smart.fm で更新してきた、旧チャンネルブログの文法問題をお届けします。
今週は解答編です。参加して下さった方、ありがとうございました。
では先週の問題の解答と解説に参ります。
問題:次の英文の( )に必ず1単語を入れて、意味が通る英文を完成させる場合、
選択肢の中から正しいものを【あるだけ】選びなさい。
①He isn't the man( )he was.
a. who b.whom c.which d.that
②Kyoto isn't the city( )it was.
a. who b.whom c.which d.that
解答:①d.that ②d.that
解説:両方とも
that しか使えません。このルールを簡単に言うと
・
補語がない場合の関係代名詞は、先行詞が「人」であれ「物」であれ、that しか使えない
というものになります。
1つ1つ見ていきましょう。
①He isn't the man( )he was.
a. who b.whom c.which d.that
先行詞は the man で 人ですね。この段階で c.which は外れます。
そのほかの用法を確認しましょう。
・関係代名詞の who は正式には「主格」で使うものです。
「主格」というのは、関係詞の問題をやる場合、関係詞の右側の部分に主語がないケースです。
例
He isn't the man who lives in the house.
(彼はその家に住んでいる男ではない)
who の右を見ると "lives in the house" ←この部分に主語がないの分かりますでしょうか?
"lives in the house" は「その家に住んでいる」とだけ書かれていて、誰が住んでいるのか書かれていないのです。
例えば
Taro lives in the house.(太郎がその家に住んでいる)
みたいに、lives の左に、人名や、he とか she とか、そういうのが欲しいのです。この部分を主語と言います。
ですが、"lives in the house" だけだと主語がない、という状態になります。
このように 関係詞の右側に主語がない場合で、先行詞が人の場合は who になります。
またこのように、関係詞の右側に主語がない場合で、先行詞が人の場合は who の代わりに that も使えます。
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・関係代名詞の whom は正式には「目的格」で使うものです。
「目的格」というのは、関係詞の問題をやる場合、関係詞の右側の部分に目的語がないケースです。
例
He isn't the man whom she loves.
(彼は彼女が愛している男ではない)
whom の右を見ると "she loves" ←この部分に目的語がないの分かりますでしょうか?
"she loves" は「彼女は を愛している」とだけ書かれていて、誰を愛しているのか書かれていないのです。
例えば
she loves Taro.(彼女は太郎を愛している)
みたいに、loves の右に、人名や物の名前、あるいはhim とか you とか it とか、そういうのが欲しいのです。この部分を目的語と言います。
ですが、"she loves" だけだと目的語がない、という状態になります。
このように 関係詞の右側に目的語がない場合で、先行詞が人の場合は whom になります。
ただし、口語では who も許容される、ということに現在は成っています。
またこのように、関係詞の右側に目的語がない場合で、先行詞が人の場合は whom の代わりに that も使えます。
中学校の場合、この目的格の場合で先行詞が 人 の場合、that が推奨されるケースが多いです。
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では今回のケースを見てみましょう。
①He isn't the man( )he was.
( ) の右を見ると "he was" ←この部分に補語がないの分かりますでしょうか?
"he was" は「彼は だった」とだけ書かれていて、「何」だったのか書かれていないのです。
例えば
he was a student.(彼は学生だった)
みたいに、was の右に、何らかの存在、tall とか strong とか、そういうのが欲しいのです。be 動詞の場合の右側の部分は補語と言います。
ですが、"he was" だけだと補語がない、という状態になります。
実はこのように
関係詞の右側に補語がない場合は、先行詞が人だろうと物だろうと that になります。
今回は the man で「人」ですが、仮に「物」でも that しか使えません。
したがって、that しか正解はありません。
この↓英文、意外と訳例にてこずりますよ。
①He isn't the man that he was.
(彼は以前の彼ではない)
という意味になります。
ただ、実際はこの英文は多くの場合
→He isn't what he was.
という風に what で表現されます。この場合 the man that = what と置き換えます。
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②Kyoto isn't the city( )it was.
この英文も①と同様、( ) の右を見ると "it was" ←この部分に補語がないの分かりますでしょうか?
"it was" は「それは だった」とだけ書かれていて、「何」だったのか書かれていないのです。
実はルール的には①の問題と同じでした。
関係詞の右側に補語がない場合は、先行詞が人だろうと物だろうと that になります。
今回は the city で「物」ですが、仮に「人」でも that しか使えません。
したがって、that しか正解はありません。
この↓英文、意外と訳例にてこずりますよ。
②Kyoto isn't the city that it was.
(京都は以前の京都ではない)
という意味になります。
ただ、実際はこの英文は多くの場合
→Kyoto isn't what it was.
という風に what で表現されます。この場合 the city that = what と置き換えます。
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広範囲に代用が利く that ですが、このように【
補語がない場合の関係代名詞として使えるのは that しかない】のです。
残念なことに、普通この知識は教わらないことが多いのです。
いかがだったでしょうか? それではまた来週!
問題編
http://q-eng.com/diary/23318
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