smart.fm で更新してきた、
旧チャンネルブログの文法問題をお届けします。
今週は解答編です
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●アプリ情報:
テストバージョン 3.01と3.02 。
既に発表されています。
今後の予定(作成順)
単語の充実
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参加して下さった皆様ありがとうございました。今回は参加者が2名でした。難しかったかな? それともやさしすぎたのでしょうか?
分からない…
とくにひねりもない問題のつもりだったのですが…。
では解答と解説に参ります。
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問題
次の英文の意味を書きなさい(1~3まで)
1. The castle stands on the hill.
解答例
その城は丘の上に建っている
解説
stand の学習のつもりの問題です。stand はいろんな意味がありますが、ここでは 「立つ」「立っている(建っている)」という使い分けの学習をします。
まず「自動詞(後ろに目的語を取らない)」という動詞であることを一応抑えて下さい。
で!
今回の stand の意味を考えましょう。「立つ」「立っている(建っている)」のはずです。
国語力に問題がある人はもしかしたら「どっちでもいい」と思うかもしれません。
確認してみましょう。
では「立つ」にしてみましょう。
「その城は丘の上に立つ」←これでは「城に足があって立ち上がるみたい」ではないですか。だから変なんです。
城に足はないので、「立つ」はおかしく、「建っている」という意味になります。
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2. He stood up and gave her his seat.
解答例:
彼は立って彼女に自分の席を譲った
解説
今度も、stand の使い分けの問題です。「立つ」「立っている(建っている)」の使い分け。これは「立つ」のほうです。
仮に「立っている」で意味を取れば
⇒「彼は立っていて彼女に自分の席を譲った」
になってしまいます。これは変でしょう。したがって今回の stood(standの過去形)の意味は「立つ」なのです。
で!
今回は stood の後に
up という単語があります。これこそ今回の問題のポイントです。これは「前置詞」に見えるかも知れませんが、実は「
副詞」と分類されます。
もしこの up が前置詞ならば、その直後に名詞がなければなりません。でも存在していない。したがって前置詞ではないのです。
このように
「
前置詞に見える副詞」は
「動詞」の意味を補うような働き
を持ちます
今回の
He stood
up and gave her his seat.
の場合、実は
up なんかなくたって良い。
upを削って
He stood and gave her his seat.
でも、意味はほぼ同じです。
では up がなぜあるか、というと、「up があったほうが、動きがはっきりするから」です。
stand だけで十分「立つ」という意味ですが
stand up だと
⇒絶対に「立つ」という意味で、
「立っている」ではない。
⇒
up が入ると、「立つ」だし、もっと言えば「立ち
上がる」みたいなイメージになる。
という具合です。
似たような例はいくらでもあります。
例えば
sit (座る)
sit
down (座る)
というのはどうでしょう? down があったほうが動きが見えるのです。
この応用例で↓こんなのもあります。
I walked to his house.(私は彼の家まで歩いて行った)
I walked
over to his house.(私は彼の家まで歩いて行った)
over が余計についていますね。なくたって意味は通じます。この
over は副詞なのです。役割は「わざわざ(行く)」みたいなイメージをつけます。
ここまでよろしいでしょうか?
ここまでは stand にしろ、sit にしろ、walk にしろ、みな
自動詞でした。つまりここまでは
自動詞+
副詞
というパターンです。ここまで書くと「なんだー自動詞+副詞の場合、【副詞はなくても意味は通じる】と考えればいいのか~」と思うかもしれません。はい。概ねその通り。ほとんどの場合それで通用します。
しかしたまに例外があるのです。それを扱ったのが3の問題でした。
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3. The spaceship took off with a loud noise.
