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大学入試ってどんな試験?(長文読解問題・英作文編)
大学入試のあらましをお伝えするシリーズの第4回(最終回)です。
本日は「長文読解問題」と「英作文」のお話です。
この中で「長文読解問題」こそ大学受験英語のメインです。大学受験英語は「長文読解問題対策」だけが学習目的、と言っても良いくらいです。
●「長文読解問題」
まずは、3回前に示した長文問題画像をもう1回持ってきます。文字は見れないと思いますが、その長さだけ実感してください。
上記の画像は「センター試験の大問1問」です。
ここに行くとこの年のセンターの1年分を全問取得できます(pdfファイル)
出来れば、上記のリンクを見てその英文の長さを感じて欲しいと思います。ここで例に挙げている長文は、1番最後の「第6問」です
この第6問の全体を見て想像して欲しいことがあります。
(1)あなたは(辞書なしで)この長文を読まなければなりません。
後で「内容に関する意地悪な設問」が控えているため、正確に読まなければなりません。
・あなたはこの長文を読むのにどれくらい時間がかかりそうですか?
(2)あなたは、この問題についている設問を全部解くのにどれくらいの時間がかかりそうですか?
想像しましたか? 何分ぐらい?
(1)だけで30分はかかりそうでしょうか? (2)で15分ぐらいはかかりそうだ、という感じでしょうか?
もしあなたが「(かつての私のような)英語が苦手な受験生」であれば、
(1)だけで40分はかかり、しかも、ところどころ誤読している。
(2)で20分は時間がかかり、しかも半分ぐらいは間違ってしまう。
という状態であると思います。(そもそもまともに読まないって話もありますがw、がんばって読んだ場合です)
しかし駿台予備校の問題集の記述に拠れば、標準(標準ですよ)的には『(1)+(2)で「20分」で解くように』とされています。
なぜ「たった20分が標準か」と申しますと、「他にも大問があるから」です。全部で6つの大問があるセンターの制限時間は80分。この「1つの長文問題だけに30分も、40分も時間をかけられない」のです。この問題以外にも難しい問題が5つもあり、そのうち1つは別の長文問題だからです。
では、どうやって対策をするかというと、「英文を、速く、正確に読めるようになるように、日々学習する」という具合になります。
そこで「どうやったら、英文を、速く、正確に読めるようになれるのか」…を考えなければならないですよね。
これは、簡単には述べることが出来ません。世の中では、それはそれはさまざまな方法が編み出されています。
ゆくゆくは、このブログでさまざまな方法を紹介できればと思っています。
ただ3つ言えることがあります。
・受験英語学習のメインは「長文読解問題対策」である。
・そのため「長文読解授業」が、学校や塾などでメインとなっている。
・読解経験が多いほど、速く、正確に読めるが、読解経験が乏しいほど、遅く、不正確にしか読めない。
ということです。少ない量で何とかしよう、としてもそうは問屋がおろしませんぜ! Ψ(`∀´)Ψ
なお、長文読解の設問は「意地悪」なものが多いですよ。\(`0´ )/=3 だ、だまされた!!!
ホントは今ここで例を挙げて紹介したいですが、あきらめます。字数が大量に必要だからw
後々の連載で意地悪な設問や、長文読解問題対策などを色々紹介したいと思います。(^^)
●「英作文」
英作文は概ね、「(ノーマルな)英作文」、「条件英作文」、「自由英作文」の3種類あります。
「(ノーマルな)英作文」
ごく普通の、「次の日本語文を英語に直しなさい」という問題です。
例を挙げてみましょう。(「大矢英作文講義の実況中継」より引用)
・問題:「当時、満足な食事が出来る人は少ししかいなかった」という意味の英文を書きなさい。
これは色々バリエーションができます。
正答例をいくつか挙げます。
(1) In those days there were few people who could eat enough.
(2) People who could eat enough were rare in those days.
(3) The number of people who could eat enough was small in those days.
(4) Few people could eat enough in those days.
簡単に4つほど挙げました。まだまだ挙げられるかもしれません。
しかし、英語が得意な人でも、そうは簡単にこの種の正答は作れないものです。
例えば(1)のような英文をつくろうとして
In those days there were few people who can eat enough.
