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バレンタインの思ひ出(ぼろぼろ) 終章:突然の終わり そして運命
大好きな女の子にチョコをもらって有頂天の小学校低学年マジシャン。
もちろん恋のマジックへのタネは仕込み済みだ。
彼女の誕生日は、そう、3月14日、まさにホワイトデーなんだ。
僕の誕生日と1日違いでホワイトデーなんて・・と、運命を感じる小学生。
ホワイトデーのお返しと誕生日のプレゼントを兼ねてメモ帳とボールペンを買った。
メモ帳の1ページ目に、
「チョコレートありがとう!あと、誕生日おめでとう!」と書いておいた。
ラッピングもなく、商品包装のビニール袋のまま。
渡すタイミングが分からず、
なぜか掃除の時間に後ろから突然無愛想に押し付けた。
あとで他の女の子から、僕にお返しをもらったことを自慢してたと報告を受ける。
やった!僕は勝利したんだ!
その数週間後、彼女は登校してこなかった。
先生によると、父親の転勤で転校してしまったらしい。
何の連絡もなく唐突に訪れた別れ。
運命を感じたはずの小学生の甘い恋はチョコレートのように儚く溶けてしまった。
そして今に至るまで十数年をかけて、
僕と運命の人の距離はさらに24時間縮まった。
そう、今の恋人の誕生日は3月15日、僕と同じホワイトデーの次の日なんだ。
今年、ゴムベラを溶かして材料に混入させてしまう失態でバレンタインのプリンを台無しにした彼女は、
僕のモロゾフの逆チョコのお返しを誕生日に一緒にくれるに違いない。
終わり
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