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mouthbirdさんの日記

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2008年
03月26日
09:29 mouthbirdさん

大学入試ってどんな試験?(長文読解問題・英作文編)

大学入試のあらましをお伝えするシリーズの第4回(最終回)です。

本日は「長文読解問題」と「英作文」のお話です。

この中で「長文読解問題」こそ大学受験英語のメインです。大学受験英語は「長文読解問題対策」だけが学習目的、と言っても良いくらいです。



「長文読解問題」

まずは、3回前に示した長文問題画像をもう1回持ってきます。文字は見れないと思いますが、その長さだけ実感してください。



上記の画像は「センター試験の大問1問」です。

ここに行くとこの年のセンターの1年分を全問取得できます(pdfファイル)

出来れば、上記のリンクを見てその英文の長さを感じて欲しいと思います。ここで例に挙げている長文は、1番最後の「第6問」です



この第6問の全体を見て想像して欲しいことがあります。

 (1)あなたは(辞書なしで)この長文を読まなければなりません。

    後で「内容に関する意地悪な設問」が控えているため、正確に読まなければなりません。

    ・あなたはこの長文を読むのにどれくらい時間がかかりそうですか?

 (2)あなたは、この問題についている設問を全部解くのにどれくらいの時間がかかりそうですか?



想像しましたか? 何分ぐらい?

(1)だけで30分はかかりそうでしょうか? (2)で15分ぐらいはかかりそうだ、という感じでしょうか?



もしあなたが「(かつての私のような)英語が苦手な受験生」であれば、

(1)だけで40分はかかり、しかも、ところどころ誤読している。

(2)で20分は時間がかかり、しかも半分ぐらいは間違ってしまう。

という状態であると思います。(そもそもまともに読まないって話もありますがw、がんばって読んだ場合です)



しかし駿台予備校の問題集の記述に拠れば、標準(標準ですよ)的には『(1)+(2)で「20分」で解くように』とされています。

なぜ「たった20分が標準か」と申しますと、「他にも大問があるから」です。全部で6つの大問があるセンターの制限時間は80分。この「1つの長文問題だけに30分も、40分も時間をかけられない」のです。この問題以外にも難しい問題が5つもあり、そのうち1つは別の長文問題だからです。



では、どうやって対策をするかというと、「英文を、速く、正確に読めるようになるように、日々学習する」という具合になります。



そこで「どうやったら、英文を、速く、正確に読めるようになれるのか」…を考えなければならないですよね。

これは、簡単には述べることが出来ません。世の中では、それはそれはさまざまな方法が編み出されています

ゆくゆくは、このブログでさまざまな方法を紹介できればと思っています。

 ただ3つ言えることがあります。

 ・受験英語学習のメインは「長文読解問題対策」である。

 ・そのため「長文読解授業」が、学校や塾などでメインとなっている。

 ・読解経験が多いほど、速く、正確に読めるが、読解経験が乏しいほど、遅く、不正確にしか読めない。


ということです。少ない量で何とかしよう、としてもそうは問屋がおろしませんぜ! Ψ(`∀´)Ψ



なお、長文読解の設問は「意地悪」なものが多いですよ。\(`0´ )/=3 だ、だまされた!!!

ホントは今ここで例を挙げて紹介したいですが、あきらめます。字数が大量に必要だからw

後々の連載で意地悪な設問や、長文読解問題対策などを色々紹介したいと思います。(^^)









「英作文」

英作文は概ね、「(ノーマルな)英作文」、「条件英作文」、「自由英作文」の3種類あります。



「(ノーマルな)英作文」

ごく普通の、「次の日本語文を英語に直しなさい」という問題です。

例を挙げてみましょう。(「大矢英作文講義の実況中継」より引用)

・問題:「当時、満足な食事が出来る人は少ししかいなかった」という意味の英文を書きなさい。



これは色々バリエーションができます。









正答例をいくつか挙げます。

(1) In those days there were few people who could eat enough.

(2) People who could eat enough were rare in those days.

(3) The number of people who could eat enough was small in those days.

(4) Few people could eat enough in those days.



