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mouthbirdさんの日記

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2013年
03月11日
18:22 mouthbirdさん

姪が地元の公立高校に合格した

姪が某公立高校に受かった。大分ひやひやしていた。1月後半に受けた某高校には受からなかったので。

私は姪が中2の夏ごろからずっと教えていた。姪は私が教えた生徒の中で最も英語ができなかった


姪の場合、英語以前の問題があった。おそらくは軽い「ディスレクシア」。文字が読みにくいのである

例えば bとd、aとo などの区別がつきにくい。
例えば
 bag を読ませると「ドッグ」と読むのだ。(dogに見えた模様)
 day を読ませると「ボーイ」と読むのだ。(boyに見えた模様)

here を読ませると「ハー」と読んだ。(herに見えた模様)
has を読ませると「ヒズ」と読んだ。(hisに見えた模様)

home は「ハウス」と読んだ。

same を 読ませると「サム」と読む。(someに見えた模様)
went を 読ませると「ウォント」と読む。(wantに見えた模様)
show を姪はなんと読んだかわかるだろうか? 姪はこれを「スノー」と読んだのだ。(snowに見えた模様)

players を「プレイズ」と読んだ。そこで「playsを読め!」と私が言うと「プレイズ」と答えた。なので「じゃあplayers を読め!」と言うと、姪は「あれ?」と答えた。指摘しないとわからないのである。


これだけ読めないと読めないなりの「叱られない工夫」をし始める(悪い工夫である)

似たような単語を、二択で覚え始めた。
例えば、this と that の意味と読み方を覚える場合、
どちらの単語を見ても
 読み方の場合→最初「ディス」と答えて、違ったら「ザット」と答える。
 意味の場合→最初「これ」と答えて、違ったら「あれ」と答える
という具合である。文字と発音・意味を結びつけて覚えないのである。

当然、英単語は上手く覚えられない。

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それどころか、アルファベットを「見ながら」書き写せないのである。

例えば、並べ替え問題。各単語は問題文に表示されているから、正しいと思う順番に並びかえて「書き写せばいい」。
これができない。
例えば、並べ替えの問題の単語の中に“one”という単語があった。姪が書いた文字は“ane”である。
並べ替えの問題の単語の中に“day”という単語があった。姪が書いた文字は“dey”である。
 問題文に書いてある文字を見ながらでも、それを正しく書き写せないのである。
 私が「違う!」と言うと、姪は「どこが違うの?」と言う始末である。自分でどこを写し間違えているか把握できないのである。

これだけ読み間違え、書き写せないのだから、中学の英語の授業は嫌で嫌でしょうがなかっただろう。

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こういう状況だと、英語に対する興味が確実に湧かない。
だから、誰でも知っていそうな英単語すら知らない。
例えば
now(ナウ)、young(ヤング)、old(オールド)、nice(ナイス)、winter( ウィンター)、enjoy(エンジョイ)、study(スタディ)…
これらは、「姪が中2の時点で意味を知らなかった単語」の例。もちろん「読めない」。それどころか「聞いたこともない」そうだ。


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私は姪をどう教えたか?


やったこと:大きく分けて2つ。

【1】学校の授業の補填
 これだけできないと、学校の英語の授業がかなりの負担になる。
 そこで、学校の授業の補填に重点を置いた。
 1・教科書をコピーさせ、ノートに貼らせる。
 2・読めない単語は全部カタカナでフリガナのようにふらせる
 3・分からない単語は全部、単語の下に意味を書かせる
 4・その上で、訳例を1文ずつ自力で作らせる。
 5・終わったら、文法を説明しながら、訳例を1文1文一緒に直す。
教科書1ページにつき、この1~5までをやらせる。中学生の教科書レベルだ。量はさほど多くない。1ページ文をやるのに一般の人なら30分以内でできそうな量である。出来る人なら15分ぐらいだろう。しかし姪の場合はとんでもない。1ページに4時間半はかかった。
中3の夏ごろからは、1文1文は直さなかった。1ページを丸ごと姪に訳例を作らせて、それを一緒に1文1文直させた。