解答例
その宇宙船は轟音をたてて離陸した
解説
これは
take +
off という部分が「
自動詞+
副詞」になっています。
この
take off が実にややこしい。
全部で
3つのポイントがあります。
(ややこしさ・その1)
そもそも
take は普通「他動詞」。ところが、もし今回のtook が他動詞だとすると、目的語がなければならない。しかし
今回は目的語が右にない。前置詞 with が来てしまっているから、
今回の took は自動詞扱いになってしまうのです。したがって
今回の
took off は(
自動詞+
副詞)なのです。
(ややこしさ・その2)
take off は、今回は(自動詞+副詞)だが、
(他動詞+副詞)のケースもある。
・take off を見たら、「そうか、この形は(自動詞+副詞)なのか」とすぐに判断してはいけないのです。
・
take off は (他動詞+副詞)のケースもあるのです。
どちらなのかの区別は、「目的語の有無」で判断します。目的語が今回は見あたらず、すぐに with ~が来ているから⇒(自動詞+副詞)である、と分かるのです。
●実は take off が(他動詞+副詞)のケースは、この問題の 6 で取り上げています。そこで(他動詞+副詞)のケースは確認します。
(ややこしさ・その3)
今回の took off は(自動詞+副詞)と分かったが、
「じゃあ 副詞のoff がなくてもいいのか」となると、これがよくならないのです。この off がないと
The spaceship took with a loud noise.
となります。これでは意味が不明瞭。
実は、take off(自動詞+副詞)で、立派な【熟語】。熟語なので、off はついていないとこの場合は意味を成さないのです。
では学習者はどうやってこれを【熟語】と判断するのか、というと、辞書を使います。take を引き、熟語の羅列している場所を探します。すると take off はちゃんと載っているのです。これで「take off は熟語である」と分かるのです。
ただし、take off に限れば
「(自動詞+副詞)のケース」と「(他動詞+副詞)のケース」があるので、この2つはきちんと区別します。
お手持ちの辞書がジーニアスの場合、[自] と [他] が分けられて書かれています。
・[
自] と書いてある説明部は「(
自動詞+
副詞)のケース」の説明で、意味は「離陸する」と書いてある
・[
他] と書いてある説明部は「(
他動詞+
副詞)のケース」の説明で、意味は「<衣類・靴など>を脱ぐ」と書いてある
という具合になっています。
問題文は、「
目的語が見当たらない」ので⇒「(
自動詞+
副詞)のケース」のはず⇒[
自]と書いてある部分の説明を調べるべきなのです。
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4. 次の英文のうち、文法的に正しいものをあるだけ選べ。
a. He put on his coat.
b. He put his coat on.
c. He put on it.
d. He put it on.
解答
○a. He put on his coat.
○b. He put his coat on.
×c. He put on it.
○d. He put it on.
解説
まず put on が熟語かどうか調べます。辞書を引きましょう。するとput on はちゃんと熟語のコーナーに載っています。
ジーニアスなら
[
他] <服など>を身に付ける
と書いてあります。
つまり、put on は「(
他動詞+
副詞)のケース」の熟語なのです。この問題の1~3は「自動詞」を扱ってきましたが、この4は他動詞なのです。ここまでいいですか
で!
他動詞+副詞 ←この場合の使い方を覚えて欲しいのです。
他動詞+副詞の場合
○ 他動詞 + 副詞 + 普通の名詞
○ 他動詞 + 普通の名詞 + 副詞
× 他動詞 + 副詞 + 代名詞
○ 他動詞 + 代名詞 + 副詞
というルールがあるのです。目的語が普通の名詞だったら、
副詞の右でも
他動詞と副詞の間
のどちらでも、目的語を置けます。
しかし、
目的語が代名詞だったら
副詞の右は不可。
他動詞と副詞の間のみOK
というルールがあるのです。
したがって
○a. He
put on his coat.(彼は自分のコートを着た)
○b. He
put his coat on.(彼は自分のコートを着た)
×c. He
put on it.
○d. He
put it on.(彼はそれを着た)
となります。
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5. 次の英文のうち、文法的に正しいものをあるだけ選べ。
a. He depended on Mary.
b. He depended Mary on.
c. He depended on her.
d. He depended her on.
解答
○a. He depended on Mary.
