・英語が得意な人の多くは仮定法が苦手。しかし英語が苦手な人は仮定法はさほど苦手に思わわない。むしろとびぬけて簡単に思える。
私が浪人時代、文法を学習していた時、飛びぬけて「易しい」と感じた文法単元があった。それは「仮定法」である。基本公式(仮定法過去・仮定法過去完了)の公式さえ覚えたら、簡単だった。
私がまだ偏差値30台から40台でうろちょろしていたころだ。仮定法は楽勝で楽しかった。
ところがである。
私が英語をネットで本格的に教えだしたころ、私にとって信じられない情報が入ってきた。「英語が得意な人は仮定法を難しく感じる人が多い」というのだ。調べてみると本当にそうなのである。
ではなぜそうなるか。10年以上昔から研究してきた。今ではだいぶ原因が分かってきた。
【英語が得意な人】は
1、例文を多く覚えている。多くは耳(聞き覚え)で覚えている。
2、『聞き覚え』で「英文の単語の並びの順番」を覚えている。
3、その英文が正しいかどうかを『聞き覚え』で判定することが多い。そしてその場合たいてい「あっている」。したがっていつも聞き覚えで英文を考える癖がついている。
4、時制が苦手な人が多い。現在形でも過去形でも、文章自体は正しい英語であるからである。
→文脈を捉えて、「ここは現在形で言うべきなのか、過去形で言うべきなのか、はたまた未来時制で言うべきなのか」を定める作業が苦手。(意味を時制まで普段から正確に考えない人はそうなる)
5、仮定法は、ルールに従って『時制』を【ずらす】作業。ところが、『聞き覚え』の基準でやると、【ずらしていない英文】が感覚的に正しく思えてしまう。ずらしていない英文のほうがはるかに聞き覚えがあるからである。【時制をずらした英文】だと『感覚的』に間違った英文に聞こえてしまう。その結果、仮定法を使わなければならないケースの英文でも、感覚的に正しいと思う時制にしてしまうので、時制をずらさないで表現してしまう。よって結局、仮定法の英文をよく間違ってしまう。だから仮定法が1番苦しい。
こうなってしまうのである。ほかにも要因はあるだろうが、概ねこの線だと思う。なぜなら私と真逆だからである。
【仮定法が得意な私】は
1、例文を覚えていない。耳(聞き覚え)でなんて全く覚えていない。
2、『文法』で「英文の単語の並びの順番」を組み立てられる。
3、その英文が正しいかどうかを『聞き覚え』で判定することができない。最初から『聞き覚え』なんて頭に存在していない。聞き覚えを基準にして英文を考えることは全くない。(文法を基準にして考える)したがっていつも文法で英文を考える癖がついている。
4、時制が得意。
→文脈を捉えて、「ここは現在形で言うべきなのか、過去形で言うべきなのか、はたまた未来時制で言うべきなのか」を定める作業が得意。(意味を時制まで普段から正確に考えているから)
5、仮定法は、ルールに従って『時制』を【ずらす】作業。文法でやると【単語1つ時制をずらす】だけで正しくなる。そもそも最初から「聞き覚え」なんて私にはないので、<聞き覚えで感覚的にその英文が正しい・正しくないという判断>ができない。だから【単語1つ時制をずらす】作業を単純に機械的に「パッ」と行うだけ。単純に時制を1つずらしておしまい。それで「正解」と言われるので楽しい。1番楽しい。実に楽勝な単元。仮定法の英文は楽勝すぎてしょうがない。
多くの英語教師は「仮定法はみんな苦手」と思っている。だがそんなことはないと思う。事実、私は仮定法が1番楽だったのである。
金曜日の夜11時からはいつものニコ生英文法講義。次回来週の
月曜日です。
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