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ichinenさんの日記

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2016年
12月03日
11:42 ichinenさん

英語でメッセージを伝えたいのなら、3語あれば十分?

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『会話もメールも 英語は3語で伝わります』(中山裕木子著、ダイヤモンド社)というタイトルだけを見ると、「ホントに?」と疑りたくなるかもしれません。しかし、本書の帯に印刷された例文を目にすれば、著者の主張にすぐ納得できるはず。



× My job is an English teacher.
○ I teach English.



「私の仕事」はMy job、「英語講師」は(冠詞のanをつけて)an English teacher、「~です」にはbe動詞のisを使って...ということでMy job is an English teacher.となるのが、いわゆる正しい英語。

しかし、I teach English.とすればどうでしょう? 直訳すれば「私は英語を教えています」ですが、意味は「私の仕事は英語講師です」と変わらないわけです。しかも文が短くなり、直感的にも理解しやすくなっています。つまり、このようなアプローチこそが著者の伝えたいこと。



本書を通して、皆さまに学んでいただきたいのは、「複雑な文をやめて、まずは3語(守護、動詞、目的語)で組み立てる」というスキルです。
(3ページより)



TOEIC950点、英検1級を取得するも、ひとたび社会に出ると、英語を「使う」ことがまったくできないことに気づいたという著者は、この方法によって壁を乗り越えたのだとか。「複雑で難解な英語でさえ、平易な英語の組み立てスキルが必要」だという考え方には、強い説得力があります。

そのような考え方に基づき、きょうはCHAPTER 2「『3語の英語』は動詞が決め手」に焦点を当ててみたいと思います。
【元の記事を読む】

「具体的な動詞」でスピーディーに伝える

動詞には、その1語だけで動作を具体的に表すことができる動詞と、そうでない動詞があると著者は指摘しています。



do(する)
perform(行う)
make(つくる)
(48ページより)



たとえば、「具体的になにをするのか」がわかりにくくなっているのがこれらの動詞。doやperformは「する」「行う」を表しますが、「なにをする[行う]」のかは不明。makeの場合、「つくる」ことはわかるものの、意味が広く、具体的にどのような動作をするのかがわかりにくいわけです。

一方、具体的で明快な意味をひとつだけ持っている動詞があるのだといいます。以下がその例。



「私たちは企業訪問をする」
We do company visits.

We visit companies.
(48ページより)



動詞doの使用をやめ、名詞形visitsに隠れていた動詞visitを使用したわけです。



「X社はY社に話を持ちかけた(アプローチした)」
X company made an approach to Y company.

X company approached Y company.
(49ページより)



動詞makeの使用をやめ、名詞形an approachに隠れていた動詞approachを使用。



「Z社は、生産拠点を台湾に移した」
Z company performed shifting of its production to Taiwan.

Z company shifted its production to Taiwan.
(49ページより)



動詞performの使用をやめ、動詞を名詞形にした形(動名詞)のshiftingを、動詞shiftとして使用。

「具体的な動作」を表す動詞を使えていないときは、本来の動詞が英文に隠れていないかを考えるといいそうです。多くは「動詞の名詞形」として、本当に使いたい動詞が英文のどこかに隠れているというのです。それを見つけ出し、「3語の英語」の主役として使えばいい1わけです。(48ページより)

ぼやかさず、具体的に言い切る

「3語の英語」は伝える中身が明快。中身がぼんやりしている場合、「3語」で伝えることは難しくなるといいます。



「新しい政策は、売り上げ増加に効果があると思われる」
Our new policy is thought to be effective for increasing sales.
(66ページより)



「売り上げ増加に効果があると思われる」は、伝えたい中身が定まらず、ぼやかした表現。実際に「売り上げが増加する」のか、または「売り上げ増加につながりそう」なのかが不明だということです。そうした場合、「3語」で表すことは難しく、is thought to be effectiveのように長い英語表現になったしまうのだといいます。

そこで「3語の英語」を使って、伝える内容も組み立てなおすことが大事。



Our new policy will increase sales.
(新しい政策により、売り上げが増加すると思う)
(66ページより)



こうすれば、はっきり明快な印象になるわけです。動詞には、1語で表せる明快なもの(increase)を使用。また「~と思われる」を表していたis thought toは、助動詞willに変更されています。

同じように、次の英文もブラッシュアップしてみましょう。



「この本は、学生にとってよいものだ」
This book is good for students.
(67ページより)



「よい」の意味がぼんやりしていて、具体的ではありません。そこで、「3語の英語」の出番。どのように「よい」のかを考えなおし、具体的に伝えることが大切。「3語」で表現しようとすると、以前と伝える中身も具体化していくといいます。



This book helps students.
(この本は学生の助けとなる)
(67ページより)



これなら、明快な印象の「3語の英語」です。しかし、このままだと相手は、「どのような助けとなるの?」とさらに詳しく知りたくなるはずなので、落ち着いて情報を加えればよいということ。



This book helps students to learn English.
(この本は、学生が英語を学ぶ助けとなる)
(67ページより)



もとの英文This book helps students.(この本は、学生にとってよいものだ)と1ワードしか変わらず、「この本は、学生が英語を学ぶ助けとなる」を表現できるわけです。
(66ページより)

難しいものを難しく解釈しようとするのではなく、視点を変えてシンプルに整理してみる。本書のわかりやすさの理由は、そのような視点を軸としている点にあります。英語の習得について悩んできた方も、ここに示されたメソッドを利用することで新たな可能性を切り開けるかもしれません。

(印南敦史)


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