今日の問題は、遺伝子組み換え作物技術の普及でかえって農薬の使用量が増加傾向にあるという記事からの出題です。
単語テスト:
http://puffer.daiwa-hotcom.com/cgi-bin/word/xml.php?id=10067
元記事: Pesticide use ramping up as GMO crop technology backfires: study
http://news.yahoo.com/pesticide-ramping-gmo-crop-technolo...
速読用:
http://readfa.st/read/41938/pesticide-use-ramping-up-as-g...
抄訳:
遺伝子組み換え作物への依存がスーパー雑草や耐性のある害虫を誘発し、アメリカの農業での殺虫剤、除草剤などの使用量が増えているという。
Environmental Sciences Europe誌に掲載されたワシントン州立大学 の持続可能な農業と自然資源センターのベンブルック教授の論文によると、
遺伝子組み換え作物が導入された1996年から2011年にかけて、アメリカの農薬使用総量は4億400万ポンド増えたという。
(16年間で除草剤は5億2700万ポンド増え、殺虫剤は1億2300万ポンド減った)
除草剤に耐性のある作物は、1996年にモンサント社が全世界に発売した初の遺伝子組み換え植物で、同社のラウンドアップ除草剤に対する耐性が組み込まれていた。
作物にダメージを与えずに簡単に雑草を減らすことができることから農家に非常に人気が高かったが、近年20種類以上の雑草がラウンドアップ除草剤の主成分であるグリホセートに耐性をつけてきているため、農家ではこれらの「スーパー雑草」に対抗するため農薬の量を増やさなければならなくなっている。
ベンブルック教授によると、雑草駆除を遺伝子組み換え作物に頼っている農家では、農薬耐性のある雑草は悩みの種で、いまや毎年25%ずつ農薬の量を増やすはめになっているという。
同様に害虫抵抗性のある遺伝子組み換え作物により、1996年から2011年の間で殺虫剤の使用は28%も使用量が減少していたが、殺虫剤に耐性のある害虫の出現により、再び増加に転じているという。
ベンブルック教授は、インタビューで、事態は急速に悪化しつつあり、農家はスーパー雑草の急激な増加に対応するためリスクの高い除草剤を使用せざるをえない状態になっている。また害虫抵抗性作物を植えているにもかかわらず、耐性のついた害虫から作物を守るために殺虫剤をまくように言われている と語った。
メモ:
除草剤に耐性のある遺伝子が組み込まれてるから農薬ざぶざぶ使ってもOKというのは、どうも感覚的に納得がいかないですね。
遺伝子組み換え作物なのに殺虫剤と農薬たっぷりつかった作物では、いいところがなんにもない感じがします。
ちなみに害虫抵抗性のある遺伝子組み換え作物は Bacillus thuringiensis バチルス・チューリンゲンシスという土壌細菌の毒素を遺伝子に組み込んだものだそうです。
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