簡単に4つほど挙げました。まだまだ挙げられるかもしれません。

しかし、英語が得意な人でも、そうは簡単にこの種の正答は作れないものです。



例えば(1)のような英文をつくろうとして

 In those days there were few people who can eat enough.

にしてしまったり、(時制は過去でなければならない)

(3)のような英文をつくろうとして

 The number of people who could eat enough were few in those days.

としてしまったり、(number は 単数で、large, small を使って多い少ないを表す)

します。



出題問題は「そうは簡単に正しい英語を作れない」という日本語が出されます。

それが受験英語、というものです。



だから、「(ノーマルな)英作文問題」は単語、熟語、文法の多量な知識がないとできない大変難しい問題です。

ただ、出題大学は限られます。出さない大学のほうが多いでしょう。

ですが、難しい国立大学は2次試験で概ね出題されます。国立を狙う人はどこかできっちり演習をしなくてはいけません。

普通は、信用がある英語の先生に「採点」してもらう必要があると思います。なかなか自分では間違いに気付けない、また修正も難しいものです。

この「ノーマルな英作文」ですが、基本的には「出来なくてあたりまえ」と思え! と私は受験生時代に習いました。

当時の先生曰く、

「かなり英語ができる受験生でも、多かれ少なかれ間違いがあり、部分点がひかれるものだ。つまり差がつきにくい。完全正答なんてまず出来ないからそのつもりでいい。君たちはそのつもりで精一杯自力で正しいと思う英文を作りなさい」

だそうです。






「条件英作文」

ノーマルな英作文(この日本語を英語にしなさい)というものではなく、ちょっとした条件がつきます。

これは、「(ノーマルな)英作文」が、あまりに採点が困難なために編み出された、という感じの問題です。



例を挙げてみましょう。



・日本文を、指定の語数で英語に訳しなさい。ただし【   】の中に与えられた語を、そのままの順序で、形を変えずに用いなさい

  ボタンを押し間違えないように気をつけなさい。(8語)

   【careful/to/push】



やってみてください。全体で単語数が8語でなければならないのですよ! 順番もこの順で。Ψ(`∀´)Ψ









解説: 「気をつけなさい」は、命令形だから、⇒be careful

   「~しないように」は今回は否定の不定詞を使って⇒ not to

   「押さないように」だと、まとめて⇒ not to push

   「間違ったボタンを押す」は⇒ push the wrong button

正解:Be careful not to push the wrong button.



いかがでしたでしょうか? 難しかったでしょうか? これも意外と多くの単語、熟語、文法の知識を要求されます。

ちなみにこの「語数指定形式の条件英作文」は少し前まで早稲田の法学部で30年以上も伝統的に出されてきた問題でした。

ですが、数年前になくなってしまいましたね…。









「自由英作文」

近年(ここ10年ぐらい)の流行はこれです。国立はもちろん私立でも出題する大学、学部が多くなりました。

自由英作文とは、与えられたテーマにそって、自由に英語を書く問題を言います。

例えば次のような問題を言います。



あなたが最も好きな季節はなんですか? それについて50~80後程度の英文を書きなさい。



あなたならどう書きますか?

例えば

 I like summer best.

これだけで終わりにしますか? これだけでは字数が足りないのはもちろんのこと、ものすごく味気ないですよね。

自由英作文の場合は、採点官に「アピール」しなければならないのです。



例えば、↓次のような内容ではいかがでしょうか?



(日本語で書きますが)「私が一番好きな季節は夏です。夏であれば日が長ため、ハイキングなどの、日中でしか楽しめないことが出来るからです。私は日中に楽しむ活動が好きなので、夏を他の季節より好みます」



といった感じです。いかがですか? 説得力があると思いませんか? こういった「英文」を書かなければならないわけです。

このとき英文の文法的な間違い、スペルミスは、あまり問題にならない、と言われます(そりゃあひどいのは問題外ですがw)。それよりも採点官に、どのように内容でアピールするか、説得力があるか? のほうが採点基準になります。



対策としては、基本的には練習しかないでしょう。ただ、これこそ、通常は一人では学習し難いものだと思います。どうあっても誰か信用がある英語の先生などに採点を頼む必要があると思います。できればネイティブの先生が良いですね。

だから、自由英作文が必ず出題される大学を受験される受験生は、必ず信用ある先生について見てもらう必要があると思います。






いかがだったでしょうか?