×b. He depended Mary on.
○c. He depended on her.
×d. He depended her on.
解説
まず depend on が熟語かどうか調べます。辞書を引きましょう。するとジーニアスだと、熟語のコーナーには載ってないですね。
でも実は、depend の最初に載っています。
① SV on[upon] O <事が>O<人・物・事>次第である
② SV on[upon] O <人が>[…を]O<人など>(の支持・援助)に頼る
と書いてあります。
問題文の場合、Sが人なので
② SV on[upon] O <人が>[…を]O<人など>(の支持・援助)に頼る
こっちの使い方だと分かります。で、このこれが書いてある部分を良く見ると、この
depend は「
自動詞」であると書いてあります。
つまり
depend on は、4のput on とは違って(他動詞+副詞)ではないのです。
では、(自動詞+副詞)か?
いえいえ違います。
on のあとにちゃんと 名詞があります。
つまり
前置詞+名詞
on + mary
on + her
という具合になっているのです。
まとめれば
自動詞+
前置詞+
名詞
なのです。(「自動詞+
副詞+名詞」←これはありえないのです)
自動詞+
前置詞+
名詞 ←
この場合は、名詞は「普通の名詞」でも「代名詞」でも関係ありません。
まとめましょう
自動詞+前置詞の場合
○ 自動詞 + 前置詞 + 普通の名詞
× 自動詞 + 普通の名詞 + 前置詞
○ 自動詞 + 前置詞 + 代名詞
× 自動詞 + 代名詞 + 前置詞
です。
したがって解答は
○a. He
depended on Mary.(彼はメアリーに頼っている)
×b. He
depended Mary
on.
○c. He
depended on her.(彼は彼女に頼っている)
×d. He
depended her
on.
となります。
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6. 次の英文のうち、文法的に正しいものをあるだけ選べ。
a. He took off his coat.
b. He took his coat off.
c. He took off it.
d. He took it off.
解答
○a. He took off his coat.
○b. He took his coat off.
×c. He took off it.
○d. He took it off.
解説
まず take off が熟語かどうか調べます。辞書を引きましょう。するとtake off はちゃんと熟語のコーナーに載っています。というか、3の問題で調べてあるはずです。
ジーニアスなら
[
自](…へ向かって/…から)<飛行機などが>離陸する
[
他] <衣類・靴などを>脱ぐ
と書いてあります。
まず、[自]なのか[他]なのかを判断します。今回は
his coat や it といった「目的語」らしいものがあります。したがって、
[
他] <衣類・靴など>を脱ぐ
のケースなのです。
つまり、今回はtake off は「(他動詞+副詞)のケース」の熟語なのです。この問題の3では「(自動詞+副詞)のケース」を扱いましたが、この6は「(他動詞+副詞)のケース」なのです。ここまでいいですか
なので、この問題は4と全く同じです。
他動詞+副詞の場合
○ 他動詞 + 副詞 + 普通の名詞
○ 他動詞 + 普通の名詞 + 副詞
× 他動詞 + 副詞 + 代名詞
○ 他動詞 + 代名詞 + 副詞
というルールがあるのです。目的語が普通の名詞だったら、
副詞の右でも
他動詞と副詞の間
のどちらでも、目的語を置けます。
しかし、目的語が代名詞だったら
副詞の右は不可。
他動詞と副詞の間のみOK
というルールがあるのです。
したがって
○a. He
took off his coat.(彼は自分のコートを脱いだ)
○b. He
took his coat
off.(彼は自分のコートを脱いだ)
×c. He
took off it.
○d. He
took it
off.(彼はそれを脱いだ)
となります。
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こういう副詞の使い方は意外と習わないと思うのです。
知らないと意外と使いこなせないのです。知らなかったら、もしくは記憶が曖昧だったら、この機会にしっかりと使い方をマスターしてただければと思います。
いかがだったでしょうか? それではまた来週!
問題編
http://q-eng.com/diary/14159
参考:出典
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