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時間に関するエトセトラ(解答編)
こんにちは。旧チャンネルブログの流れを汲む日記の水曜日がやってきました。
今週は問題編です。
今回は「時間に関するエトセトラ」と題したものでした。問題にチャレンジしてくださった皆様、ありがとうございました。m(_ _)m
解答に先駆けて、1つ大事な文法を説明させてください。それは、
「時、条件を表す副詞節は未来のことでも現在時制で書く」
という文法です。
例(総合英語 Forest p64 より例文を引用)
× The bird will fly south when winter will come.
○ The bird will fly south when winter comes.
冬はまだ来ていませんが、「冬が来たとき」というところに「will」を入れてはいけません。一方、「鳥は南に飛ぶだろう」のほうには will をつけます。
「when SV~」が未来のことを指す場合、will をいれず、現在時制で表します。
よろしいでしょうか?
では解答と解説に行きましょう!(以下(問題も含めて)、参考文献・「[熟語・構文中心]頻出問題わかりすぎる!」 井川治久著 学研)
(1)「豊島区役所までどれくらいかかりますか?」「歩いて10分です」
“How long does it ( ) to go to the Toshima Ward Office?” “It ( ) ten minutes on foot.”
(2)間も無く彼女は舞台に復帰するだろう。
( )long she will came back to the stage.
=It will not be long ( ) she ( ) back to the stage.
(3)父が亡くなって10年になる。
It has been ten years ( ) my father ( ) away.
=It is ten years ( ) my father ( ) away.
(4)父が死んでから10年が過ぎた(※実は(3)と同意)
Ten years ( )( )( )( ) my father died.
=Ten years ( )( )( ) my father died.
=My father ( )( )( )( ) ten years.
(5) 10時になってやっと彼らは出発した。
It was ( )( ) 10 o'clock that they started.
=( )( )10 o'clock did they start.
(6)もう新しい電子レンジを買ってもよい頃です。
It is about time we ( ) a new microwave oven.
=It's about time ( )( ) to buy a new microwave oven.
(7)パーティが終わる頃には、夜が明けていることだろう。
( )( )( ) the party ( ) over, the day will have broken.
模範解答
(1)「豊島区役所までどれくらいかかりますか?」「歩いて10分です」
“How long does it (take ) to go to the Toshima Ward Office?” “It (takes) ten minutes on foot.”
(2)間も無く彼女は舞台に復帰するだろう。
(Before)long she will come back to the stage.
=It will not be long (before) she (comes) back to the stage.
(3)父が亡くなって10年になる。
It has been ten years (since) my father (passed) away.
=It is ten years (since) my father (passed) away.
(4)父が死んでから10年が過ぎた(※実は(3)と同意)
Ten years (have)(gone)(by)(since) my father died.
=Ten years (have)(passed)(since) my father died.
=My father (has)(been)(dead)(for) ten years.
(5) 10時になってやっと彼らは出発した。
It was (not)(until) 10 o’clock that they started.
=(Not)(until)10 o’clock did they start.
(6)もう新しい電子レンジを買ってもよい頃です。
It is about time we (bought) a new microwave oven.
=It’s about time (for)(us) to buy a new microwave oven.
(7)パーティが終わる頃には、夜が明けていることだろう。
(By)(the)(time) the party (is) over, the day will have broken.
これは問題編の例題に近い問題です。「(人が)~するのに【時間】かかる」
it takes (人)時間+to do ~
これは it が to 以下を指すのです。問題文には(人)が入っていませんが、入る場合もあります。知っていましたか? 実は辞書で take を引くと、ちゃんと説明が書いてあるのですよ。詳しくは辞書などでご確認くださいね。
したがって、答えは、take, takes です。
(2)間も無く彼女は舞台に復帰するだろう。
(Before)long she will come back to the stage.
=It will not be long (before) she (comes) back to the stage.
実は
・「before long」で、「まもなく」という意味の熟語
・「It is not long before」で「まもなく」という意味の熟語
なんです。こうした熟語は辞書を引けば、ちゃんと書いてあるものです。例えば、ジーニアスなら、before long は long の説明欄のどこかに、it is not long before ならば、before の説明欄のどこかに書いてあります。
2つ注意があります。
・it is not long before は現在時制の形です。
これが例えば「(未来において)まもなく~だろう」という意味であれば、
↓
it will not be long before
という形にします。今回の問題は、これになります。
・it will not be long before の直後の「S+V~」は未来のことでも現在時制にします。
なぜだか分かりますよね? 今回の最初でこう↓解説しました。
「時、条件を表す副詞節は未来のことでも現在時制で書く」
という、文法の所為なのです。
したがって↓
It will not be long (before) she (comes) back to the stage.
come は comes と現在形にしてあげます。
(3)父が亡くなって10年になる。
It has been ten years (since) my father (passed) away.
=It is ten years (since) my father (passed) away.