4月からいよいよ本格的に受験生になる皆さんは、以上を念頭において学習されてみてはと思っています。

ではまた来週~★

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コメント

1番~10番を表示

2008年
03月26日
11:38
fliszts541さん

いよいよ受験生になる者です。こんばんは^^

上の長文の量なら本当に15分くらいで解かないとセンターは解ききれないかもしれないですね。。。

本当にスピードが命になってくるので反射的に問題の意図が分かるようにならないと・・・



>>採点官に、どのように内容でアピールするか、説得力があるか? のほうが採点基準

高校受験では良く「減点方式だから文法・スペルミスだけはしないように簡単な文章で書け」と良く言われました。大学受験ではプラス「説得力」が必要なんですね。こっ,これは日本語能力が問われる・・・w



うげー

2008年
03月26日
11:52
mouthbirdさん

>fliszts541さん

 例で挙げたセンターの第6問は2005年の問題です。昨年はこれより長く、また物語文から評論文へと代わりました。君は英語が得意だから大丈夫だとは思いますが、苦手な人はさらに読みにくくなった上、長くなった分だけ速く読むのが困難になったと思います。

 採点官にアピールする必要があるのは「自由英作文の場合」だけです。「普通のノーマルの英作文」は依然として「減点方式」です。逆に自由英作文はおっしゃるとおり加点方式で、こちらはある意味「小論文」の要素が加わってくると思います。ご参考に。

2008年
03月26日
14:03
MuscleMagicianさん

苦手な人の気分になってみると、ヘドが出そうですね。笑

あの分量の「数式や記号」が並んでると考えると、数学の嫌いな僕は嫌になるでしょう。



僕は英語が好きだったのでセンターぶっつけ本番でも何とも感じなかったですが。

今は地獄のTOEICの効果か、「大問、たった6問か」という感じです(・ω・)



「センター試験2年分を通しで時間内に解く」みたいな苦行を行うと本番精神的に楽かも・・とか思ったり。

2008年
03月26日
14:52
mouthbirdさん

>Muscle Magicianさん

おお! Muscle Magicianさんの意見にとてもびっくりしました! 英語好きな人が、「英語を自分の数学に当てはめて考えてくださったのを見た」のはあなたが初めてです(^^) わたしゃ年がら年中言ってますがw

TOEICは概ね英語に興味がある方が受ける反面、大学受験は英語を親の敵のように思う人間も解かなければなりません。おっしゃるとおり、嫌いなものの羅列が続くので、嫌いな人は大変なのです。

TOEICの問題量から見ると確かに少なく見えるかもしれませんね。ただTOEICとはいろんな意味で性質が違うと思います。受験英語では長文問題で「サーチ」という手がまず使えません。隅から隅まで正確に読むので大変ではないかと思っています。まあ、得意な人は出来てしまうのですけどね。

2008年
03月27日
07:18
MuscleMagicianさん

スキミングできそうなのになんでダメなのかなぁーと思って軽く解いてみたんですが、

Bのとこに8個中3個しか正解のない問題があるからですね(なつかしー!笑

これだと確かに達人でも最低ナナメ読み程度はしておかないと辛そうです。

設問先読みして該当しそうな本文の周りに「●●の気持ち」とか「なぜ~した?」とかメモっとくと良さそう。。



そういえば英語の時にどうしてたかは忘れましたけど、

国語のときはそうやってから確かに全文読んでました。

それと同じ感じでしょうか(・ω・)・・・



受験生のみんながんがれー(・Д・)/

2008年
03月27日
08:47
mouthbirdさん

>Muscle Magicianさん

センターのみならず、受験英語の長文問題はできるだけそうしたサーチができないように工夫して作ることが多いのです。センターは今年はがらっと傾向が変わり、よりその手が使いにくくなってます。

