英語学習にまつわるさまざまな「妄想」を紹介してきたが、今回は私の友人から聞いた、おそらく一番ひどい実話を紹介したい。
「A子(仮名)はね、1カ月英会話スクールに通えば、英語がペラペラになるって本気で信じてたわよ」
友人からそう聞いたとき、私は我が耳を疑った。
なんでも、そのA子さんは次のようなロジックを信じきっていたらしい。
・学校の英語教育がダメだから私は英語が喋れない
・日本人の英語教師から習っているから英語が喋れない
・ネイティブに英語を習えば、すぐに英語がペラペラになれる
そして、彼女が導き出した結論がこうだようだ。
「だったら、ネイティブが先生の英会話学校に通えば、すぐに英語がペラペラになるはずだ!」
そして、英会話学校に通ったのだそうだ(1カ月だけ)。
では、その英会話学校はどういうものだったのか?
・週に1回のレッスン
・1回につき2時間
・合計たったの1カ月(全4回)
これで「英語がペラペラになる」と信じていたというのだから驚きである。
結果は言うまでもまい。1カ月後、A子さんがペラペラになることは微塵もなかったそうである。
当然、周囲の友人たちから「そんなわけないだろ」とさんざんいじられ、馬鹿にされたA子さん。しかし、ここで彼女の「妄想」はさらに加速する。
「……じゃあ、海外に留学すればいいんでしょ!」
お金をどう工面したのかは定かではないが、A子さんは資金をかき集め、意気揚々と海外へ飛び立ったらしい。
その結末は――。
友人いわく、こうだ。
「A子は半年も経たないうちに日本に帰ってきたわよー。英語? うーん、喋れるようになったところなんて見たことないわー」
……見事なまでの自滅劇である。
私は日頃からこう考えている。
「海外語学留学して英語がものになる日本人は、留学前にすでに英検2級程度の基礎力がないと、まず無理である」
A子さんは、基礎的な英語力がないにもかかわらず、「海外に行けば、誰でも自然に英語が喋れるようになりますよー」という甘い言葉を並べる(悪質な)留学斡旋業者や、都合の良い広告にまんまと踊らされてしまったのだろう。
基礎力もないのに、「環境さえ変えれば英語はすぐに話せるようになる」と【妄想】しまった代償は、あまりにも高いと思われる。
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