これは、熟語というか、以下の決まりきった形があります。
It has been +時間A+since+B+「動詞の過去形」+~
=It is 時間A+since+B+「動詞の過去形」+~
「Bが~して以来Aになる」
※「動詞の過去形」の代わりに「現在完了形」が使われることもある。
これを使うだけでした。
これは「(現在までに)…(の時間)が経過した」という言い回しで覚えたい表現です。
(4)父が死んでから10年が過ぎた(※実は(3)と同意)
Ten years (have)(gone)(by)(since) my father died.
=Ten years (have)(passed)(since) my father died.
=My father (has)(been)(dead)(for) ten years.
実はこれも熟語というか、以下の決まりきった形があります。
時間A + have gone by +since + B +「動詞の過去形」
=時間A + have passed +since + B +「動詞の過去形」
「Bが~して以来Aが過ぎた」
これを使うだけでした。でも3つ目の問題はまだ解けない。
実は、辞書でジーニアスを使っている人は、3つ目の問題は解くことが容易でした。
pass を引くとこのあたりの書き換えのパターンが
↓このように書いてあるのです。
Five years have passed since she died.(彼女が死んでから5年が過ぎた)
=She has been dead for five years.
これを当てはめればよかったのです。
ちなみに
×She has been died for five years.
×She has died for five years.
です。「for +時間」と使う場合、「have be+形容詞 にしないといけない」ようです。
ところで、
時間A + have gone by +since + B +「動詞の過去形」
=時間A + have passed +since + B +「動詞の過去形」
ですが
時間Aが 複数でも
時間A + has gone by +since + B +「動詞の過去形」
=時間A + has passed +since + B +「動詞の過去形」
と、has にすることが可能です。どうやら、「時間A」を「1つの塊」と捕らえる意識を持つことが可能なようです。(今回調べて分かりました)
したがって
Ten years (has)(gone)(by)(since) my father died.
=Ten years (has)(passed)(since) my father died.
も正解です。
(5) 10時になってやっと彼らは出発した。
It was (not)(until) 10 o’clock that they started.
=(Not)(until)10 o’clock did they start.
これも慣用表現です。
It was not until「A」+ that +SV~
=Not until「A」+「助動詞」+主語+「動詞の原形」~
「「A」になって初めて~した」
というコテコテの表現があります。これを使うだけです。
気をつけたいのが下のほうの形です。
Not until「A」+「助動詞」+主語+「動詞の原形」~
↑この下線部の部分が不気味です。
助動詞といっても、(could や would が使われている場合はそれを移動させればよいのですが、そうではない場合)、<過去時制ならば⇒did>、「現在時制なら⇒do や does」を主語の手前に持ってくるのです。
なぜそうなるか、というとこれは「否定倒置」という文法のルールの所為です。(もっとも今回は否定倒置は説明が長くなるため省略します。今回はこの決まりきった形だけを覚えてもらえればと思います)
(6)もう新しい電子レンジを買ってもよい頃です。
It is about time we (bought) a new microwave oven.
=It’s about time (for)(us) to buy a new microwave oven.
これも決まりきった形です。
It is about time (that) +A+「動詞の過去形」+~
=it is about time for +目的格A+to 動詞の原形 +~
「Aが~するときである」「Aが~してもよい頃である」
という表現なのです。(that)は省略可。
実は
It is about time (that) +A+「動詞の過去形」+~
は、仮定法の勉強をするときに習う表現の1つです。仮定法を学んだ方はできないといけません。
ここで、プラスアルファ!
実は、同じ意味のさらに別の表現があります
It is about time (that) +A+(should)+原形動詞 ~
(should)は省略可。
これは意外に知られていません。ですが、ロイヤル英文法(p560)にはちゃんと説明があります。
Isn't it time a new refrigerator (should) be bought?
(新しい冷蔵庫を買うべきじゃないの?)
と記載されています。
したがって、
It is about time we (buy) a new microwave oven.
も正解です。このbuy は、現在形ではなく、原形です。
(7)パーティが終わる頃には、夜が明けていることだろう。
(By)(the)(time) the party (is) over, the day will have broken.
これも解説としては「決まり文句」です。
by the time + S V ~ 「SがVすることまでに(は)」
という表現があります。これを当てはめるだけです。辞書や参考書によっては「by the time」を、3語で1つの接続詞(when~みたいなもの)としています。
この表現には1つ注意があります。
例の↓これです。
「時、条件を表す副詞節は未来のことでも現在時制で書く」
by the time + S V ~
↑この V が未来の場合でも、現在時制で書くのです。
したがって
(By)(the)(time) the party (is) over, the day will have broken.
と、動詞は現在時制になっています。
いかがだったでしょうか?
正直、今回はこちらが意図していないご解答が多かったです。なるほど~と思うものもありました。その中には「それもまた正解」と判定できるもありました。お互いに勉強になるなあ、と思います。
詳しくは、問題編の私のコメントをお読みくださいね。
今回もありがとうございました。ではまた来週。
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