姪が某公立高校に受かった。大分ひやひやしていた。1月後半に受けた某高校には受からなかったので。
私は姪が中2の夏ごろからずっと教えていた。姪は私が教えた生徒の中で最も英語ができなかった。
姪の場合、英語以前の問題があった。おそらくは軽い「ディスレクシア」。文字が読みにくいのである。
例えば bとd、aとo などの区別がつきにくい。
例えば
bag を読ませると「ドッグ」と読むのだ。(dogに見えた模様)
day を読ませると「ボーイ」と読むのだ。(boyに見えた模様)
here を読ませると「ハー」と読んだ。(herに見えた模様)
has を読ませると「ヒズ」と読んだ。(hisに見えた模様)
home は「ハウス」と読んだ。
same を 読ませると「サム」と読む。(someに見えた模様)
went を 読ませると「ウォント」と読む。(wantに見えた模様)
show を姪はなんと読んだかわかるだろうか? 姪はこれを「スノー」と読んだのだ。(snowに見えた模様)
players を「プレイズ」と読んだ。そこで「playsを読め!」と私が言うと「プレイズ」と答えた。なので「じゃあplayers を読め!」と言うと、姪は「あれ?」と答えた。指摘しないとわからないのである。
これだけ読めないと読めないなりの「叱られない工夫」をし始める(悪い工夫である)
似たような単語を、二択で覚え始めた。
例えば、this と that の意味と読み方を覚える場合、
どちらの単語を見ても
読み方の場合→最初「ディス」と答えて、違ったら「ザット」と答える。
意味の場合→最初「これ」と答えて、違ったら「あれ」と答える
という具合である。文字と発音・意味を結びつけて覚えないのである。
当然、英単語は上手く覚えられない。
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それどころか、アルファベットを「見ながら」書き写せないのである。
例えば、並べ替え問題。各単語は問題文に表示されているから、正しいと思う順番に並びかえて「書き写せばいい」。
これができない。
例えば、並べ替えの問題の単語の中に“one”という単語があった。姪が書いた文字は“ane”である。
並べ替えの問題の単語の中に“day”という単語があった。姪が書いた文字は“dey”である。
問題文に書いてある文字を見ながらでも、それを正しく書き写せないのである。
私が「違う!」と言うと、姪は「どこが違うの?」と言う始末である。自分でどこを写し間違えているか把握できないのである。
これだけ読み間違え、書き写せないのだから、中学の英語の授業は嫌で嫌でしょうがなかっただろう。
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こういう状況だと、英語に対する興味が確実に湧かない。
だから、誰でも知っていそうな英単語すら知らない。
例えば
now(ナウ)、young(ヤング)、old(オールド)、nice(ナイス)、winter( ウィンター)、enjoy(エンジョイ)、study(スタディ)…
これらは、「姪が中2の時点で意味を知らなかった単語」の例。もちろん「読めない」。それどころか「聞いたこともない」そうだ。
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私は姪をどう教えたか?
やったこと:大きく分けて2つ。
【1】学校の授業の補填
これだけできないと、学校の英語の授業がかなりの負担になる。
そこで、学校の授業の補填に重点を置いた。
1・教科書をコピーさせ、ノートに貼らせる。
2・読めない単語は全部カタカナでフリガナのようにふらせる
3・分からない単語は全部、単語の下に意味を書かせる
4・その上で、訳例を1文ずつ自力で作らせる。
5・終わったら、文法を説明しながら、訳例を1文1文一緒に直す。
教科書1ページにつき、この1~5までをやらせる。中学生の教科書レベルだ。量はさほど多くない。1ページ文をやるのに一般の人なら30分以内でできそうな量である。出来る人なら15分ぐらいだろう。しかし姪の場合はとんでもない。1ページに4時間半はかかった。
中3の夏ごろからは、1文1文は直さなかった。1ページを丸ごと姪に訳例を作らせて、それを一緒に1文1文直させた。
【2】文法中心の問題集(中1・中2用)
学校の授業の予習を終え、学校の授業の負担が無い時のみ、文法の学習を行なった。
この本を買った。
この問題集にした理由は、「スペルを書かせる問題が多いこと」。姪の場合はほおっておけばアルファベットを書きたくないはずだから、「できるだけアルファベットを書かせる」ような問題集を選んだ。
10日間で終わるという触れ込みだが、姪の場合はとんでもない! 1冊やるのに12ヶ月かかった。中2で始めさせたが、中3になっても終わらなかった。各「確認テスト」は「所要時間20分」でやり終えるべきだが、姪の場合は1時間かかった。なおこれだけ時間をかけても正答率は半分以下が当然。
なお実は同じこの問題集を2冊買った。1回終えた後、もう1回最初からやり直させたのである。つまり同じ問題集を2週やった。2周目は半年で終えた。つまり2周やるのに1年半かかった。
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今年(2013年)に入って、週2から週4回に変更した。
やったこと:3つ
【1】基本単語の間違いをなくす
・人称代名詞(I, my, me,- mine, myselfまでのシリーズ)を完璧に書けるよう、読めるようにした。
・this、that、の意味を完璧に書けるよう、読めるようにした。
・疑問詞(what, which, when, where, why, how)の意味を完璧に書けるよう、読めるようにした。
授業最初の40分で毎回テストさせた。これが間違いまくりだった。しかし1月半でなんとか間違えなくなった
【2】文法中心の問題集(中1・中2用)のやり直し。
2月になってもまだ2週目が最後まで終えられなかった。なのでわりとぎりぎりまでやらせていた
【3】公立高校の過去問
2月の後半になってようやく過去問に手が付けられた。
1昨年前の問題をやらせてボロボロ。だがそれを逐一解き直させた(読めない単語は明らかにさせる。意味のわからない単語は明らかにさせる。最後に意味を自力で作らせる。)
これも普通の人より姪は時間がかかる。例えばある大問1問は、標準では17分で読んで設問まで答えなければならない。この問題に対し姪は、辞書を使いながら、単語の読み方、意味、を明らかにし、さらに1文1文の訳例を自力で作るのに「4時間」かかった。さすがにこの頃になると、意味の間違いは減っていた。簡単な英文はほぼ間違えない。ただし辞書を使って4時間であることをお忘れなく。なおこの4時間かかった問題は、本番では「捨てさせ」た。辞書付きで4時間かかる問題が本番で高得点になるとは考えにくかったからである。その分、他の問題に時間と力を集中させた。無論、この4時間の努力が無駄になったわけではない。きちんとゆっくり英文を解釈させたのだ。その分、読み間違いが減るような実力が備わったはずである。
そして2月の最終週で昨年の過去問をやらせた。厄介な大問1問を捨てさせて、そこ以外の得点できそうなところにしぼらせた。そしたら一昨年度よりは多くの点数を大分取れる感じにはなった。
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なんとか受かったようだ。結果が出て本当に良かった。
自転車で15分で通える公立に行きたがっていた。4月からはそこに行けるようなので、私はホンマ「ホッ」としている。
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