orz
どうやら、「メインはここから!」という意味で、the seed の前に カンマが置かれた模様です。(確信はありませんが)
なお、途中で there を増やしましたが、there がなかった場合はどう考えたらよいのか?
どちらにしろ lies の主語は「the seed of achievement」と確定しているので、この場合「倒置になった」と考えられます。
つまり
もともと⇒ The seed of achievement lies sleeping somewhere in your make-up
○「somewhere in your make-up」が強調のため文頭に移動され、語順が変わって
⇒ Somewhere in your make-up lies sleeping the seed of achievement
となったわけです。
(補足・強調のルール:場所の副詞が倒置で前に来ると、
主語が代名詞の場合 ⇒ 場所の副詞+代名詞+動詞
例 He was in this room. ⇒ In this room he was.
主語が普通の名詞の場合 ⇒ 場所の副詞+動詞+名詞
例 Ken was in this room. ⇒ In this room was Ken.
という語順になる。今回は↑これがぴたりと当てはまる)
さあ、これで、やっとまとまりました! 行きますよ!
Somewhere in your make-up (there) lies sleeping, the seed of achievement
⇒達成の種があなたの構造のどこかに眠ったままである
which would carry you to heights, such as you may never have hoped to attain.
⇒which はあなたをあなたがけっして到達したいと思ったことがないような高みまで運ぶだろう
if (which were) aroused and (which were) put into action,
⇒もし、which が目覚めさせられて、実行させられれば
⇒⇒もし目覚まされて実行に移されれば、あなたをあなたがけっして到達したいと思ったことがないような高みまで運ぶだろう(と目される)達成の種があなたの構造のどこかに眠ったままである
と、できあがります。このままだと直訳過ぎるので、意訳例の1つを作れば
となります。
どうでしたか? いやあもう、込み入ってて大変でした。ネイティブの人はこういう英文を「さっと」分かるのでしょうかね?
(本当はまだまだ、説明はあります。例えば「the seed of achievement の the が初出なのに a ではなくthe なのは『予告の the』だから」とか。「there is 構文の場合、「主語」には普通は「the+名詞」が取れない。でも 予告のtheの場合はOK」とか。。。。)
今回、(少ないだろう)という私の予想に反して、たくさんのコメントいただきました。非常にびっくりしています。
いかがだったでしょうか?
それではまた、来週です!!(~o~)ノシ ごきげんよう!
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