英語の勉強をやっていたり、海外旅行の帰りの飛行機で自分の英語のコミュニケーション能力不足を痛感して、「明日から、英語をもっとがんばる!」と決意するときに、私はいつも、あることを思い出します。それは、教育実習で中学2年生に英語を教えていたときのこと。
「皆さんは、なぜ英語の勉強をしているのですか?」という私の問いかけに、一人の生徒が答えました。「英語で生きていこうと思わないので、いいです。」思いもよらぬ答えに私は、どう返答したのか、覚えていません。実習ではなく、本当に教師として教壇に立っていれば、「幸せの教室」のジュリア・ロバーツのように“Get away now!”と言ってしまったかもしれません。
「英語くらい話せないと。」という理由だけで、英文科を選んで、4年間勉強しても、「話せない」というコンプレックスのある私には衝撃の一言でした。
確かに日本で生活をしている限り、めったに英語を話す機会はありません。現地の言葉や英語を話せなくても、海外を旅行をすることも可能でしょう。でも、現地の言葉が話せないときに役立つのは英語です。海外を旅行すると、現地の言葉が話せないとわかると英語に切り替えてくれるお店、ホテルのフロントでは必ず英語で話してくれます。聞き取れて“Yes”、“No”で事足りるかもしれません。でも、それだけでは、あまりにも寂しい…と思うようになり、少しでも会話を楽しみたいと、再び英語の勉強を始めました。
「英会話タイムトライアル」を聴いていて、自分がいかに「話す」という練習から逃げていたかを思い知りました。“Yes”、“No”の後にプラス一言が言えるように日々、「わぁー、何て言うたらええんー?!」と格闘しています。あたふたと勉強していると、ふと、あの生徒の一言が思い出されます。そして、「今も、あの子は同じようなことを言うのかなぁ…。」という思いがぼんやりと頭をかすめていきます。
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