にしてしまったり、(時制は過去でなければならない)
(3)のような英文をつくろうとして
The number of people who could eat enough were few in those days.
としてしまったり、(number は 単数で、large, small を使って多い少ないを表す)
します。
出題問題は「そうは簡単に正しい英語を作れない」という日本語が出されます。
それが受験英語、というものです。
だから、「(ノーマルな)英作文問題」は単語、熟語、文法の多量な知識がないとできない大変難しい問題です。
ただ、出題大学は限られます。出さない大学のほうが多いでしょう。
ですが、難しい国立大学は2次試験で概ね出題されます。国立を狙う人はどこかできっちり演習をしなくてはいけません。
普通は、信用がある英語の先生に「採点」してもらう必要があると思います。なかなか自分では間違いに気付けない、また修正も難しいものです。
この「ノーマルな英作文」ですが、基本的には「出来なくてあたりまえ」と思え! と私は受験生時代に習いました。
当時の先生曰く、
「かなり英語ができる受験生でも、多かれ少なかれ間違いがあり、部分点がひかれるものだ。つまり差がつきにくい。完全正答なんてまず出来ないからそのつもりでいい。君たちはそのつもりで精一杯自力で正しいと思う英文を作りなさい」
だそうです。
「条件英作文」
ノーマルな英作文(この日本語を英語にしなさい)というものではなく、ちょっとした条件がつきます。
これは、「(ノーマルな)英作文」が、あまりに採点が困難なために編み出された、という感じの問題です。
例を挙げてみましょう。
・日本文を、指定の語数で英語に訳しなさい。ただし【 】の中に与えられた語を、そのままの順序で、形を変えずに用いなさい
ボタンを押し間違えないように気をつけなさい。(8語)
【careful/to/push】
やってみてください。全体で単語数が8語でなければならないのですよ! 順番もこの順で。Ψ(`∀´)Ψ
解説: 「気をつけなさい」は、命令形だから、⇒be careful
「~しないように」は今回は否定の不定詞を使って⇒ not to
「押さないように」だと、まとめて⇒ not to push
「間違ったボタンを押す」は⇒ push the wrong button
正解:Be careful not to push the wrong button.
いかがでしたでしょうか? 難しかったでしょうか? これも意外と多くの単語、熟語、文法の知識を要求されます。
ちなみにこの「語数指定形式の条件英作文」は少し前まで早稲田の法学部で30年以上も伝統的に出されてきた問題でした。
ですが、数年前になくなってしまいましたね…。
「自由英作文」
近年(ここ10年ぐらい)の流行はこれです。国立はもちろん私立でも出題する大学、学部が多くなりました。
自由英作文とは、与えられたテーマにそって、自由に英語を書く問題を言います。
例えば次のような問題を言います。
・あなたが最も好きな季節はなんですか? それについて50~80後程度の英文を書きなさい。
あなたならどう書きますか?
例えば
I like summer best.
これだけで終わりにしますか? これだけでは字数が足りないのはもちろんのこと、ものすごく味気ないですよね。
自由英作文の場合は、採点官に「アピール」しなければならないのです。
例えば、↓次のような内容ではいかがでしょうか?
(日本語で書きますが)「私が一番好きな季節は夏です。夏であれば日が長ため、ハイキングなどの、日中でしか楽しめないことが出来るからです。私は日中に楽しむ活動が好きなので、夏を他の季節より好みます」
といった感じです。いかがですか? 説得力があると思いませんか? こういった「英文」を書かなければならないわけです。
このとき英文の文法的な間違い、スペルミスは、あまり問題にならない、と言われます(そりゃあひどいのは問題外ですがw)。それよりも採点官に、どのように内容でアピールするか、説得力があるか? のほうが採点基準になります。
対策としては、基本的には練習しかないでしょう。ただ、これこそ、通常は一人では学習し難いものだと思います。どうあっても誰か信用がある英語の先生などに採点を頼む必要があると思います。できればネイティブの先生が良いですね。
だから、自由英作文が必ず出題される大学を受験される受験生は、必ず信用ある先生について見てもらう必要があると思います。
いかがだったでしょうか?
4月からいよいよ本格的に受験生になる皆さんは、以上を念頭において学習されてみてはと思っています。
ではまた来週~★
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