【2】文法中心の問題集(中1・中2用)
学校の授業の予習を終え、学校の授業の負担が無い時のみ、文法の学習を行なった。
この本を買った。

この問題集にした理由は、「スペルを書かせる問題が多いこと」。姪の場合はほおっておけばアルファベットを書きたくないはずだから、「できるだけアルファベットを書かせる」ような問題集を選んだ。
10日間で終わるという触れ込みだが、姪の場合はとんでもない! 1冊やるのに12ヶ月かかった。中2で始めさせたが、中3になっても終わらなかった。各「確認テスト」は「所要時間20分」でやり終えるべきだが、姪の場合は1時間かかった。なおこれだけ時間をかけても正答率は半分以下が当然。
なお実は同じこの問題集を2冊買った。1回終えた後、もう1回最初からやり直させたのである。つまり同じ問題集を2週やった。2周目は半年で終えた。つまり2周やるのに1年半かかった。


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今年(2013年)に入って、週2から週4回に変更した。

やったこと:3つ
【1】基本単語の間違いをなくす
・人称代名詞(I, my, me,- mine, myselfまでのシリーズ)を完璧に書けるよう、読めるようにした。
・this、that、の意味を完璧に書けるよう、読めるようにした。
・疑問詞(what, which, when, where, why, how)の意味を完璧に書けるよう、読めるようにした。
授業最初の40分で毎回テストさせた。これが間違いまくりだった。しかし1月半でなんとか間違えなくなった

【2】文法中心の問題集(中1・中2用)のやり直し。
 2月になってもまだ2週目が最後まで終えられなかった。なのでわりとぎりぎりまでやらせていた

【3】公立高校の過去問
2月の後半になってようやく過去問に手が付けられた。
1昨年前の問題をやらせてボロボロ。だがそれを逐一解き直させた(読めない単語は明らかにさせる。意味のわからない単語は明らかにさせる。最後に意味を自力で作らせる。)
これも普通の人より姪は時間がかかる。例えばある大問1問は、標準では17分で読んで設問まで答えなければならない。この問題に対し姪は、辞書を使いながら、単語の読み方、意味、を明らかにし、さらに1文1文の訳例を自力で作るのに「4時間」かかった。さすがにこの頃になると、意味の間違いは減っていた。簡単な英文はほぼ間違えない。ただし辞書を使って4時間であることをお忘れなく。なおこの4時間かかった問題は、本番では「捨てさせ」た。辞書付きで4時間かかる問題が本番で高得点になるとは考えにくかったからである。その分、他の問題に時間と力を集中させた。無論、この4時間の努力が無駄になったわけではない。きちんとゆっくり英文を解釈させたのだ。その分、読み間違いが減るような実力が備わったはずである。

そして2月の最終週で昨年の過去問をやらせた。厄介な大問1問を捨てさせて、そこ以外の得点できそうなところにしぼらせた。そしたら一昨年度よりは多くの点数を大分取れる感じにはなった。

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なんとか受かったようだ。結果が出て本当に良かった。

自転車で15分で通える公立に行きたがっていた。4月からはそこに行けるようなので、私はホンマ「ホッ」としている。
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コメント

1番~10番を表示

2013年
03月11日
18:41
bonsuke2010さん

ここまで努力と工夫を重ねて教えようとするmouthbird先生は、もちろん、えらいが、あきらめずにやりとおした姪御さんはスゴイ! 高校合格おめでとう! 教える側も教わる側も、諦めずに努力を重ねれば結果に結びつく、という素晴らしい例。バンザイ!