ただし、今年は別の大問でTOEICのビジュアル問題のような問題が出現しました。TOEICの影響が大きいことは否めないでしょう。もっともTOEICの影響があったはセンターだけですから、二次試験や私大には関係ないんですけどね。。。

2008年
03月30日
14:22
さん

7:

HARUTI のコメント:
私は共通1次世代で、約90問を、100分でとくことが要求されました。現在は、60問程度で80分、内容も軟化傾向にあるようです。それでも、何問かは、満点防止の対策で、難しい設問があるようです。でも、スピードの面では、私たちの世代のほうが要求されたレベルが高かったように思われます。あの最後の長文ラッシュは、十分対策をつんだものでないと乗り越えられなかったと思われます。私の経験では(70点から192点へ躍進した)、最初の5行で、本文の内容が分かる文が多いので、それを読んで、次に設問を読み、何が問われているかというキーワードをその設問から見つけ(たとえば、人名や地名、年代など)その部分が出てきたら丁寧に読む。そして選択文と比較して、消去法で、絶対消せない選択肢を選ぶという方法でした。この方法で、夏以降の共通1次対策模試で、長文問題は、1問も間違うことなく、全問正解を果たしました。テキパキとやれば、2度読みすることなく、効率的に正解を本文から見つけられました。本番で、30分ほど時間を余した覚えがあります。

また、長文と言っても1文1文の積み重ねですので、精読も必要です。私大によっては、選択肢の文が非常に微妙な違いのものが出題されます。どう違うかは、語彙力・文法力・読解力を総動員して、はっきりと認識して、本文により近い方を選ぶ。その確信度は、精読をした回数で深まると思います。速読と精読のコンビネーションをうまく織り交ぜる訓練が必要です。私の場合、予備校のテキストの和訳をノートに書き、知らない単語を書き出し、辞書で調べ、その派生語もついでに調べまとめる(精読の訓練)。その後、それを1日10回毎日欠かさず音読と黙読をする。共通1次が終わり、私立も終わった時期に、そのテキストの英文を1日50往復黙読し、時間を計る。日ごとその時間が短くなるうちに、その中の表現も完全に自分の体に染み付き、国立の英作文を楽に乗り越えられたのを覚えています。英語はそれだけやれば、能力に関わらず誰でも伸びるものです(私の場合、高3の5月の模試が200点満点の16点殻のスタートです)。英語の勉強は、「身につくまで繰り返す。あきらめるのはもったいない」という方針でやれば必ず伸びます。

2008年
04月02日
16:13
mouthbirdさん

>HARUTIさん

お返事が遅れました。申し訳ありません。

共通1次世代の方のご意見ありがとうございます。共通1次は私はギリギリかぶらなかった世代です。過去問では解きましたけれども…



今の受験生は、精読や訳例作りといった作業をないがしろにする傾向があります。軟化の所為と無関係ではないでしょう。

つい最近までのセンターの傾向は論説文軽視、物語文重視、といったものでした。物語文での設問はそれなりにひねくれたものが多く、解き難いものでした。ただし、単語レベルは低いので、その意味では易しいと言えると思います。

しかし、今年のセンターで、物語文が消え、論説文が復活しました。おそらく来年もこの傾向になるでしょう。単語レベルも上がるでしょう。また論説文が苦手な受験生も多く、長文も長くなるでしょう。その点で「難化傾向」と言えるのではないでしょうか?



それを踏まえると、HARUTIさんの書き込まれた内容は、今の受験生にぜひ読んで欲しいような内容だと思いました。

コメントありがとうございました。m(_ _)m

2008年
07月04日
15:20
さん

9:

amytaku のコメント:
(2) People who could not eat enough were rare in those days.  は間違いでしょう。 People who could eat enough were rare in those days. ですね。

2008年
09月08日
07:32
mouthbirdさん

>amytakuさん

どうもご無沙汰してます。

Σ( ̄□ ̄)! あれ!ホントだ!

今頃気がつきました。。ご指摘ありがとうございました。

かなり遅くなりましたが、修正いたしました。

m(_ _)m

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