2013年
03月11日
18:48
mouthbirdさん

>>1 bonsuke2010さん
ありがとうございます。姪の場合は、どんなにできなくても「もーやめた!」とは言わないタイプ・「分かろう」とはするタイプだと思っていました。だから私は「今はあきれるほどできないけれども、根気良く「分からせ」続ければなんとかなる」と思ってました。でも結果が出なかったらしょうがなかった。結果が出て本当に良かったです。

2013年
03月11日
19:56
luminさん

姪御さんの合格、おめでとうございます!
先生の洞察力と戦略、そして姪御さんのがんばりの賜物ですね^^

きょうは外の空気が暖かで、花もあちこちに咲いていました。
春が来たのですね・・・ 
すてきな高校生活が待っていますように桜桜桜

2013年
03月11日
21:39
mouthbirdさん

>>3 luminさん
ありがとうございます。姪は頑張ったと思います。見たくもないアルファベットを、時には1人で4時間もかけて予習したのですから。姪の幸福な高校生活を祈ってくれてありがとうございました。

2013年
03月12日
09:40
hadaさん

合格おめでとうございます!

自分は小さかったころ鏡文字を書き、「ぬ」と「ね」の違いがよくわからず困っていました。そして今でも「b」と「d」に苦手意識があることを考えると、もしかすると自分も軽微なディスレクシアなのかもしれません。

高校に入学できたからといって勉強が終わりになるわけではなく、勉強は一生続くものなので、姪御さんは姪御さんに合った勉強方法を見つけられるように願っています。

トムクルーズやスピルバーグもディスレクシアなんだそうですね。

2013年
03月12日
10:52
mouthbirdさん

>>5 hadaさん
ありがとうございます。なんとhadaさんも軽微の可能性があるとは!
高校に入ったら、中学以上に英語が難しく、そして課題文が長くなります。さらに今年から「英語で英語の授業」という、普通の高校生の8割には絶対無理な授業になります。
まだまだ苦しみは続くと思うので、ずっと教えることになります。
高1、高2、そして高3の英語の授業でもついて行かせなければなりません。姪も「ほっといたら(自分一人では)英語の勉強をやらない」ということは自覚しているようです。なので、受験が終わった今でも英語の学習を続けてます。

スウェーデンの王様&ご子息もディスレクシアらしいので、遺伝と関係があるかもしれないですね。

2015年
01月12日
22:00
hasyさん

今年は高3ですか。
ディスレクシアという言葉を初めて知りました。
お二人とも頑張りやさんですね!

2015年
01月13日
00:42
mouthbirdさん

>>7 hasyさん
姪は今年の4月から高3です。入った高校ではさらに英語を頑張り、現在は英語の成績優秀者です。今は英語はクラスで4番目ぐらいです。

現在は中1の甥が大変です。姪以上のディスレクシアです。bとdはもちろんメチャクチャ。酷いのは、大文字と小文字を区別しないことです。英文の文頭を大文字で書くことが極端に苦手です。
国語が英語以上に苦手。問題文が読めないから、テストで珍答のオンパレード。問われていることを全然違うことを書きます。(あ~おの中から答えを選んで書きなさい、という問題に、「3」とか数字が書いてあったりします。)このように自己解釈で変な答えを書きます。日本語の問題文を読んでいない(読めない)のです。
漢字が凄い苦手。読めない書けない。この間は漢字どころかひらがなの「あ」が書けませんでした。甥は小1ではなく中1です。

2015年
01月17日
13:28
hasyさん

>>8 mouthbirdさん

わあ♪\(^o^)/すごーい、4番だなんて素敵!
すっかり学習の楽しさを覚えられた感じですね。
羨ましい!
と、思ったら、今度は甥っ子さんですか?!
いやぁ、課題を越える人には
更なる課題が与えられるのでしょうね。
きっとまたこなせちゃうでしょうから、
マバ先生はたいへんだぁ~(^^;

それにしても、山が高そう、、、。
私も頑張らねばっ。

2015年
01月17日
17:57
mouthbirdさん

>>9 hasyさん
甥の場合はやらせるまでが大変です。
やってからも大変です。間違いがまず直りませんからね。。。。
姪ほどは上手くいかないと思っています。

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